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魔王軍はお金が無い  作者: 三上 渉
完結編:LORD of EVIL
136/145

魔神王と忠義の炎

:魔神王と忠義の炎


それはずっと昔、気が遠くなる程昔の話

この星が星として誕生した時、ソレは同時に産まれた

星の危機に現れるという星の防衛機構、だがソレがその役目を果たした事はソレの誕生以来一度も無い

ただずっと、ソレはそこに在り続けた

自らの役割を果たす日を何百年も何千年もただ待ち続ける、それだけの存在だった。だが・・・


「オマエハナニモノダ?」

「僕の名ですか?僕の名はウィズ=ウラム」


ある魔族の少年との出会いが、ソレの存在を大きく変える事となる

その日からソレは、一つの存在として歩み始めたのだ






ゴオッ!!!!!


鋼の鎧を身にまとったギガスがその腕を振るう!

50メートルもある巨人の一撃だ、その破壊力は計り知れない!


ブオンッ!!!


その尋常ならざる一撃をウラムは高速で飛行しかわす!


疾風螺旋スパイラルウインド!」


すかさず反撃の一撃を放つウラム!その威力は以前のウラムの魔法とは比較にならない!だが!


ドガガガガガガッ!!!


その強烈な一撃を意にも介さずギガスは攻撃を続ける!


ブンッ!!!


その攻撃を回避しながらウラムは叫ぶ!


「この一撃でも通用しないとは!しかもこのパワーとスピード!ただの鉄の塊ではないようですね!」

「ええ。対魔法防御装甲に加え、このボディは私の身を包む炎をエネルギーに変換し動いています。そして機能はそれだけではありません」


ギュイ・・・キュイィン・・・!


ギガスのボディに内蔵された各種センサーがウラムをロックオンする!そして!


「ホーミングレーザー!!!」


ギガスの全身から砲門が現れると同時に無数の光の帯がウラムへと放たれた!

すかさず回避するウラムだったが、レーザーはウラムを追尾し向かって行く!


「チッ!!!」


光の速さで追尾してくるレーザー!

回避は無理と判断したウラムは障壁を展開しレーザーを受け止める!だが!


「隙有りですウラム殿!!!」

「何っ!?」


ゴオッ!!!!!


それと同時にギガスの拳が放たれ、その一撃はウラムを直撃!

ウラムを障壁ごと吹き飛ばした!


ドグォッ!!!


その凄まじい一撃に遥か彼方の地面まで叩きつけられるウラム!しかし・・・!


「ハッハッハッハッハッ!!!楽しいですねギガス!!!」


ウラムの顔に浮かんでいるのは笑みだ

未だかつて無い強敵との戦い、それがウラムを高揚させる

そしてウラムはすぐに立ち上がるとギガスに向かって真っすぐに突撃していく!


「本気の貴方と戦うのは初めて出会った時以来ですか!?」

「ええ、まだ「私」が「私」でなかった頃です」


ウラムとギガスは更に激しい攻防を繰り広げながら語り合う


「あの時のウラム殿の言葉が有ったからこそ、私は私としてここに存在している。心より感謝しています」

「それは何よりです。では、ギガスは「答え」を見つけたのですか?」

「まだハッキリとはしていません。ですが・・・恐らくは」

「なるほど・・・それは羨ましいですね。私はもう少しかかりそうです」


そしてウラムとギガスは、二人が初めて出会った時の事を思い出す






「オマエハナニモノダ?」


そう問いかける炎の巨人に対して、魔族の少年はにこやかな笑みを浮かべたまま答えた


「僕の名ですか?僕の名はウィズ=ウラム。他人は新たなる闇の王とか、魔王とか呼びますね」

「魔族カ・・・用ガ無イナラ立チ去ルガイイ。「我」ガ目覚メル前ニナ」


それだけ呟くと、巨人は彼に興味をなくした様に顔を背けた

だが、少年は話を続ける


「いえ、用ならありますよ。僕は貴方をスカウトに来たんです。星の子供よ、僕の仲間になりませんか?」


そう言って少年は巨人に手を差し伸べる、だが


「クダラン・・・我ハオ前タチ魔族ト人間ノ争イ等ニ興味ハナイ。我ハ星ヲ守ル為ノ存在、タダソレダケダ」

「ただそれだけですか・・・」


その言葉に少年は少し俯く

しばらくして、少年は巨人に向かって問いかけた


「貴方は自分が何者なのか知っていますか?」

「愚問ダ、我ハ星ト共ニ在ル者」


そう即答する巨人、だが


「いえ、そうではなく」


そして、少年は言った


「貴方は何を喜び、何に怒り、何に悲しみ、何を楽しむ存在なのか?それを知っていますか?」

「何ダト・・・?」


少年の言葉に眉を潜める巨人、少年は続ける


「答えられませんか?貴方は自分が何者なのか知らないのですか?」

「・・・小僧」


ゴゴゴゴゴッ・・・・・!!!


