私とガリガリ君
「最悪だ。」
思わず声に出てしまった。また、仕事でミスをした。
東京に出てきて3年目。
「学生気分が抜けた人から活躍できるよ。」
と内定式で言われてから、気を引き締めてはいるつもりだ。でも、こうも立て続けに失敗が続くと嫌になる。
「いらっしゃいませー」
「袋はご入用ですか?」
「ありがとうございましたー」
無心で立ち寄ったコンビニで、アイスを買う。私は、感情のバランスをアイスでとっている。
いいことがあった日は、ハーゲンダッツ。
運試しをしたい日は、ピノ。
ストレスや、嫌なことがあった日は、ガリガリ君をほうばる。頭がキーンとして、治療中の虫歯がキーンと痛むけど、これは自分への罰だ。そして痛みは、じきに引く。
心の痛みは引きずりやすいけれど、こうやってアイスからの罰に集中することで、気がついたらなくなってるんだってことを思い出させてくれる。
そして、今日も、ガリガリ君を食べた。