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すべてを、断ずる者、名はアリス

The Sky of Parts[30]

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

この物語は、軍事好きな筆者が作った育児モノ。


【!】『対話体小説』の読みにくさを軽減させる為、独自の「改行ルール」、「句点くてんルール」を使っています。


※ほぼ同時アップロードですが、30章後半は長文なので、中途半端なところで2つに分割します。


『だって、今朝。

 まだ寝ている母上の手と足を押さえつけてみたら、嬉しそうだった……たぶん、きっと、必ず。

 うん。

 ……マ、マザコンじゃないよっ!

 現実を無視して論じては、ダメだと思って、根拠が必要だと考えたんだ!

 うん』


「ち、違う……私は……母さんは!

 た、たしかに、急にルイーナに迫られて……驚いたけど……ちが」


『え?

 そ、そうなの?

 軍師殿が……あ、あたし、軍師殿みたいな女性になりたいって、思っていて……ど、どうしよう!』


「ちょっと……エルリーン?

 な、なぜ、悩むの? じ、自分の思いを捨てないで、私のエルリーンっ!」


『ルイ。

 あたしに、痛い事とか、怖い事とかしないって、約束してくれる?

 あと、結婚前は……ちょっと、無理』


「エルリーン!

 じ、自分を諦めないで! ル、ルイーナいい加減にしなさい……母さん、怒るわよ……はは……」


『も、もちろん!

 エルリーンを傷つけるような事はしないって、約束するよ!

 ただ、タワー『スカイ・オブ・パーツ』ぐらいの――父上みたいに、大きい塔は用意できないかも。

 母上は、あの塔に押し込められて、喜んでいた!

 たぶん。

 きっと、必ず』


「ル、ルイーナ……?」


『と、鳥カゴ。

 前に、ルイが、花嫁衣裳のあたしが閉じ込められてる夢を見たって……それ聞いてから、あたし、想像しちゃうようになったんだ。

 ――ルイの新郎姿。

 結婚後も、二人の時に見せてほしいなって……あはは。

 うん。

 フロックコートがいいな。

 ほら、ジャケット丈が長いやつ。

 ルイは、髪が赤いから、黒が似合う。

 うん。

 インナーベストも、アスコットタイも、黒がいいな。白シャツの上に、黒色の正統派っぽいの。モノトーン。シンプルがいい。だけど、エンボスとかで、がらっていうか、模様を作る、アクセントつき。

 タイは、ドレープあっても、引き締まった感じでも、どちらでもいい。

 うん。

 あー。

 ジャケットの裏地は、えんじ色がいいな。

 なんか、格調高い感じで、好き』


「アリス!

 僕は、ホワイトのフロックコートがいい!

 今すぐ購入にいかないか?

 黒髪の僕には、靴まで含めて、白色が似合うと思うんだ!」


「と、いうか……エリオット。

 モニタ画面!

 切ってやれっ! こ、これ以上、子供たちの青春の一ページを、親の私たちが見たり聞いたりはダメだ! た、端末を返せ!

 えい……!

 こら、蹴りを避けるな……エリオットぉ……っ」


「今、良いところなんだ。二人とも、実に愛らしい。

 ――アリス。

 僕は、君のペースにあわせてあげているだけだ。

 本気になったら、今すぐ君を、結婚式場まで連行できる。

 その事は、きもめいじておいてくれ。

 構うものか。

 僕は、この二人が、正式に交際を開始した時のやり取りとて、監視カメラで盗み見していたんだ。

 だから、今さらじゃないか!」


『先輩。

 私は、いつまで、小僧と小娘のやり取りを聞いていないと駄目なんですか……もう切ってもいいですか?

 雑務がたまっていて、忙しいので。

 とりあえず、竹内イチロウとしては、この二人が婚約してくれて、小娘を軍にいただければ、あとはどうだっていいんです』


「まて、タケ。

 面白い事になるかもしれないじゃないか!

 天王寺アリスの弱みを握れるような、そういう展開になるかもしれないと思わないか?」


「エ、エリオットぉぉおお……ま、また蹴りを避けた!

 ……お、おのれ……」


『エルリーンって、正装姿が好きなの?

 あ。

 じゃあ、軍服姿のオレ、良かったですか?』


『……うん。

 マントありも、なしも両方良かった!

 ああいうのでもいいよ……軍服OK。

 うん。

 マント用意するなら、ベルベット。手触りがいかにも品があって、重たい印象受けるぐらいの光沢感の素材のやつがいい。

 ロングで、服が、くるまれてしまいそうなやつ。

 肩部分は、ケープっぽくなっていて、色違いの生地みたいなので飾ってあるとか。派手すぎるのは嫌だけど、シンプルなら飾りつけあってもいい。

 高そうなカーテンを止めてるやつ。タッセルって言うらしいんだけど、マント止めるのは、装飾っぽいのがいいかな。

 うん』


「ん?

 あれ?

 お嬢さん、軍服姿の僕が、気に入ってくれていたのか……?

 ――タケ!」


『あげません。

 軍服および、特注マント支給は、勝手に、退役して民間人になったと言ってまわっている相手には認めません。

 ああ。

 私、仕事がたまっているので、コンピュータで作業しながらです。

 そこのところ、よろしく。

 指揮命令系統や防衛関連は、『sagacity』に任せておけばいいが、ハンコ押しが必要な完全雑務は、竹内イチロウのところに回ってきてしまうので、忙しいんですよ。

 事実上、現在は、軍のトップですが、やっている事は、完全に中間管理職だっ!