その言葉に巨人がその身を起こす、その全身を覆っている炎が猛る様に吹き荒れる!


「それならばやはり貴方は僕の仲間です。共に行きませんか?」

「断ル。ソノ不遜ナ態度ノ代償、オマエノ命デ支払ウガイイ」


そして全てを焼き尽くす轟炎が少年に襲い掛かった!






「・・・あの時は私の勝利でした、ギリギリでしたがね」

「ええ。そしてそれを期に、私はウラム殿の配下となりました」

「私は貴方を配下ではなく、同士だと思っていましたよ」

「・・・恐悦の至り」


二人は語り合いながら攻防を繰り広げる!

吹き荒れる炎と旋風の応酬、その激しい戦いをやや離れた所でラグナは眺めていた


(ラグナ?加勢しなくていい?)


そうラグナに問いかけるティス、だが


「止めておきましょう、あれは二人の戦いよ」


そう呟いてラグナは過去の事を、魔王軍にギガスが居た頃を思い出す


(今になって分かる。ギガスは魔王軍に居ながら、魔王軍の為に戦った事など一度も無かった。ギガスは最初からただ一人、ウラムの為だけに戦い続けてきた。ギガスは最初から一人の主にだけ忠義を尽くしていた)


「そして忠義を尽くすからこそ、その主と戦う・・・私には理解不能よ、ギガス」


そして鋼の巨人は己が主に向かって全力でその力を振るう!


「はああああああっ!!!!!」


その姿をラグナは黙って見届けるのだった






その頃、戦場からやや離れた場所では・・・


「ここまで離れれば、とりあえず大丈夫か」

「そうっスね・・・」


俺とフィーリスはアリアの手を引いて、半壊した観客席まで退避してきていた


「とりあえず今はギガスが時間を稼いでくれているが、あの本気状態のウラム相手にどれだけ保つか・・・」

「何か作戦は無いっスか!?」

「・・・」


フィーリスの言葉に俺は無言で首を横に振って答える

正直、今の段階でウラムに勝てる方法は全く思いつかない。・・・その時


「ソーマさま~!」

「「「魔王~!」」」


遠くからこっちに向かってくる4人の猫娘、ミケ達だ


「魔王、一般人の避難は完了したにゃ、もう残ってるのは私達だけにゃ」

「そうか、サンキュー」


ウナの報告に俺は安堵する、どうやら死傷者は出ていない様だ


「それより皆さん怪我は!?」

「自分は平気っス」

「俺も大丈夫だ」


心配そうに言うミケに、俺とフィーリスはそう答える。そして


「私も怪我はありません・・・ですが・・・」


アリアはそう答えると項垂れる

その視線の先、その手にあるのは折れた聖剣だ


「聖剣が破壊されてしまったのでは・・・もう・・・」

「アリア・・・」


そう心配そうにアリアを見つめる俺達、その時!


「・・・ん?」


同じく心配そうにアリアを見つめていたフィーリスがある事に気付く、そして・・・!


「・・・え!?ちょっと!まさかソレ!!!」


そう叫ぶと、フィーリスはアリアに詰め寄った!


