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この苦痛は

今回の内容は結構ギリギリを攻めているかもしれません。


気分が悪くなったら今すぐにブラウザバックすることをお勧めします。

 部屋でいつの間にか寝てしまっていたのだろう。 ベッドに寄りかかるように真面目は身を任せていたようだ。


「・・・頭痛い・・・」


 起きてすぐにそんな感想が出てくる真面目。 家に戻ってきた辺りからずっとそうだ。 何故か身体も重い。 


 時間はどのくらいだろうと携帯を見る。 確認したら午後6時、帰ってきてから大体2時間近くは寝ていることになる。 夕飯は出来ているだろうからとりあえず降りてごはんを食べようと思った。


 リビングに入ると既に夕飯の準備がされていて、進も帰って来ていたので、後は真面目が座るだけだ。


「ごめん。 すぐに座るよ。」

「・・・真面目、大丈夫?」

「・・・食欲はあんまりない。 というか色々と身体がダルいんだけど。」

「無理そうなら残してもいいんだぞ。」

「いや流石に全部食べるよ。 なんとかして。」


 そして食欲が無いながらも夕飯を食べ終えた真面目はすぐに部屋に戻ろうとした。 しかし壱与がそれを止めるように声をかけた。


「待ちなさい真面目。」

「なに母さん。 気分があんまり良くないから寝てたいんだけど。」

「まあ聞きなさい。 どう気分が悪いかとりあえず言ってみなさい?」

「んー・・・なんか急に眠く感じたり・・・身体はダルいし・・・」

「・・・そう。」

「? まあ明日も休みだから寝たら治るんじゃない? お休み。」

「真面目。 何かあったらすぐに言いなさい。」


 心配しすぎではと真面目は思ったが、確かに今までに感じたことの無い気分の悪さがあるので、ただの風邪じゃないのかもしれないと思いながら部屋に戻った。


「・・・うぅ・・・なんか・・・お腹が痛い・・・変なものを食べた訳じゃないのに・・・」


 真面目がベッドに横になった瞬間に、今度はお腹が痛くなってくるようになった。 本当に風邪じゃないのだろうかと思い始めた。


「・・・ちゃんと寝れるかな。 これ。」


 先程寝てしまったこともあって、正直不安になり始める真面目。 しかし眠気が収まりを聞かない。 それどころかお腹も痛くなってくる始末。 なにか悪い病気にでもなったのかと考え始めるようになった。


「やっぱり母さんに相談するべきかな・・・?」


 あれだけ突っぱねておいて「助けてください」とも言いにくい。 そんなことを考えていると、不意にお腹の調子が更におかしくなる。


「トイレに行こう・・・」


 ベッドから起き上がるのが厳しいと思いながらも、少しでも楽になるならとダルいのといつも以上に痛い身体を起こしてなんとかトイレまで歩いていく。 勿論階段もあるため完全に痛いままではあるが、四の五のを言ってられないのかもしれない。


 トイレの前についてノックをしてから、誰も入っていないことを確認して、ズボンと下着を降ろして便座に座る。


「はぁ・・・」


 この数週間で女性の身体には慣れてきた筈だったのだが、まだ不備があるらしいと真面目は思った。 なにかの副作用かとも思いつつ、出せるものは出しておこうと考えていた。


「なんだろう・・・急に来たんだよねぇ? 昼までは特に気にしてなかったんだけどなぁ?」


 独り言のように喋りながら考えていると、真面目は腹部に違和感があった。 女子の身体については大体把握していたつもりだし、保健体育だって予習としてちゃんと教科書を見ていた。 だがそれでも分からなかったし、その違和感がなんなのかを確認したくて自分の真下を見る。


「うん・・・? ・・・え? ・・・・・・え?」


 真面目は自分の見たものを受け入れられずにいた。 そこには見慣れた色ではなく、ましてや水分の取りすぎによる色でもなく、赤黒いものであった。


「・・・あ・・・あ? ・・・あぁ・・・」


 そして再度確認をして、それが自分が出したものだと分かった真面目が取った行動は


「あああああああああああああああああああああああああ!!!!!?????」


 発狂だった。 そしてその声を聞いて壱与が扉を叩く。


「どうしたの真面目!? なにがあったの!?」


 壱与達が寝るにはまだ早かったからか、すぐに声をかけることが出来たのだ。 そんな真面目が想像以上に青ざめた顔をした状態でトイレから現れる。 しかも驚きすぎて前のめりに倒れていた。 更にはあまりの驚きでズボンと下着は降ろしたままになっていた。


