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ビーハンの実力

 真面目はその人物に自分の事を知られていることを驚いた。 なによりもゲーム内で本名を使っているわけでも無いのに、だ。


 そして更に驚きなのは、目の前の人物は外装は男ではあるが()()()()()()と言うところだ。 隆起ならばある程度は分かるのだが、それでもスキンが変わったりしていると分からないはずなのだ。 それが一発で、しかも本名を名指しで当てられたとなれば、その人物に疑問を抱いてしまう。


【あぁ、いきなり本名を聞いて悪かったね。 ボクだよ。 鎧塚 刃真里。 君のクラスメイトの。】


 そうチャットが流れた後にプロフィールカードを渡される。 PNには「ロマリー」と書かれていた。


【え? 鎧塚さん? ビーハンやってたの?】


 突然のクラスメイトの遭遇に驚く真面目。 特にそんな様子を見せていなかっただけに、尚更驚いてしまう。


【流石にチャットでも驚いているのは伝わってくるよ。 とはいってもボクは今作が初めてなんだけどね。】

【いやいやいや。 だったら尚更なんで僕だって分かったのさ? 本名は使ってないし、プレイヤーネームは教えてないし一言も言ってないよ?】

【ボクも創造力は豊かな方だからね。 少しだけ考えて見たら、本当に当たってたって話だよ。 それに「セノー」ってそれなりに普通に使われてるネームっぽいから、間違いだったら悪いじゃん?】


 そう。 このビーステットハンティングにおいて、今回真面目は女性っぽい名前で参加している。 見た目が女性なのに名前が男では、違和感を感じるからだ。


 そして真面目が考えて付けた名前が「セノー」。


「一ノ瀬」を逆にして、「瀬」を片仮名に、「一」を伸ばし棒にしたことでそれっぽい名前になったのだ。 だが共に狩りをしたことのある隆起ならともかく始めて間もない刃真里によもや見つかるとは思っていなかったのは事実であり、隆起ですら分かるかいまいちだったのだからどうするか悩んでいる。


【まあ悩むことでもないかもなぁ。 ここにいるのだってやるためなんだから。】

【何の話だい?】

【ええっと、ここではPNで呼ばせて貰うけどロマリーさんはやりたいクエストはあるのかな?】

【そうだなぁ。 なにぶんこういったゲームは初めてだから、なにから始めていいやら分からないんだよね。】

【村のクエストは終わらせた?】

【ある程度はね。 装備も揃えたし。】


 そう言われてロマリーはその場を回る。 どうやら装備はある程度は整えているようで、今ロマリーが装備しているのは村クエストの中でも上位の部類のモンスターの装備を付けていた。


【へぇベルタイガーは倒したんだね。 首のベルが良く鳴るから中型ビーステットと蜂合わせるんだよね。 面倒な相手だったんじゃない?】

【それでもやっぱり装備を整えたかったからね。 お掛けで少しだけやりやすかったよ。】


 装備が整えば狩りをしやすいのは確かだろう。 だがその装備を整えるのはかなりの根気が必要だったろう。


【それならあれでも行ってみる?】


 そう言ってプレイヤーとして近付いたのは、先程自分が気になっていた調理場のクエストである。


【2人で行けるかな?】

【問題ないよ。 あれはまだ下側のクエストだからね。 それに最初は村と同じ採取クエストからだし。】


 そう言いながら真面目はすぐにクエストを受けに行った。


 そして依頼場所へとやってきて、真面目はロマリーの装備を見てみる。


【あ、武器はボウガンなんだ。 しかも重たい方の。】

【そうだね。 軽い方でも良かったんだけど、なんだかしっくり来たのはこっちだったなぁ。】


 ロマリーが背負っているボウガンは重たい装飾をしている。 ビーハンにおいて遠距離武器と言うのは人を選ぶのだが、身体にあった人間なら苦でもなくなるだろう。


【本当の実力は次のクエストで、かな。】


 まずは足並みを揃えるため、そして食事のステータスを上げられるようにするためにクエストに挑んだため、まだ実力は分かっていないものの、真面目の中では、初心者の中でもかなりスタイルは上げていると思っている。 村のクエストとはいえ防具を揃えるために、ベルタイガーと戦っていたとなれば、根気もそうだが、ボウガンという武器での狩猟は得意なのだろう。


