第2話 ~蜘蛛の糸~
この作品からは未発表です。
プロローグ、第1話については活動報告「あいさつとお詫び」をよくお読みください。
深雪の家は、私の家とは比べものにならないほど綺麗なところだった。外観は外国風で、クリーム色の壁を明るい緑の葉をつけた蔓が覆っている。だが、それも庭の雑草がうっかり伸びてしまって絡みついたような薄汚い印象を受けることはなく、庭いじりには興味のない私にもよく手入れされていることが分かる。小さいながらも物語の中ならお姫様が住んでいそうなところだ。
「き、れい……」
私が思わずつぶやくと、左手をくぃ、と引かれる。
「そろそろ、中に入ろう?」
そこでようやく、私が口をあけてほけーっと見惚れていたことに気がつく。
「あ、う、うん……」
名残惜しさを振り払い、私は渋々深雪に続いて家に上がらせてもらうことにした。
こげ茶色の重い扉が、ぎぃ、と微かに軋みながら開く。するとそこには、
「お帰りなさいませ」
「ようこそ」
2人のメイドが立っていた。
「え?」
私はメイドに返事をすることも忘れて、ぽかんと口をあける。
「あ、の……、深雪ちゃん?」
恐る恐る声をかけると、うん? とのんきな返事が返ってくる。
「もしかしなくても、深雪ちゃん家、お金持ち? 深雪ちゃん、お嬢様?」
小声でたずねる。しかし、質問に答えたのは一人目の三つ編みメイドだった。どうやら小声で喋った意味は無かったようだ。
「お嬢様は、お身体があまり丈夫でないので…」
鈴木が説明するのを、深雪が目を伏せながら横で聞いている。どうやらあまり人には知られたくないらしい。
「大丈夫、大したことじゃないの」
わざと明るく振舞っているのは私から見てもバレバレだった。思い出してみると、確かに深雪が教室の隅で咳き込んでいるのは珍しくなかった。自由時間にあまり見掛けなかったのも、体調不良のためだったのかもしれない。しかし私も深雪の気持ちが全く分からないほどバカではない。私は深雪に大丈夫なの?と尋ねるのをやめ、話をそらすことにした。
「ところで深雪、話って?」
深雪にもそれは伝わったのか、
「うん、お父さんを呼んでくる」
即答し、家の奥へとパタパタ走っていった。
鈴木と呼ばれた三つ編みメイドと佐藤と名乗るボブカットメイドの2人と会話すること数十秒。深雪が戻って来た。
「ついてきて」
と、今度は私の手を引いて家の奥へと進んでいく。
たどり着いたのは、一番奥の部屋だった。「お父さん、入るよ」
深雪がコンコンと扉をノックしながら確認をとる。厳格な父親なのだろうか。不安になるが、それを表に出さないよう気をつけながら「和葉です」
と名乗る。
どうぞ、と声がし、深雪が扉をあける。中を覗くと、そこには見渡す限りの本、本、本。
「わあ……」
またしても感動に声を漏らしてしまう。
「ようこそ、私の書斎へ。深雪の友達の、和葉ちゃんだね?」
急に声が聞こえ、ぎくりとする。目を凝らすと、奥に人がいるようだ。深雪に続いて奥に入ると、そこはもう本の国。ならば正面に座っている男性がこの国の主か。決して老けてはいないが、地下に住んでいる老賢者のような雰囲気がある。
「よくぞ来てくれた。楽しみに待っていたのだぞ。何しろ深雪が家に友達を呼んだのは初めてだからな。深雪はけして人づきあいが苦手なわけではないのだが、体のことを気にしてい……」
コホン、と深雪が咳払いをしたのは、例の体質か本題の催促か。たぶん後者なのだろうが、父親が話をやめたのはそれに気づいているからなのかそうでないのかは分からない。
「そうだ、君が魔法使いになるための協力だったな。私は魔法使いだ。それで深雪は力になれるかもと言ったのだろうが……」
そこでちらりと深雪に視線を移し、
「私では力になれない」
1言で結論を述べた。
「「え……」」
私と深雪の声が重なる。きっと表情も同じだ。
「……どうしてですか?」
私は聞いてみる。結論が変わらないとわかってはいるが、それでも知りたいと思った。
「……魔法使いには自分の力でなるべし、と父に何度も言われたからだ」
「そんな…」
深雪が座り込む。私はなんとか踏ん張るが、力を緩めたら今すぐにでも崩れ落ちてしまいそうだ。永遠の闇に突き落とされたような、底なしの絶望感。
しかし、神はまだ私を見捨ててはいなかった。
「だが」
「✕✕✕✕✕」
それは、私に垂れてきた1本の蜘蛛の糸。
危険でお世辞にも確実とは言い難いが、しかし今ほかにいい案はない。
それは、私が確実に魔法使いになるための試練だった。
うんうん、これを起承転結の起、と言うんだ。
と一人自己満足に浸るアホ作者。
まあいいです。
感想、アドバイスお願いします。
ところで起承転結って何だ?
てことで、起承転結について調べてみる。
起承転結についての研究
6年3組星空夜空(名字適当)
・研究のきっかけ:起承転結って書いたはいいけど、あんまりわかってないな。
・研究の目的:起承転結についての研究を通して、物語の構成を理解し
難しい言葉や熟語、ことわざなどに親しみを持つ(でっち上げ)
・研究方法:インターネット、本
・研究結果:長くなりそうなので次話に持ち越し。
てことで次話もちゃんと確認しなさい。これは命令である。