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異世界ベーコン  作者: もょもと
8/22

とある酒場での出来事①

「チヨ、あそこのテーブルに料理運んでー」


「はいよー」


テーブルを拭いていたチヨが料理を運び始める。


ここは居酒屋ガロン、小さな酒場だ。


そしてチヨに指示を出したのは私、エレンだ。


ここには私含めて5人の従業員がいる。


チヨと私とアスカは料理運びやテーブル拭き等の接客を主にしている。


残り2人、アヤセとミアは厨房に入り料理を作っていた。


普段はのんびりと仕事が出来るほどに、人が来ないのだが。


今日は遠出していた冒険者達が、一斉に店に雪崩れ込んできていた。


「おい、酒持ってこい!」「飯はまだか!」「酒のおかわりお願いねー」


そこかしこで怒号が飛んでいる、はっきり言って忙しい。


「アヤセ、あそこのテーブル料理が来てないって怒ってるわ。早めにお願い」


「わ、分かった」


確かあそこのテーブルは、ベーコンを主とした炒め物だったはず。


そう考え終わると、アヤセは調理を開始した。


しかし調理の終盤、アヤセはおかしなものを見ていた。


「炒めたベーコンの一枚に何か付いている・・・何だろ?」


まるでモヤシの様な細く白い物がベーコンに付いていたのだ。


本来なら疑問に思い、それを捨てるのが当たり前なのだが・・・。


しかし、今回に限りアヤセはそれをそのまま盛りつけたのだ。


何故ならアヤセは


「アヤセ、そういえば今日眼鏡してないよね?」


「うん、昨日転んで眼鏡割っちゃった」


ミアが心配そうに聞いてくる。そう、アヤセは目があまり良くなかったのだ。


それに炒めていた物も悪かった、炒めていた物の中にはモヤシも含まれており。


調理中にベーコンにくっ付いた位の認識しか無かったのだ。


「エレン、出来た。持っていって」


「了解、行ってくるわ」


そう言い終ると、エレンは料理を運び始めていた。


エレンはアヤセやミアが作る料理を信じており、皿の中身を一切確認してはいなかった。


「お客様、お待たせしました。ベーコン炒めになります」


「おぉー良いねぇ!ついでに酒のおかわりくれ!」


かしこまりました、そう告げると店員は下がっていった。

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