 そうして最初のクエストを終えて戻ってくると、コメントが書かれていて、料理がグレードアップしていた。 とはいえこれくらいは序の口。 次は少しだけ強いビーステットとの戦いになる。


【うーん、2人でも行けそうだけど、管理的にはちょっと厳しいかもなぁ。 複数人を回復させるアイテムはまだ温存しておきたいし。】

【それなら止めておく?】

【いやぁ・・・】


 そう真面目が決めあぐねていると、現実の方で携帯が鳴る。 時刻はお昼前。 隆起からの連絡だった。


『真面目、昼からビーハン合流しねぇか? そろそろ集会場だろ?』


 隆起の提案が渡りに船となり、今後の方針が決まった。


【ロマリー。 一度お昼にしてからもう一度ここで合流しよう。 僕の狩猟仲間と一緒に行こう。】

【分かった。 それじゃあまた後でね。 セノー】


 そうしてゲームから離れると丁度お腹も鳴ったので、なにか適当にお昼を食べようとリビングに降りに行った。


 お昼を終えてビーハンに戻ってくると、早速村の一角の農場で収集用アイテムを確保していく。 最初は素材が取りにくいので、こういった場所で補うのが、ビーハンのやり方なのだ。


 そして集会場に戻ると、流石にまだ誰も来ていないようで、待ちぼうけをすることに。


【お待たせ、遅れちゃったかな?】

【ううん。 まだ誰も来てないから問題ないよ。】


 ロマリーが先に来たので少し会話をしていると、隆起から連絡がある。


『所でお前、今回は名前変えたのか?』

「あ、そう言えばPN教えてなかった。 鎧塚さんが見つけるの早すぎたから。 ええっと『今回はセノーで通してるからよろしく。』っと」


 そうして再び待っていると


【よう、見つけたぜ。】


 チャットされた方を向くと、頭に角を生やした重装甲の「ダンソウ」と書かれたプレイヤーと、スポーティーなオレンジの髪型で帽子のような兜を被った「L」の女性プレイヤーが来ていた。


【あれ、近野さんも来たんだ。】

【イエーイ】

【こいつから誘われたんだよ。 所でそっちは誰だ?】

【僕のクラスメイトの人。 明日あれだったら紹介するよ。 それよりも料理クエスト行かない? 次がサンドポーパルだからさ。】

【いいねぇ。 この人数なら楽勝だろ。 新しい武器もお披露目したいしな。】


 早速と言わんばかりにクエストを受注して、4人で難なくクリアして戻ってくる。


【お前のクラスメイトってやつ、かなりあのボウガン使い慣れてるな。 上位プレイヤーとは渡り合えないだろうが、あれだけ使えれば大したもんだろ。】

【まだ始めたばかりなんだってさ。 でも一人増えるだけでも狩猟は楽だよね。】

【だな。 このまま下側の料理クエスト終わらせようぜ。】


 隆起から見ても刃真里のビギナーとしての力は目を見張るものがあるらしい。 そしてその日のうちに料理クエストを全て終わらせて、真面目達は解散。 そのタイミングで両親が共に帰ってきて、夕食を済ませて明日の準備をしてから、再びビーハンに入る。 流石にこの時間はやっていなかったので、下側から上側に行くためのクエストを攻略して、そのまま眠りについた。


 明日改めて登録をするために。

【】←チャット

『』←MILE

「」喋りセリフ


因みに隆起の「ダンソウ」という名前は

「断層」←こっちから来ています


「男装」こっちじゃないですよw

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