「か、母さん・・・ 血が・・・血が・・・!」


 あまりに衝撃的な出来事だったのを想像させる真面目の喋りであったが、壱与は至極冷静だった。


「・・・やっぱりね。 なんとなくそんな気がしてたわ。」

「母さん。 原因が分かるの?」


 自分の息子の普段見せない弱い部分を見せていることに哀愁を漂わせつつも、今はパニックになっているだけだろうと考えながら説明をするために真面目をリビングに移動させようとした。


「そうね。 でもまずはズボンを穿いてからにしましょうか。」


 そう言われて真面目は、羞恥心が芽生えたのでとりあえずは下腹部を拭いてから、下着とズボンを穿いたのだった。


「これでも飲みなさい。 落ち着くわ。」


 そう言って差し出されたのはココア。 それを飲んで真面目はホッと一息をついた。 とりあえず近所迷惑にはなっていないようなのでそこも真面目が安心できた要因だろう。


「端的に話せば今真面目が苦痛を感じているのは所謂「女の子の日」と呼ばれるものよ。」


 その説明に少しだけ納得が生じた真面目であったが、まさかここまでのものとは思っても見なかったようだ。


「まだ酷いや・・・」

「まずは暖かくして寝なさい。 冷えるのが一番駄目だからね。 それと後で湯タンポを作ってあげるわ。」

「あ、そうだ。」


 そう言って真面目はまだふらつく身体で無理矢理部屋に行き、しばらくした後に持ってきた物を壱与に見せる。


「これ、前に浅倉さんが「必要になるから」って言って一緒に買ったものなんだけど。」

「あら、ナプキンに鎮痛剤まで・・・随分至れり尽くせりな事をしてくれたのね。」

「これから訪れる避けられない事ってこういうことを言ってたんだ。」

「元々女の子だったからね。 痛みは分かるんでしょ。」


 そんな風に岬の行為に感謝しながら、鎮痛剤を飲むことにした。 そしてナプキンの入った箱を開けて、中身を確認する。


「それでこれってどうするの? 直接貼るの?」

「そんなことをしなくても下着の内側に入れるだけでいいのよ。 ほら、すぐに脱ぎなさい。」

「・・・やり方知らないから仕方ないか。」


 そう言って真面目はズボンと下着を降ろす。 そしてその中にナプキンを入れて、また穿き直す。 その穿き心地に違和感を感じる真面目であった。


「なんか痛いんだけど・・・」

「我慢なさい。 それで楽になるんだから。」


 ため息をつきながらもこれが普通ならば仕方ないと割り切った。


「明日は出ないようにしなさいな。 学校には行けるようになるまでには痛みは引いていると思うから。」

「そんなに酷くなることあるの?」

「人によるわね。 湯タンポも用意したから、お腹に置いて寝なさいな。」

「うん・・・」


 そう言って真面目は部屋に戻り、なにも考えずに眠ることにした。 そしてゆっくりと夢の中に落ちていった。


 そして翌日は壱与の言う通りなにもしないようにただゆったりと過ごしていた。


 その日の夕飯は何故か赤飯が出されていたことに真面目は疑問に思った。 というよりも何かにつけて赤飯が出ることに首を傾げるのだった。


「この赤飯って祝い事に食べるんじゃないの?」

「一応恥ずかしく感じないようにっていう風習みたいなものらしいけど、逆に恥ずかしくなりそうなものよね。」

「今も昔も謎の風習には苦しまれてきた気がするね。」


 そう言いながら赤飯を食べる一ノ瀬一家。 そして明日は普通に登校できることを願って真面目はその日も眠りについたのだった。

今回この回を書いたのは個人的なエゴも含めていますが、TS物の話でなかなか話として組み込まれていないような気がしたので、外すべき話題ではないと思い、執筆しました。

ここまで具体的なのは今回だけです。 次は書くことはないでしょう。 おそらく。

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