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魔王軍はお金が無い  作者: 三上 渉
最終章:魔王と星が降る日
116/145

魔王と最終戦開幕

:魔王と最終戦開幕


そして時間は過ぎて行き、4月12日早朝

俺はベッドの上で眠るアリアを、ベッドの側の椅子に座って見つめていた


「アリア・・・」

「・・・」


この一ヶ月、アリアはついに目覚める事はなかった

ラグナに言わせれば、このまま一生眠り続けるかもしれないとの事だが

その時、横に立っていたミケが声をかける


「ソーマさま・・・そろそろ」

「ああ」


だが、今はずっとここに座っているわけにはいかない

アリアがいつか目覚めるその時まで、メギドからこの星を守らなくてはならない


「行こう」


そう言って俺は立ち上がると、ミケと共に会議室へ向かって行った






「揃ってるか?」


俺は会議室のドアの前に立っていたウラムに問いかける


「ええ、後は魔王様達だけです」


その言葉を聞きながら俺は会議室に入っていく


「ミケも早く中へ」

「は、はい!」


そして全員が見守る中、俺は会議の始まりを宣言した


「よし、会議を始めるぞ。まずはギガス」

「はっ」


俺の合図でギガスが説明を始める


「まずメギドですが。この星に激突するまでおおよそ30時間程度、すでに目視で確認できる距離にあります」


ギガスの言うとおり

空を見上げれば既に、この星に近づいてくるメギドの姿が確認できる様になっていた


「ですが。それを破壊する為の魔力爆弾を搭載したロケットは既に完成しており、24時間後の4月13日AM5:00丁度に発射予定となっております」

「ギリギリだったが、何とか間に合ったって所だな」


その言葉にやや周りの緊張感が緩む

だがその時、ウラムが言った


「ええ。ですがむしろ、ここからが本番という所です」

「ああ、ウラムの言うとおりだ。あと24時間でロケットは発射される、だがそれをあの天使達が黙って見過ごしてくれるとは到底考えられない」


俺の言葉に、全員が再度緊張感を高める

そして俺が合図をすると、ギガスが作戦の概要を説明し始めた


「今作戦の目的は、ロケット発射によるメギドの破壊です。我々は敵の妨害を阻止しロケットを発射。発射されたロケットに、発射時の誤差などを計算した起爆タイミング信号を送ります。その後ロケットは自動でメギドへ向かっていき爆発、メギドを破壊します」

「宇宙で天使の部隊が待ち構えてたら・・・?」

「問題ありません。ロケットは一度発射されてしまえば強力なフィールドを展開させる為、宇宙空間での迎撃はほぼ不可能でしょう。ですが、逆に発射されるまでのロケットは完全な無防備状態となっており、そこを攻撃された場合為すすべなく破壊されてしまいます」

「えっと、そのフィールドをずっと張っておく事は出来ないんですか?」

「フィールドを発生させる魔力は魔力結晶から持ってくる事になりますが、フィールド発生に割く魔力量には限りがあります」

「ずっとフィールドを張り続けてると爆弾の威力が落ちる。それでメギドが破壊出来なくなったら本末転倒・・・」

「はい。よって、発射されるまでのロケットの防衛は我々が行う事となります。幸いこの魔王城周辺は何も無い荒野ですし、背後はメルヒェンス山に守られています。奇襲などは難しいでしょう」

「それでギガス、防衛体制はどうなってる?」

「はっ。防衛装備を配備したスライム700体による防衛ラインが既に展開されており、私を含む四天将軍それぞれに部隊を指揮してもらう形となります」

「よし。それじゃあ詳しい配置だが・・・」


その後、俺達はロケット防衛の詳しい部隊配置等を確認

最後の会議を進めていった






そして3時間後・・・


「ぷるぷるぷる!(こちら偵察隊、敵影は確認出来ず!)」

「了解、引き続き警戒態勢を・・・」

「ぷるぷるぷる!(イエスマム!)」


俺達は既に厳戒態勢を敷き、配置に付いていた

俺はロケット発射場側の魔王城に設置した作戦司令室より、全体の状況を確認する


「スライム第二偵察隊より報告、敵影確認出来ず」

「第三から第六までも異常無しの報告が来てるにゃ」


ウナ、リィ、マウには同じく司令室で、部隊全体のオペレートを担当してもらっている


「にゃ・・・敵なんて本当に来るのかにゃ?」

「来ない事を祈りたいが・・・まず無いだろうな」


俺とマウがそんな事を話していた、その時!


ウーウーウー!!!


警戒態勢を告げるサイレンが鳴り響いた!


「偵察隊より報告!敵影を確認!レーダーレンジに入るにゃ!」

「ウラム!」


俺は通信機でウラムを呼び出す!


