【漫才】コンビ愛?
司会者:《続いて登場するのは、今注目のこの二人! リズムよく交わされる言葉のラッシュを見逃すな!》
ボケ・ツッコミ:「『ハイッドウモー』」
パチパチパチパチ
ツッコミ:「はいっ、それではね、僕らを知らない方も多いと思うんでね、まずは挨拶からしていきましょか」
ツッコミ:「それでは僕からね、ゔぅんっ、些細なボケも逃さない、地獄の耳を持つ男、閻魔とーーー」
ボケ『となりに"いたい"やつがおる、純朴です』
ツッコミ:「おい、誰が"痛い"やつやねん」
ボケ:?
ツッコミ:「なーにをキョトンとしとんねん! お前が俺をディスったんやろがい」
ボケ:『いや、お前をそんな風に言うわけないやん』
キリッ
ツッコミ:「おぅふ、そないな真剣な顔で言われてもやな、俺を"痛い"やつやて言うたやないか」
ボケ:『おぅ、それは言うたよ』
ツッコミ:「ほら、せやろ? 」
ボケ:『だって、俺はお前の隣にずっと"居たい"と思ってるからな』
ツッコミ:「あらやだ・・・」
ボケ:『ふっ、言ってやったぜ』
ツッコミ:「いやいや、言ってやったぜ、やあらへんねん。お前は急に何言い出しとんねん」
ボケ:『何をって・・・ おいそれ、本気で言ってんのか? 』
ツッコミ:「せやから急にマジトーンやめぇや、心臓に悪い。んでおぅ、本気や、本気で言うとる」
ボケ:『はぁ・・・ おいおい、俺を弄ぶのはやめてくれよ・・・ 』
ツッコミ:「いやなんで俺が悪者みたいに言うとんの? そっちが変な事言い出したんちゃうんか? 」
ボケ:『変な事なんてひとっっっつも言うてへん』
ツッコミ:「いや、言うたって」
ボケ:『言うてない』
ツッコミ:「おもっっっきり言うてたで? 俺が挨拶しましょか言うただけやのに、急にずっと隣に居たいとかなんとか」
ボケ:『それが変な事か? 』
ツッコミ:「いや、真面目に聞いてきてもあかんで? 普通に変やろ、こんな場所で言う事ちゃうやろ」
ボケ:『俺は真面目に挨拶しただけや。そこにいるお前のご両親にな』
ツッコミ:「俺のご両親に!?? 」
ボケ:『そうや。ほらあそこにいてるやろ? 』
ツッコミ:「いや、居てるけれども! 一般席に紛れて息子の晴れ姿を見に来とる親バカがそこに。いや、手ぇ振ってこんでええから! 目立つな目立つな」
ボケ:『おい、俺の義理の両親になる人達やぞ。そんな言い方はせんといてくれ』
ツッコミ:「俺のただの両親や! お前の義理にはならへんっ」
ボケ:『そんな・・・ くっ、お前は俺の心をどれだけ弄ぶ気なんだ・・・ 』
ツッコミ:「あの〜、ちゃんと聞いといてくれ。俺は、何一つとしてお前を弄んでないから、な? 」
ボケ:『・・・ お前が結婚報告の挨拶しろ言うたのに』
ツッコミ:「言うかっ! 誰がこの場でそんなん言わすねん!! 」
ボケ:『いや、最初に言うてたで? まずは挨拶からって』
ツッコミ:「その挨拶はお客さんに向けた俺らの自己紹介や! 決して結婚の挨拶ではないぃ」
ボケ:『そうか・・・ あぁ、そうやったんやな・・・ 』
ツッコミ:「な、なんや? 急にテンション下げてどうした? 」
ボケ:『いや、な・・・ 気付いちまったんだよ』
ツッコミ:「な、何に気付いたんや? 」
ボケ:『お前の心はもう、俺から離れていることにな』
ツッコミ:「いや、心は俺ら一緒やろ? いわゆる一心同体ってやつや」
ボケ:『一心同体・・・ ま、まだこんな俺をそう言ってくれるんか? 』
ツッコミ:「はぁ? そらそうやろ、俺がお前に惚れ込んだんやから。んで俺ら二人やないと目指されへんとこかてあるしな」
ボケ:『そうか、覚悟が足りんかったんは俺の方やったんか。それなら話は早い』
ツッコミ:「おっ、ようやくやる気になったか? 」
ボケ:『あぁ、もうバッチリや。今から市役所行って婚姻届出しに行くでっ』
ツッコミ:「もうその話はええねんっ!! 」
ボケ:『えっ・・・ だって、俺らは一心同体やって言うたやん。つまり、心も体も一緒やいう事で、それはもう結婚するしかないやろ』
ツッコミ:「もうぅええわぃ! 」