ナマケモノ なまけもの 樹懶 スロース
サブタイトルはオリジナルです。
大切なことなのでもう一度言います。
オリジナルでs(殴
ナマケモノは動きすぎるとと死んでしまう。これは、ナマケモノが哺乳類ではめずらしい変温動物であり、動いた時に発生する熱に耐えられず死んでしまうそうだ。
更に、消化でさえ怠けてしまった結果、満腹の状態で餓死をするというなんとも情けない死に方をしてしまう辛い生き物なのである。
しかし、そんなナマケモノになりたいと願っている男がここにいる。花の十代であるにも関わらず、来る日も来る日も無気力に過ごし、家に帰れば布団の虫となる。食事は10秒でチャージできるゼリー飲料しか口にしていないためか、その体はナナフシのようであり、赤子の手をひねろうとしても逆に捻り返されそうなほどの細さである。
幸か不幸か、彼の両親は揃って海外赴任中なのだ。でなければこんな生活出来るはずもない。元々、親戚の家に預けられるはずだったのだが、彼はユートピアのために最初で最後の本気を使い切り、説得したのだ。
そして、現在夏休み中であり、今まで以上の怠惰を貪ろうと布団の中で目を瞑ろうとした時、奴が来た。
ピーンポーン
背筋がぞっとする。頭の中でどう対処するか考えようとするが、彼の怠惰な性格が、このまま居留守すればなんとかなるのでは、と楽観的な考えへと導いしてしまう。
ピーンポーン、ピーンポーン、ピーンポーン、ガチャガチャ、ドンドン!ドンドンドンドンドン!
「想一郎!!いるのは分かってんのよ!!早くでてきなさい!」
彼女は隣の家に住んでいる所謂幼なじみというやつだ。一人暮らしを承認してもらうべく、両親を説得する時にたまに来てもらい人間らしい生活をしているのかチェックするという話になり、そこで、幼なじみで隣に住んでいる彼女に白羽の矢が立ったのだ。
僕は布団カバーだ、僕は布団カバーだ、と何度も自分に暗示をかけながら奴が諦めるのを擬態したナナフシのようにじっと待つ。
1分だけしか経っていないような気もするし、30分は経ったような気もするが、ようやく静かになった。
彼の寝室は家の二階にあり、窓から侵入してくる心配もない。
これで安心して眠れる、と思ったところで、それは起った。
ギシ ギシ ギシ ギシ
奴は既に家の中に侵入してきていたのだ。きっと、両親が合鍵でも渡していたのだろう。
───どうする…… 見つかればきっと外に連れ出され面倒なことになるぞ。ただ、今部屋の外に出れば必ず見つかってしまう。
そこまで考えると、ふと窓に目が止まる。窓から逃げればあるいは奴をやりすごせるかもしれない。
思い立ったが吉日。素早く窓を開け放つと、窓枠に足を乗せ
ようとして、足を踏み外し転落する。彼の怠惰な生活は彼の運動能力を尽く奪い、その結果、バランスを崩した彼は窓枠から放り出され、打ちどころが悪かったのかそのまま意識を手放したのだった。
初投稿なので頑張りマッス
完結はさせますよー
ただ、忙しかったりするとペース落ちたりするかもですー
最低2ヶ月以内には投稿しますー