「ええ。こちらでも確認出来ています」


その時、城に設置されていた望遠レンズが敵の姿を捉える!

そこに映し出されていたのは人間でも天使でもない!

無数の機械兵士の軍団だった!


「機械の兵隊・・・ロボット軍団って所か」

「敵の数が分かったにゃ!数はおおよそ1000って所にゃ!」


リィの報告に俺は少し眉をひそめる


「1000?想像していたより少ないな・・・」

「何言ってるにゃ!?それでもこっちより300多いにゃ!」


俺の言葉にマウが抗議の声を上げる、マウの言う事も最もなのだが

だがその時、俺は違和感の様な物を感じずにはいられなかった

そして突然、こちらに進軍していたロボット達が停止した。その時!


「聞こえるか、魔王軍の諸君」


ロボット達が進軍を止めたと同時に、辺り一帯に声が響いた!


「この声は・・・」

「ロードガイウスか!!!」


そして宙に、ガイウスの巨大なホログラム映像が浮かびあがった!


「神の裁きに抗おうとする愚かで哀れな者共よ、これよりお前達に神罰を下す。我等の正義の力の前に滅び去るがいい」


そしてガイウスは右手を前にかざし号令する!


「全軍前進」

「命令受諾、攻撃を開始」


ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・!


そして、ロボット達がロケットに向かって進軍を再開した!


「来るぞ!!!全部隊戦闘開始!!!」


ここに!セレンディアの命運を賭けた防衛戦が幕を上げたのだった!






ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・!


ゆっくりとこちらに向かってくるロボットの軍勢!それに対するは・・・


「まだ、もう少し引きつけないと倒せない・・・」

「はい。スライム隊、攻撃態勢のまま待機です」


ティスとギガスが指揮するスライム隊である!

無敵の防御力を誇るスライムだが、攻撃手段に関しては心許ない

だが当然、そんな問題は既にクリアされている

そしてロボット達が「その距離」に踏み込んだ、その時!!!


「今!!!全部隊!「一斉射撃」!!!」


ドガガガガガガガッ!!!!!


スライム達に配備されたガトリングガン等の重火器が一斉に火を噴いた!


「ぷるぷるぷる!(鉛弾のシャワーだ!食らいやがれ!)」


射出される高速の鉄甲弾がロボット達の装甲を撃ちぬいていく!!!


「敵部隊からの攻撃を確認、反撃体勢に移る」


すぐさま反撃を開始しようとするロボット達!だが!


「ぷるぷるぷる!(ロケットランチャー発射!)」


ボシュッ!


「!!!」


ドッゴォオオオオオンッ!!!


すかさずトドメとばかりに撃ち出されたロケット弾が、敵ロボットを粉々に粉砕した!


「よし、敵の戦線が崩れました!スライムタンク部隊!全車両前へ!!!」


ギガスの号令と共に前へ突撃してきたのは、スライムが搭乗した小型戦車部隊だ!


「ぷるぷるぷる!(砲塔!2時方向の敵に向けろ!)」

「ぷるぷるぷる!(砲塔回転!砲弾装填完了!)」

「ぷるぷるぷる!(よし!発射!!!)」


ドォンッ!!!


スライムタンクの砲塔から砲弾が発射され、砲弾が敵ロボットの装甲を貫通する!


「戦闘・・・不能・・・」


ドオオオオオオォォンッ!!!


そして爆発する敵ロボット!


「ぷるぷるぷる!(3号車!敵を撃破!)」

「ぷるぷるぷる!(よし!我々も続け!)」


ドォンッ!!!ドガガガガガッ!!!


更に他のスライムタンクも、次々と敵ロボット達を破壊していく!


「つえーにゃ!スライム部隊!」

「敵の数、どんどん減っていくにゃ!」

「よし・・・いいぞ!」


その戦線の様子を司令室で見守る俺達、その時!


「敵の一部がおかしい動きをしてるにゃ!これは・・・!」


ウナの報告の直後、ティスから通信が入る!


「おとうさん、敵ロボットに飛行タイプが混じってる。空中からこっちの防衛ラインを突破するつもり」

「撃ち落せるか!?」

「任せて。対空砲用意・・・!」

「ぷるぷるぷる!(落ちろカトンボ!)」


ドガガガガガガッ!!!!!


上空を飛んでいく敵部隊の前に対空砲の弾幕が展開された!


ドンッ!


そして被弾したロボット達は火を噴きながら墜落していく!

だが全てのロボットを撃ち落す事は出来ず、何体かのロボットがティス達の上空を通過していった!


「ん、何機か抜けた。ウラム任せた・・・」

「了解しました」


ティスの要請にすぐさま部隊を率いて向かうウラム!

