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魔王軍はお金が無い  作者: 三上 渉
第二章:魔王と新入社員勇者
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魔王と魔王城のお宝

:魔王と魔王城のお宝


どうもこんにちは皆さん四十万宗真です

気軽にソーマと呼んでください、もとい読んで下さい

順風満帆の引きこもり生活をしていたはずが、強制的に異世界に召還され魔王をやる羽目になってしまい

異世界で文字通り、命がけの生活を送っています

現在、俺は魔王城に住んでいるのですが


「迷った・・・」


夜中に、意識が朦朧としたまま用を足しに部屋を出たのが運のつき

結果、この広大な魔王城を彷徨う羽目となった


「オートマッピング機能は無いのか、方眼紙を用意しておけばよかった」


少しは過ごしやすい様に、ギガスに頼んで改築されてるはずなのだが

あまりに広い為、普段使用しないエリアはそのままになっているようだ

つい数週間前までは・・・


「魔王城と言えば隠し通路にダメージゾーン、それとミミックですかね」

「死ぬわッ!!!!!」


と言った感じだった

今は多少歩き回っても死にはしないと思うが・・・






そうして歩き回った俺は、何やら厳重そうな扉の部屋にたどり着いていた


「なんだ?この部屋」


罠とかしかけてないだろうな?俺は慎重に扉を開ける


ギィィィィィ・・・


扉を開けると、そこはかなりの大きさの部屋の様だった


「倉庫?いや宝物庫ってやつか?」


俺はそう呟く。しかし、そこに収められるべき宝の類はほとんど残っていなかった

部屋の隅にほんの少しだけ残された財宝が、現在の魔王軍の財政事情を物語っていた


「どうやら宝らしきものは無いが、しかし・・・」


宝は残っていない、だが部屋の中央に巨大な石らしきものが鎮座している

ぼんやりと赤く輝くその石、大きさは俺の身長の倍くらいはあるだろうか

これも宝の類なんだろうか?


「どうしました魔王様?こんな所で」

「うおうっ!ウラムか」


いきなり背後から現れたのは、魔王軍幹部の一人ウラムだった


「ちょっと迷ってただけだ」

「マッピングは大事だと思いますよ、落とし穴やジャミングゾーンもありますからね」

「今すぐ撤去しとけ!それはともかく・・・」


俺は目の前に鎮座する赤い石に視線を向ける


「何だこれ?お宝か何かか?」

「まあ、お宝と言えなくもないですが・・・」


そしてウラムはその赤い石について説明を始める


「これは魔力結晶石と言いまして、その名の通り魔力を溜め込んでおく事が出来る石です」

「ほう」

「魔王城で使用している魔力は全て、この魔力石から供給されているのです」

「自家発電機みたいなものか?」

「ええ。我々が魔力を使う際もこの魔力石から魔力を持ってくる事が出来ます。そのお陰で魔王城の周辺に限り我々魔族はほぼ無尽蔵とも言える魔力量を誇ります」

「そんな凄い物なのか」

「大体握りこぶし程度の大きさの魔力石で、並の魔術師が1年間に使う魔力量を供給できますから」

「じゃあ、この大きさになると・・・」

「何百倍、いえ何千倍、何万倍。とにかく途方も無い魔力を供給する事が可能です」


そんな凄いお宝なのか・・・だったら


「じゃあさ、これ売ればいいんじゃね?」

「それを売るなんてとんでもない!!」


俺の提案を速攻で却下するウラム


「この魔力石はこの魔王城の心臓とも言うべき代物なんですよ!」

「とは言っても財政難をどうにかする方が先決だろう」


今の魔王軍の経済状況じゃ背に腹は変えられないと思うのだが

しかし、ウラムの返答は予想外の物だった


「それに売った所で大したお金にはならないと思いますよ」

「なんでだ?凄いお宝なんだろ?」

「まあそうなのですが。これだけ途方も無い魔力、人間には使い道が無いと申しますか」

「そうなの?」

「ええ、大賢者クラスの魔法使いであっても持て余す量だと思いますよ、正に無用の長物というやつです。実際の所、魔族の我々ですら持て余していますし」

「無尽蔵の魔力なんてあれば、色々出来そうな気がするんだけどなぁ」


魔法を使った商売なんか出来ないだろうか?

元手がゼロの商売とかワクワクが止まらねぇゾ?


「まあ、売却以外の使い道に関しては魔王様にお任せしますよ」

「そうだな、まあ何か考えとく」


とりあえず俺は宝物庫を後にする

自分の部屋に戻るとしよう


「ウラム」

「何でしょう魔王様?」

「道案内を頼む」

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