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ビーステットハンティング2

3人でわちゃわちゃとゲームをしてる回です

 ゲームの中に映るのはどこかの半壊した村だった。 どうやら真面目はここからのスタートらしい。


「どう? みんな近いところにいる?」

「私は多分遠いかな。」

「俺が一番近そうだ。 印をモンスターに付けておくから後で合流してくれ。」

「「了解。」」


 真面目達は移動をして、隆起のいるエリアと合流する。 そこには首の長いキリンのようなモンスターと隆起が戦っていた。


「真面目! こいつの動きを止めてくれるか?」

「了解!」


 そう言って真面目はカチカチとスティックとボタンを巧みに組み合わせて、モンスターの足元と首を狙っていく。


「あたいも援護するよ!」


 今度は得流が動きながらブーメランを投げていく。 足元を集中的に狙っているため、モンスターはどんどんとバランスが崩れていく。 そして立てなくなる程にダメージを与えたところで


「よっこいしょー!」


 隆起の大振りな剣がモンスターを直撃する。 とはいえこれだけでモンスターは倒れずに、何度か同じようなことを繰り返す内に、クエストクリアの文字が画面に現れた。


「よしよし。 こいつで5分針か。 トラップ無しでここまで出来るなら十分だな。」

「そうだね。 攻撃できる人がもう一人いるからかなり楽だよね。」

「いいじゃん! もっと強いの行こうよ! あ、リザルト画面。」


 そうして報酬画面を終えて、また集会所に戻ってくる。


「次は何で行くよ?」

「近野さん、なにか足りない素材とかある?」

「えー? あたいも久しぶりに起動したから、それ以上の事考えてないよ。 うーん・・・じゃあ同時狩猟とかしてみる?」

「同時狩猟か・・・確かにあんまりやったことないよな。」

「そもそも武器が武器だし、2人だと限界があるからね。」


 3人の同意のもと、そのゲームの中ではまだ比較的強くない部類に入るモンスター2体の同時狩猟のクエストを選んでいくことにした。


「支給品はどうする?」

「とりあえず一個ずつ取って、一回倒れたらそいつが支給品を取るって感じでいいんじゃない?」

「そんなに難しいやつじゃないと思うんだけどなぁ。」


 場所はコロシアムのような場所なので移動のハンデがない代わりに2体は既に入っていて、常に同時に見られている状態での戦いとなる。 一筋縄では到底クリアの難しいクエストだ。


「僕が1体を足留めできるようにしておくから、2人は総攻撃で倒しておいてくれない?」

「それはいいけどよぉ。 大丈夫なのか?」

「このために僕は装備を変えてきたんだよ。 任せておいてよ。」


 そう言いながらコロシアムエリアに行く真面目。 その後を追うように2人も入る。


 今回の狩猟対象は白と黒の羊型の獣。 一見強そうには見えないかもしれないが、それぞれの色で状態異常の攻撃を行ってくる。 油断をしているとあっという間にお陀仏になってしまう程だ。


「片方は任せとけって言ったけどよぉ・・・」


 ゲーム画面内の真面目のキャラが黒い羊に対してあれやこれやと攻撃を仕掛けている。 しかし真面目の持っている武器は鞭。 比較的ゲームに慣れてきたプレイヤーでさえあまり手を出さないと言われている程扱いが難しい武器である。


「あれ? 前に一緒にやってたんじゃないの?」

「やってはいたけどよぉ・・・同時狩猟なんてほとんどやらなかったし、第一真面目はサポート武器みたいなもんだから、1人で突っ走るのも心配なんだよな。」

「ふーん。 ならこいつをさっさと倒して、一ノ瀬のところに向かおうよ。」

「そうだな。 それが一番だよな。」


 そうして隆起と得流は一刻も早く真面目と一緒になるために、それぞれの武器の強みを活かした戦術で、5分程で白の羊を倒すことに成功した。


「よっしゃ終わった! 真面目! そっちは大丈夫か?」


 そう言いながら真面目の方へと向かうと、真面目も黒い羊もかなり接戦の戦いをしていた。


「あ、そっち終わった? ならこの羊もついでに倒しちゃおうよ。」

「お、おう・・・」

「なんか余裕そうじゃない?」

「そうでもないから。 早く加勢してよ。」


 真面目の言葉に隆起も得流も流されながらすぐに戦闘にかかり、そして更に5

 分程で黒い羊も倒して、クエストクリアになった。


「ふぅ。 お疲れ様。」

「真面目、お前どうやったんだ? 何回か毒食らってたのは見えてたけどよ。 お前一人でこいつとやりあえる程の実力だったなんてな。」

「あぁ、それは違うよ。 集会所に戻ったら、僕の今の装備を見てみれば分かるよ。」


 そうして報酬画面へと切り替わり、集会所に戻ってきたところで、隆起は真面目の武装欄を確認する。


「あれ? この武器って・・・」

「気が付いた? 僕は「麻痺」状態になる鞭を持っていたのさ。」

「なるほどな。 しかも装備スキルが「状態異常強化」と「トラッパー」だから、相手を妨害しながら戦ってた訳か。」

「そう言うこと。 これから今後は同時狩猟でも怖くはないよ。」


 そう言いながら自慢する真面目の耳に、とんでもない情報が入ってくる。


「あ、次回作でそのスキル性能下がるらしいよ。」

「え!?」

「ほら、ここに書いてある。」


 得流が見せたのは「ビーステットハンティング」を出している会社のホームページで、そこに事実が書かれていた。


「ええ・・・なんで・・・いや、確かにモンスターと武器によってはハメが出来るかもしれないけど・・・」

「あ、多分それじゃね? 仲間同士でそれが出来たから武器によってはかなりヤバかったんだろ。」


 項垂れる真面目を隆起は宥めている。 これから起こることに絶望をしている友人は流石に放っておけなかったようだ。


「まあそう言う時もあるって。 アイス取りに行こうよ一ノ瀬。 気分転換にさ。」

「・・・取りに行く。」


 落胆している真面目に得流が声をかけてあげた。 そして何だかんだで時間を過ごして、気が付けばかなりの時間を費やしていた。


「うおっと、いつの間にかこんな時間か。 そろそろ出ようぜ。」

「そうだね。 そろそろ出ようか。」


 そうして3人はまんが喫茶を出ることにした。


「それじゃあ、またの機会にやろうぜ。」

「うん! 今日は楽しかったよ! またね!」

「またね、近野さん。」


 そして3人はそれぞれ分かれて、真面目も家に着いた。 流石に本当に疲れてしまい、真面目はそのままの格好で寝てしまったのだった。


「・・・ぁ?」


 目が覚めるとベッドに突っ伏して寝ていたことに気が付いて、時間を確認すると午後3時。 隆起達と分かれてから昼を抜いて3時間ほど寝ていたことになる。 よっぽどの疲労だったのだろう。


「今日は早めに寝ようかな・・・」


 それだけ疲労が蓄積されているのならば、明日が学校なだけに余計に疲れを出すわけにはいかないだろう。


 そのあと真面目は一度シャワーを浴びてから、リビングで夕飯までテレビを見て、壱与が帰ってきた頃合いで夕飯を食べて、課題を確認してから明日の授業の内容を確認した上で、ベッドに横たわって眠ることにした。


「・・・まだあと一週間ゴールデンウィークはあるんだよなぁ・・・」


 そんなことを言いながら力を抜いていく真面目だった。

気が付いていますか? これ、まだ5月の話なんですよ?

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