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状況を確認しよう。
まず最初に、ここは人の暮らす村や街では無い。
そして次に、赤子かと思っていたが走れている時点でそれは無い。
まぁ異世界の赤ちゃんが特別なのかも知れないが・・・そこは置いておく。
つまり、走れる年齢である事と肉体的に考えると7~8歳前後なのかも知れない。
肉体的って何かって?そりゃ食べるなら柔らかい肉が良いだろうよ、成人よりもな。
考えながらフラフラと奥に進んでいると、怪しい光を見つけた。
とても小さい光だ、そう感じたと同時に悪寒も感じた。
この感覚は体験したことがある、具体的にはさっきだが・・・。
暗がりから光がこちらに近づいてくる。
その全身を確認した瞬間に、私は逃げる様に走り出した。
そう、あれは犬だ。しかもお腹を空かせている野良犬だろう。
犬は嫌いじゃない、問題は大きさだ。私よりも数倍大きい犬だった。
そりゃ獲物にしか見えんわな、涎だらだらでこっち目掛けて走ってくるもんな。