第001話「現代風のありふれた始まり」
初めまして。
人生初の小説執筆となります。
稚拙な文章、微妙な表現、拙い日本語で読みづらいかもしれませんが、私が思う異世界等が伝われば幸いに思います。
いつも、朝の目覚めというものは突然やってくるものだ。
昨日も一昨日も、寝たと思ったらすぐに目覚めの時間になっている。
それなのに、実際の時間だけは何時間も経っていて、寝ている間に夢をみていた気がしているのだけれど、起きた時に夢の内容は殆ど覚えていなかったりする。
朝は大体、誰かに起こされるのだけれど、起こしてくれるのはお父さん、次にお母さん、そして飼い犬の順番で頻度が高い。
何故だろう?今日は誰かに起こされる前から意識がある。
目も開いているし、僕自身は立っているような感じで周りが見えている。
しかし、実際の体は寝ているであろう事は布団のポカポカが全身を包んでいる感覚からわかる。
夢の中で意識がある感覚、とでも言えばいいだろうか。
僕はこの状態が夢の中だと認識する事にした。
――珍しい、初めての感覚でドキドキする――
しかし、見渡す限りの風景は真っ白で、辛うじて立っている床があることは認識できるものの、壁や天井はなく、果てしなく広い空間なのだろうと思う。
「おはよう、水上 優貴君。あぁ、まだ夢の中ですし、目覚める前ならこんにちはでも良かったですかね?」
突然後ろから声を掛けられた。
ビクリと肩を震わせてドキドキする胸を押さえつけながら振り返ると、うーん?オジサンかな?30歳位で、お父さんよりは若い感じの男の人が立っている。
「びっ、おっ、あっ、コ、コンチワ……」
――ヤバい。急に後ろから声を掛けられたものだからビビッてドモってしまった――
しかも知らない大人の人だし、怖い人だったらどうしよう。
自分はまだ10歳だし走るのは苦手じゃないけれど、大人の男の人に追いかけられたら逃げ切れる自信はない。
あれ?でも夢の中だよね?オジサンもまだ夢の中って言ってたよね?
僕は意を決して質問してみる事にした。
「あのさ。オジサン誰?」
「私の名前は王慧と申します。ここは君の夢の中で間違いありません。それと、私は君を追いかけたり、怖い事をしに来た訳ではないですよ。まぁでも、出来れば呼ぶときはオジサンじゃなくオニーサンにしてほしいですね……ハハハ」
オジサン訂正オニーサンの王慧さんが言うには、彼は僕らの思うところの神様らしい。何でも創造神だそうだ。
でも、普通の人にしか見えないし、創造神って何を創造しているんだろうか?
どうせ僕の夢の中だし、聞けるだけ聞いてみよう。
「オジ……ニーサン?」
「……オジサンとオニーサンが混ざると酷くなりそうだから名前で、王慧と呼んでください」
じゃあ取り合えず王慧さんと呼ぼう。
「分かった。僕の事も優貴でいいよ」
「では優貴君と呼びますね。所で、私に何か聞きたい事はありますか?」
ちょっと困った顔をしているように見える王慧さんだが、長身・痩躯・彫の深めな外国人ハーフのような顔にツンと短い黒髪、そして黒目だ。
服装はテラテラした銀の生地に太めの黒のストライプが入ったシングルボタン、センターベントのスーツを着ている。
スーツの中は無地の黒いワイシャツに、同じく無地の赤いネクタイ、胸ポケットからはネクタイと同じ色のハンカチかな?が飛び出ていた。
靴はこげ茶の革靴で、紐が無くベルトが付いていて、つま先が長くとがったカッコいいやつ。
実は、スーツの知識は随分前にお父さんが教えてくれたので、ダブルやシングル、ベントの種類なんかは覚えてる。
王慧さんの恰好が一般的企業のドレスコード的に良いのかわからないけれど、普通の会社員なら水揚げされたカツオの腹部のような柄のスーツに黒いワイシャツ、赤一色のネクタイなんかはアウトなんじゃないかな?
まぁちょっとズレてるが頑張ってビシッとキメて来たようには見える。
よし、まずは気を取り直して質問だ。
「そのカツオみたいなスーツは何処へ行くための服なの?」
「え?え?あ…カツオ?…ソコですか……」
王慧さんが一瞬キョドった。
王慧さんのスーツは自分が着てみたいスーツです。




