姉の笑顔の裏に弟は気苦労する
先に載せました短編『公爵家に産まれましたが令嬢でも平民でも無いけど可愛い弟と魔法があるので今日も楽しいです』で寝ていた姉を主人公にした連載です。
22/12/31誤字修正を行いました。教えてくださった方ありがとうございます
2023/04/12誤字修正をおこないました。教えてくださった方ありがとうございます。
魔法とは想像力
魔法とは願い力
魔法とは善にもなり
魔法とは悪にもなり
魔法は誰にもあるもの
魔法は生命力
魔法は意志の強さ
青い空
白い雲
新緑の綺麗な山並みに足元には煉瓦色の街並みが小さく見え目の前に広がる風景は絵画に描かれているかの様に綺麗で頬を撫ぜる風が気持ち良く心躍らせる。ご機嫌で空を飛んでいると急に箒の様がおかしくなり急降下をしたしたり急上昇をしたりと繰り返しだす。
何とか持ち直そうとするも低空飛行は止まらず目の前にレンガの壁が迫り思わず目を瞑り痛みを予想し体に力を入れた。
ぶつかる!
いつまで経っても痛みは無く恐る恐る目を開けれ見慣れた生成色のが見え勢い良く体を起こした。
呆然をしながらも周りを見渡せば紺色のワンピースに白色のエプロン慣れ親しんだ自分のメイドが視界に入り、
「お嬢様お目覚めになりましたか?」
体調を伺うように問われた言葉に
「私、箒で飛んでいて壁にぶつかったはずでは?」
呆然としながらの返せば
「飛んでいたかは分かりませんが、箒に股がり頭を打ったとディラン様から聞いております」
首を左右に振りながらの返事に頷き
「ディランに悪い事をしてしまったわ」
不運にも目撃をしてしまった弟に申し訳なさを零せば、
「本当だよ。姉様」
扉を開くと同時に聞こえてきた言葉に視線を向ければ鷹色の髪に白いブラウスと黒のショートズボンの少年が現れ、ゆっくりとした足取りでベットに近づいたと思えば、ベットに腰かけ視線が合う。
「心配をかけてごめんなさい」
合った視線から心配の色を見つけ申し訳なさに謝罪の言葉を口にすれば、
「目が覚めて良かった」
安堵の息と共に紡がれた言葉に申し訳なさが膨らみ、
「本当にごめんなさい」
視線を下げ改めて謝罪をすれば、
「そんなに謝らないで。姉様は悲しい顔より笑っている顔が良く似合うよ」
姉様も皆の笑ってる顔が好きですよね。
掛け布団を握り締めていた手の上から気遣う様に自分より小さな手が置かれ告げられた励ましの言葉に
「うん。心配かけてごめんなさい。お見舞いに来てくれてありがとう」
下げていた顔を上げ笑顔で礼を告げれば、
「何事もなさそうで安心しました。それにしても箒で飛ぼうだなんてまた凄い事を思いつきましたね」
安心したのか重なっていた手を離し、雰囲気を変えるために違う話題を振るディランに
「そうなの!箒を見てたら跨って空を飛びたくなってね」
だからやってみました。
先程とは打って変わって楽しげに告げる言葉に驚いたのか目を見開き、そうですか。と呟くもどこか納得できないようで無理やり納得したような、どこか腑に落ちない返事にも気に留めず
「ねぇ、ディランから見て私は空を飛んでいたかしら?」
好奇心かただ感想が聞きたいからなのか目を輝かせやや大きな声で尋ねられた質問に
「空までは行かなかったけど、少しの間だけ浮いたのは見たよ」
苦笑しながらも頷き見たままの事を話せば嬉しそうに1度だけ手を叩き、
「やっぱり!もっと練習が必要ね」
明日から頑張るわね。
輝かんばかりの笑顔での言葉に、
「うん。程々にね」
口端が引きつっていたが気付かないふりをして返事を返す。
「エスメ様、頑張るのは明日からにして今日はゆっくり休んで下さい」
先程から壁際で待機をしていたメイドの言葉に、
「そうね。元気だし体に痛みはないけど用心することも大切よね」
頷き返事を返せば、
「僕も退出するよ。姉様また明日」
ベッドから腰を上げ微笑みながらの挨拶に返事を返し従者が開けた扉を出て行くのを見送り、
「マルチダ、私の机にある魔術書を持ってきて欲しいの」
先程声をかけてくれたメイドへお願いをすれば短い返事の後すぐさまエスメの元に届けられた。
厚い表紙を捲り何度も何度も読み返した文書を読み込んでいく。
どこかに空を飛ぶヒントがあるはず。
夢で見た光景をもう一度見たい。
どうすれば見れるだろう?
1文字たりとも見落とさない様に文書を読み頭の中でその魔法を使って空を飛ぶ想像してみる。
やはり風魔法が良いかしら。
頭の中で浮き上がるイメージができあがり、明日実行する事を決めた。
いかがだったでしょうか?短編で出てきた疑問をこれかた回収して進めて行きます。
お時間の空いた時に読んでいただければ嬉しいです。
読んでいただきありがとうございます。
ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟の心境と日々を書いております。よろしけれお読みください。
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