その時、俺はウラムに通信を送る


「ウラム!分かってるとは思うが、お前の部隊は数が少ない!大事に扱えよ!」

「もちろん承知していますよ。という訳で皆さん、怪我のない様にお願いします」

「ぷるぷるぷる!(サーイエッサー!)」


そしてロケットへと向かう飛行ロボット部隊に、ウラムの部隊が襲い掛かる!


「では行きましょう。エンゲージ!」

「ぷるぷるぷる!(サリーフォース!!!)」


ギュオンッ!!!


飛行魔法で空を翔るウラム!

そしてウラムの後に続くのは、小型戦闘機を駆るスライム航空隊だ!

そしてウラムの航空部隊と、敵ロボットとの空中戦が開始される!


「正面敵航空部隊、破壊する」


ドガガガガガッ!!!


スライム戦闘機に対して敵ロボットの腕から銃弾が放たれる!しかし!


「ぷるぷるぷる!(当たるかノロマめ!)」


スライム戦闘機はロールしながらこれを回避する!

すかさずそれを追う敵ロボットだったが、スライム戦闘機はその小回りを活かしたループで一気に敵の視界外へと消える!

そして次の瞬間には、敵ロボットの背後に付いていた!その瞬間!


「ぷるぷるぷる!(プレゼントだ!地獄まで持っていけ!)」


バシュッ!


スライム航空機は、機体下部に搭載されていたミサイルを発射する!


キィィィン・・・!


逃れようとする敵ロボット!だがミサイルは高速で追尾していく!そして!


ドオオオオオォォォンッ!!!


ミサイルの直撃によりロボットは空中でバラバラに吹っ飛んだ!


「ぷるぷるぷる!(敵機撃墜!)」

「了解。残りの敵もさっさと片付けてしまいましょう」


ウラムの合図と同時に、残った敵に襲い掛かるスライム航空部隊!

そして数分後・・・!


ドォォォォォンッ!!!


最後の敵ロボットが空中で爆散した!


「これで最後ですね。では、次へ向かいましょう」


それを確認したウラムの航空部隊は、次の敵へと向かっていく

その時、司令室では・・・


「よし、順調だな。ミケの方はどうだ?」


そう言って、俺はミケに通信を入れる


「は、はい!こちら補給部隊です!弾薬はまだまだ余裕あります!」

「生産の方は?」

「問題ありません。資源の蓄えはまだまだありますにゃ。でも・・・これ全部使っちゃっていいんですか?ソーマさま」

「ああ。取っておいたってメギドが落ちたらそれまでだ。補給ラインも全力で稼動頼む」

「了解しましたソーマさま!」


ミケへの通信を終えた俺は、ニヤリと笑うと言った


「よし!この日の為に用意しておいた弾薬、資源もまだまだ余裕がある!これならいける!」


そして魔王軍とロボット部隊の戦いは、魔王軍優勢のまま続いていくのだった






その後

魔王軍と敵ロボット部隊の戦いは続き、1時間程経った頃


螺旋貫通弾スパイラルブリット!」


ドシュッ!!!ドッゴォオオオオオンッ!!!


ウラムの放った魔法が最後の敵ロボットを撃ち落した!


「やったにゃ!敵全滅にゃ!」

「こっちも何台かやられたけど、スライムだから怪我は無いにゃ!」


終わってみればこちらの圧勝、だが・・・

その報告を聞いていた俺は釈然としない思いを感じていた


(終わり?これで?いくらなんでもあっけなさすぎる・・・。メギドなんて大がかりな物を使ってまで俺達を潰そうとしてきた相手が、たったこれだけの戦力しか用意していなかったなんて・・・)


俺がそう考えていた、その時!


ウーウーウー!!!


再び!司令室に警戒のサイレンが響き渡った!


「レーダーに感!!!敵増援にゃ!」

「やっぱりこれで終わりって訳はないか!敵の数は!?」


俺の言葉に、計器を確認していくウナだったが


「え・・・!?これ・・・何だにゃ・・・!?」


ウナがデータを確認し、困惑の表情を見せる


「敵なんだろ!?数は!?」

「その・・・敵の数は1000!最初と全く同じ数にゃ!」

「なっ!?」


また「1000」だと!?

さっきはこちらの勝利に終わったが、当然無傷ではなかった

また同じ数とは言え、ダメージを負った状態では更に苦戦を強いられるのは間違いない。だが・・・


(敵の合計数は2000って事か?いや・・・まさか・・・!)


その時、俺は背筋に悪寒を感じる


(まさか・・・「次」もあるのか?)


その時、通信越しにウラムが呟いた


「まあ、楽に終わるとは思っていませんでしたが。これは長い一日になりそうですね」


しかし、残り時間は約20時間!

それまでどれだけ敵が来ようと保たせるしかない!


「くっ!全部隊戦闘再開!なんとしても敵を食い止めるんだ!」


そして、魔王城周辺は再び戦場と化したのだった!

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