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魔王軍はお金が無い  作者: 三上 渉
第一章:魔王とはじめての異世界
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魔王軍はお金が無い

:魔王軍はお金が無い


ドラゴン騒動から数日、俺は書類の山と格闘していた


「ええっと・・・こっちが収入の総額か、それで開発費用とか色々差っぴいて・・・」


その後、ステビアを救った赤竜騎士団の人気はうなぎのぼりだった

どうやら無我夢中で逃げていた俺はステビアの近くまでドラゴンを連れてきていたらしい

つまり、赤竜騎士団とドラゴンの戦いはステビアの住人が見守る中で行われていたという事だ

これにより、騎士団演習の客足も増え、騎士団への入団希望者も増えていき

時代の流れに消えていくはずだった騎士団は、その息を吹き返す事となった

壮絶なマッチポンプな気もするが気にしないでおくことにする


「どうやら盛況だったようですね」

「ああ、ギガスが作ってくれた演出装置もかなり役に立ってる」


ちなみに、倒したドラゴンは意識が戻った後、ティスの説得(とウラムの3時間土下座)により和解

ホログラム作成の為の撮影に協力してもらい、報酬の食料と共に元の洞窟へと帰っていった


「ソーマ、仕事?」


ドンッ


突然後ろからティスが抱きついてきた、どうやら警戒も解けて慣れてきたようだ

この行動もつまり子供が甘えてくるあれなんだろうが、なんというか


ふにっ


うむ、深くは考えまい


「ああ、そうだよ。ショーも盛況だし収入も前よりは入ってきた」


そうティスに答える俺に、ウラムが期待する様な顔で言った


「魔王軍再建も近いですかね?」

「いきなりそんな大金は入ってこねーよ、小さな事からコツコツとだ」


俺がそう答えると、ウラムは途端にガッカリした様な声に変わる


「意外と堅実派なんですね。魔王らしく全財産賭けてHEAVEN or HELLとかやらないんですか?」

「アホか!だからお前らは今まで失敗してきたんだろうが!!!」


魔族は懲りるという事を知らないのか・・・

その会話を聞いていたギガスが落ち着いた声で言う


「そういった堅実な思考こそが今の我々に必要なのかもしれませんね」

「そーいう事だ。とりあえずお前らも手伝え」

「ぷるぷるぷるぷる」

「あ、いや。スライムは別に・・・」






こうして、俺の魔王としての最初の仕事は終わった

成果は・・・まあまあと言った所だろう

だが、魔王軍の財政を立て直すにはまだまだ足りない、世界征服など夢のまた夢だ


「次は何をするか・・・」


次なる金儲けの策を考えつつ、俺は書類の山を片付けていくのだった















「さて、これでまた新しい幕が開きました。人間の可能性を識る為の・・・そして、「私」が「私」を取り戻すまでの壮大な暇つぶしが・・・。精々、私を飽きさせない様、楽しませて下さい・・・」











「魔王様」

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