「ちょ!!!ちょっとソレ!!!見せて欲しいっス!!!」

「・・・聖剣ですか?」


そう呟くと、アリアは折れた聖剣をフィーリスに手渡す

フィーリスは聖剣を受け取ると、聖剣を色んな角度からまじまじと眺める


「・・・んん?・・・むむ・・・ふああああ・・・!!!」


そして、その目が何かの確信を得て驚愕に見開かれる


「色々変なパーツが付いてるっスけど・・・やっぱりコレ!!!GR社の幻の試作型!!!GR-001っス!!!!!」

「じーあーるぜろぜろわん?」


突然フィーリスの口から出た謎の単語に、俺は首を傾げる


「そうっス!!!本来研究目的の試作型であったにも関わらず、そのあまりの高性能に001のナンバーが与えられたGR社の傑作モデル!!!現存する数は片手の指で数えるくらいと言われる幻の逸品!!!自分も実物を見たのは初めてっス!!!」


そう興奮しながら叫ぶフィーリス、つまり話の流れを整理すると・・・


「つまり・・・アリアの聖剣は天界で作られた武器だったって事か?」

「そうっス!!!」

「ふむ・・・」


しかし、冷静に考えてみれば納得だ

初代勇者だったって言うアルゼアは天界の計画、半神計画によって作られた存在

ならその時から受け継がれてきた武器も、当然天界が用意した物だったって事だ

だが、興奮した様子のフィーリスと対照的にアリアは項垂れたまま言う


「でも・・・その聖剣は・・・」


しかし、その言葉を聞いたフィーリスはアッサリした様子で言った


「あ~、それなら問題ないっス。え~っと・・・多分ここをこうして・・・」


そして何やら聖剣をいじりはじめる、その時・・・!


パチン


何か音がすると同時に折れた刀身が外れ、地面に落ちた!


「ああああああーーーーー!!!!!残っていた刀身までーーーーー!!!!!なんてことするんですかーーーーー!!!!!」


つかだけになってしまった聖剣の姿を見て、涙目になりながら大声で叫ぶアリア。しかし


「落ち着いて下さいっス!大丈夫っスから!」

「え?」

「刀身の方はオマケっス、銃剣みたいなもんっス。素材だってフィグライト製っスからね」

「フィグライト?」

「えっと~、オモチャなんかによく使われてる素材っス。安心安全お子様にも害は無いっス」


そう言って折れた刀身をひょいと摘み上げるフィーリス

そのフィーリスの言葉にアリアが崩れ落ちた


「オモチャ・・・先祖代々伝えられてきた剣がオモチャ・・・」

「ああ!しっかりしろアリアー!!!」

「アリアちゃん!気をしっかりー!!!」


愕然とした表情で崩れ落ちるアリアを俺とミケで支える

その様子にフィーリスが慌ててフォローを入れる


「ああいや!大事なのはコッチっスから!この「柄」の方っス!」


そう言いながら、フィーリスは手に残った聖剣の柄を見せる


「柄の方が?」


そう首を傾げる全員に向かってフィーリスは叫ぶ!


「そうっス!!!これこそが伝説の試作型!!!GR-001の本当の力っス!!!」


そう宣言しながら聖剣の柄を掲げるフィーリス!

そして、フィーリスによって聖剣の真の力が明かされるのだった!






そして同じ頃、ウラムとギガスの戦いも佳境に差し掛かっていた・・・!


「ハアッ・・・ハアッ・・・!」


二人の攻撃は大きくそびえたつ山ですら、まるで砂浜に作った砂山の様に軽々と吹き飛ばす程の強烈な威力!

だがそれですらも魔神王と轟炎将軍、互いを屠る決定打にはなりえない!

お互いに体力だけを消耗していく・・・!


「このまま何十年、何百年も戦い続けるのも面白そうですが・・・」

「はい・・・決着を付けましょうウラム殿」


そう言って二人は間合いを離す・・・!


キィィィィンッ・・・!!!


そしてギガスの周辺に漂う魔力が輝くと空間に文字と図形を描いていく!


「我は世界に接続する!」


それは究極の力を発動させるという世界への宣言!ギガスの周辺に展開される魔法陣!

ギガスの究極魔法!「ギガメリウスの黒炎」の構えだ!


「いいでしょう・・・受けてたちます!」


そのギガスの必殺の一撃をウラムはその場で待ち構える!


「是なるは轟炎将軍ギガメリウスの究極魔法、全ての分子を振動させ焼き尽くす究極の一!!!」


カッ!!!!!


その言葉と同時にギガスの胸部装甲が展開され「黒炎」の発射態勢に入る!


「これが私の忠義の証ですウラム殿!!!ギガメリウスの黒炎改め!!!インフェルノォッ!!!ブラスターーーーーッ!!!!!」


そしてギガスの胸部から黒い閃光が発射される!


ゴオオオオオオオオオオッ!!!!!


全てを焼き尽くす究極の炎がウラムに向かって放たれた!!!

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