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魔王軍はお金が無い  作者: 三上 渉
第十一章:魔王と半神アリア
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魔王と暴嵐将軍VS勇者

:魔王と暴嵐将軍VS勇者


城を飛び出してきた俺とウラムが目にしたのは

両断されたギガスと、その側に剣を持って立っているアリア

その姿は彼女が普段使っていた軽装の鎧姿ではなく

頭部以外を全て覆った白い甲冑姿だった


「ギガスが・・・!」


両断されたギガスに思わず駆け寄ろうとする俺を、ウラムが制止する


「落ち着いて下さい。あれはあくまでギガスの端末、ギガス本体がやられたわけではありません。今はそれよりも・・・」


キンッ・・・


アリアの赤く輝く左目がこちらを捉える

その表情は普段の快活なアリアからは全く想像出来ない、全くの無感情だった


「どう見てもマトモな状態じゃないな・・・」

「ええ、ですから距離を。なるべく遠くに離れて下さい」


そう言って、ウラムが戦闘態勢に入る


「やれるのか?」

「とりあえずはなんとか凌いでみせます。ですから、その間に魔王様は・・・」

「状況を打破する方法を考えろ・・・だろ?」

「ええ、お願いします」


ウラムとアリアの戦いとなれば攻撃がぶつかり合う衝撃だけでも危険だ、数十メートル程度の距離では巻き込まれてしまう


「任せたぞ!ウラム!」


そう言って、俺はその場からダッシュで遠くに離れる

そして目の前に立つウラムに対し、アリアも戦闘態勢に入った


「標的確認・・・、殲滅を開始」

「さて、いつぞやの時の様に一撃で倒されるわけには行きませんしね。全力で行きます!」


互いに向かい合った次の瞬間!


ダッ!!!


先に仕掛けたのはアリアだ!

地面を蹴ると一気に間合いを詰め剣を振るう!


「おっと・・・!」


だがウラムはこの一撃を大きく後方に飛びのいて回避すると、両手に魔力を集中させた!そして!


双疾風螺旋ダブルスパイラルウインド!」


ゴオオオオオッ!!!


ウラムが左右の手からそれぞれ竜巻を放つ!

それぞれが岩をもバラバラに砕く威力の風の刃だ!それに対してアリアは・・・!


「GR起動・・・次元切断・・・」


ブンッ!ブンッ!


アリアが二度剣を振るうと、空間その物に亀裂が入る!


ザシュッ!!!


そして!それに巻き込むように竜巻を両断した!


「風を斬るとは・・・非常識この上無いですね!」

「損傷無し・・・攻撃を再開・・・」


そしてまたもや、アリアはウラムに対して距離を詰める!

接近戦を嫌がり距離を離そうとするウラムだったが、アリアの踏み込む速度の方が速い!


ブンッ!!!


そして!間合いに入ったアリアが上段から剣を振り下ろす!


「チッ!」


ガキイィンッ!!!


たまらず、ウラムも魔力で剣を作り出すとこの一撃を受け止める!


「剣戟は私のキャラでは無いのですが・・・!」


キィンッ!ガキィンッ!!!


そして激しく剣を打ち合う両者!

ウラムが剣を使っているのは初めて見たが、かなり高い技量を持っている様だ!

ウラムとアリア、両者の打ち合いは互角・・・いや!

ア「・・・対象の戦闘能力は想定以上」


なんとウラムの方が優勢の様だった!

圧倒的なパワーを誇り、強烈な斬撃を放つアリアだったが

ウラムは次々に放たれるその強烈な斬撃を、ことごとく受け流していく


「まあ慣れていますからね、その剣の技は」


そして!


キイイィィン!


アリアが放った大振りの一撃を捌くウラム、そして決アリアに定的な隙が生まれる!


「・・・!」

「ハアアアアッ!!!」


それを好機と見たウラムは、その隙に渾身の一撃を振るう!だが!


ガキイィン!!!


激しい金属音が鳴り響いたと同時に、ウラムの剣が粉々に打ち砕かれた!

ウラムの剣を砕いたのは、アリアが右手に持っていた聖剣ではない!


「素手で私の剣を・・・!?」


そう!アリアは左手で手刀を放つとウラムの剣を打ち払い!そのまま砕いたのだ!

意表を突かれたウラムが一瞬動きを止めた、その瞬間!


ドグォッ!!!


強烈な一撃!!!

ウラムに突き刺さったのは、アリアの蹴りだった!

アリアが放った右の回し蹴りが、ウラムの胴体にクリーンヒットしたのだ!


ミシッ・・・ベキッ・・・!


「がはっ・・・!!!」


骨が軋み折れる音がする!

そしてその一撃で吹き飛ばされるウラム!


ドシャッ!!!


「くっ・・・」


一撃で数十メートルの距離を吹っ飛ばされると、ウラムは土煙を上げながら地面を転がる!


「追撃・・・」


そして倒れたウラムにトドメを刺すべく、アリアが攻撃を仕掛ける!だが!


ブオンッ!!!


剣が空を斬る音!

アリアの追撃の一撃を、ウラムは空へ逃げて回避していた!


「・・・」


アリアは飛行するウラムを追う事が出来ず、地上から眺めている


「アリアさんは飛行魔法を使えません、空には追ってこれないでしょう。その間に少し休憩させてもらいますよ」


空中に逃れフッと息を吐き出すウラム。だが・・・!


ズキッ!


(ぐっ・・・先程の一撃はかなりのダメージです。どうにか治療したい所ですが)


アリアの攻撃が届かない空中で、回復する隙を伺うウラム


(いや、それよりも。このままのらりくらりとやりすごし、どうにか時間を稼いで・・・)


そうウラムが思考をしていた・・・その瞬間!


ブオンッ!!!


「なっ!!!」


咄嗟に!ウラムは飛来したソレを回避する!

ウラムの側を掠めていった物、それはアリアが手に持っていた聖剣!

なんとアリアは、空中のウラムに対して聖剣を投擲したのだ!


「まさか投擲とは、ヒヤっとしましたよ・・・。ですが、剣を投げ捨ててしまうとは・・・」


その瞬間、俺はウラムに向かって大声で叫ぶ!


「違うウラム!!!後ろだーーー!!!」

「後ろ・・・!?」


ビュンッ!!!


「何ッ!?クッ・・・!!!」


ウラムは背後から飛来したそれをギリギリでかわす!

それは今さっき、アリアが投擲したはずの聖剣だった!


「・・・」


その時!アリアは的を外した聖剣に向かって右手をかざした!


キッ!!!・・・ゴオッ!!!


すると剣は空中で方向転換し、またもやウラムに対して向かっていく!


「遠隔操作・・・!!!」


ヒュンッ!!!ヒュンッ!!!


そして空中を縦横無尽に飛び回る剣がウラムを襲う!


「マズイ・・・!空中に逃げたのが裏目に出ました!」


360度、ありとあらゆる方向から襲いかかる剣!

なんとか直撃を避けてはいるものの、無数の切傷がウラムの体に刻まれていく!

そして今度は!ウラムの直上から剣が飛来してきた!


ガキィンッ!!!


かわし切れないと判断したウラムは、魔力の剣を作り出しアリアの聖剣を受け止める!


「ぐうっ・・・!!!」


ダァンッ!!!


だが、その強烈な一撃を受け止めきれず!ウラムは空中から地面へと叩きつけられた!


「くっ・・・!!!」


なんとか立ち上がろうとするウラム

その時!太陽の光が遮られウラムを黒い影が覆う!


「・・・ッ!!!」


咄嗟にその場から転げて離れるウラム!次の瞬間!


ドグオオオオオッ!!!!!


上空から飛来したアリアが強烈な一撃を地面に打ち付けた!!!

あまりの威力に地面がひび割れ、直撃した箇所にクレーターが出来上がる!


「間一髪・・・でしたね・・・」


その一撃をなんとか回避したウラムは、地面に膝をついたまま呼吸を整える


「キツイとは思っていましたが、これは想像以上です・・・!」


そしてクレーターの中央に立つアリアが、ゆっくりとウラムの方を向く


「敵生体の生存を確認・・・戦闘を再開する・・・」


ダッ!!!


そしてアリアがウラムに斬りかかろうとした!その瞬間!


「氷よ!!!」


アリアに向かって無数の氷の槍が上空から降り注ぐ!


「・・・!」


キィンッ!!!ガキィンッ!!!


アリアはそれを右手の剣で全て打ち払う!だが、さらに!


ドガガガガガガガッ!!!


その隙を狙うようにアリアに銃弾が撃ちこまれる!


「回避・・・!」


しかしアリアはこれをなんなくバックステップでかわし、間合いを離した!

そしてその時・・・


「全く。何を騒がしくしてるのかと思ったら」

「予備の端末へのデータ移行作業完了しました、戦線に復帰します」


背後から聞こえてきた声に振り向くウラム

そこに立っていたのは、魔王軍幹部であるラグナとギガスだった!






ウラムの救援にかけつけたラグナとギガス


「ソーマさま~~~!」

「「「魔王~~~!」」」


そして、少し遅れてミケ達もやってきた


「ソーマさま、一体何が!?」

「分からん!だが危険だからこれ以上近づくな!」


俺の隣までやってきたミケ達を、俺は制止する


「あれはアリアちゃん!?」


ラグナとギガスの攻撃によって一度間合いを離したアリアは、改めて剣を構えなおす

その時、そのアリアに対してラグナが話しかけた


「アルゼアの子孫の・・・えっとアリアちゃんだっけ?」

「・・・」


だが、アリアはラグナの言葉に答える様子は無く無表情のままだ


「何?イメチェンでもしたの?前の方が可愛かったと思うわよ?」


そんなアリアの様子にも関わらず、尚も話しかけるラグナ

その時、アリアが呟いた


「新たな敵性体確認・・・神の敵は全て滅する・・・」

「・・・!?」


その言葉にラグナは眉を吊り上げると、次の瞬間・・・!


「くっ・・・アッハッハ・・・アッハッハッハッハッハッ!!!」


その場で大声で笑い出した!


「ああ~!なるほど!全く、600年経ってもやる事全然変わってないのね!アッハッハッハッハッハッ!!!」

「ラグナ?」


そしてラグナがひとしきり笑い終えた、その直後!!!


ドオンッ!!!!!


ラグナの体から一気に魔力が開放される!!!


「この私に!!!こんな胸糞が悪くなる様な物を「二度も」見せてくれたわね!!!!!」


その時のラグナの顔に浮かんでいたのは、これ以上無い程の怒りだった!!!

そしてラグナが大声で叫ぶ!!!


「居るんでしょう!?羽根付き!!!姿を見せなさい!!!」


ドガガガガガッ!!!


そしてラグナが、周辺の何も無い空間に向かって無差別に攻撃をしかけた!

辺り一帯に無差別に飛んでいく氷の槍!その時!


ガンッ!


ラグナの放った攻撃の一つが何も無い空間に弾かれる!

するとその空間が歪んでいき・・・そして!


「クックッ・・・」


光学迷彩の様な物を使って居たのだろうか、何も無いはずの空間からその男は現れた!


「にゃ!アイツ見た事あるにゃ!」

「GAのトップの・・・誰にゃ!」

「ジョシュア・レドヴァインにゃ・・・けど」


そう。その男は確かにGAのトップであり

先日のレースでガーディアンエンジェルのドライバーを務めていた男だ。だが


「6枚の羽根・・・天使・・・?」


その背には、前は無かった白い6枚の羽根が生えていた

そしてジョシュアの周辺の空間が歪むと、もう一人の天使も姿を現す


「魔王さん・・・」

「フィーリスか・・・」


それは2枚の白い羽根を背に持った天使、フィーリスだった

前に出てきたフィーリスの表情は俯いていて窺えない

その時、姿を現したジョシュアに向かってラグナが言う


「つまり、全部アンタ等の仕業だったってわけね。それで負け続きで追い詰められて、遂に実力行使にでたって所かしら?」

「フン、お前らが予想以上にしぶとかったのは認めてやるよ。だがいい加減目障りなんでな、直接駆除しに来たのさ」

「直接?だったらアンタが戦ったら?女の子を操って戦わせておいて、自分は後ろで高みの見物。そんなの最低も最低、下種のやる事よ?」


互いに挑発を繰り返すラグナとジョシュア


「操る?人聞きの悪い事を言わないでもらおうか。俺はソイツを元の姿に戻してやっただけだ」

「元の姿・・・ね」


そのジョシュアの言葉に眉をひそめるラグナ。そして・・・!


「そう、コレこそがソイツの本当の姿!!!ソイツは天使によって創りだされた存在!半神計画の完成系!」


ジョシュアは大声で叫んだ!


「魔を打ち払う神罰の体現者!「勇者」だ!!!」

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