 先輩がトップだった頃も、軍医採用なのに、指揮官やらされたり……小僧のオムツゴミを極秘に捨ててこいとか……まったく』


「エリオット!

 もう、切ってやれ!

 これ以上、子供たちのプライベートの見聞きは、悪いと思わないのか?

 タ、タケも……仕事が忙しいのなら……切れ……切ってやってくれ!」


『天王寺アリス。

 アンタが困ると言うのなら、このまま、小僧と小娘の青い会話を垂れ流しにしておく。竹内イチロウの心の狭さ、よく知っているだろ?』


「タ、タケ……」


「アリス。

 因果応報という言葉を知っているかい?

 ふふふ。

 いいじゃないか!

 こと発端ほったんは、君が、幼い二人があやまちをおかさないか心配だと言い出した。

 だから、協力しているだけだ!

 そんなオロオロしたさまを見せて、どうしたんだい?

 気が動転して、慌てる事はないだろう。

 ただ、子供たちの会話が垂れ流しになっているだけじゃないか!

 僕とタケは、ずっと、監視カメラの映像や音声を垂れ流しにしてきたので、こういうのには、まったく罪悪感をおぼえないのさ。

 あはははっははっ。

 アリス!

 君は、協力を求める相手を間違ったっ。ただ、それだけだっ!」


「……ま、また、蹴りを避けられた!

 か、返せ!

 私の端末返せっ! こら、エリオット!」


『あれ、良かったよね。

 ルイのマント。

 軍人向け体格じゃなくて、肩幅狭いから、ズレてきちゃって、片側掛けみたいになってるの。

 あーっ。

 軍服ルイ。

 今思うと、全体的に良かったかも。

 半ズボンだけど、騎士だ、ナイトだって言ってきてカッコ良かったし。そもそも、告白タイムに着ていたし、このまま敵になっちゃったら、どんな感じになるんだろうって、想像しちゃったりもしたし』


『あのさ。

 エルリーン。

 オレと二人だけの時の話だけど……もしかして、高圧的な喋り方OKですか?』


『え……ルイの方がって事? う、うん。あたしと二人だけの時ならね……うん』


『ほ、本当に!

 さっきも言ったけど、エルリーンが可愛く見えちゃうと……意地悪を言いたくなってしまったり、言う事を聞かせたくなってしまうので――もし、可能であればお願いします……うん。

 あ、あれだよ!

 きっと、たぶん、母上も好きだよ!

 父上から高圧的な態度とられるの! 絶対に好きだと思うから!』


「ちょ!

 ……ル、ルイーナ!

 か、母さんは、ちがう……勝手に、私の趣味嗜好を作らないで……」


『えっ。

 軍師殿が。

 わ、分かった。

 いいよ。

 ちょっと、怖いけど……あたし、ルイを信じてる』


「エ、エルリーンも……!

 信じない……いろいろ信じない!」


『あ、でも、普段は、いつものエルリーンでいいよ。みんなの前では、オレの方が弱いぐらいがいいな。

 今まで通り。

 ほ、ほら!

 きっと、母上も、父上と二人きりの時は……ね?』


「ね……じゃない!

 ルイーナ、ルイーナ! 私のルイーナぁああ!」


『う、うん。あたしとルイの二人だけの秘密。

 隠しておこう。

 だから、フロックコートも、軍服も、マントもよろしくお願いします!

 いいよ。

 鳥カゴも、ストレッチャーも、柱も、高圧的もOKっ!

 あたし、軍師殿みたいな女性になりたいから!』


「エルリーン!

 画面……モニタ画面、切ってやってくれ! 私は……もう、無理!

 いろいろ……おろおろ」


『天王寺アリス、ざまぁみろ!

 ヘビのぬいぐるみを使って、よくも、この竹内イチロウを罠にめてくれたな。

 ああ、そうだった!

 先輩の奥様、この前、タワー『スカイ・オブ・パーツ』にお越しの際、バーンってやるお部屋で、手足を動かせない時に、サムズアップしてましたよ!

 高評価という意味だと言っていましたっ!』


「ちょ、タケ……違う。

 あれは……」


「アリスは、本当にいけない子だなっ。

 ふふ。

 分かっていたさ。

 僕は、君に喜んでもらおうと思って、あの部屋に案内してあげたんだ!

 嬉しかったくせに――恥ずかしがったりして。

 あはははっははっ!

 アリスぅぅぅ!

 こんにゃくのおもちゃで、さっき、誰をいたぶったのか、おぼえているかぁああ?

 この僕、エリオット・ジールゲンの目を、真っすぐに見ながら、答えてくれるかいっ」


「あわわ……あわわ……ぎゃ、ぎゃぁああああ!

 エ、エリオットっ! な、何をする!」


『ああああああ……ダメだ!

 オレ、もう我慢できないっ!

 エ、エルリーンが可愛く見えすぎて……ご、ごめん。

 やっぱりこの場で……結婚式まで待てないっ!』


『い、いやぁあああああ!

 ……ルイ。

 先っぽ見えてる……出さないで……いやぁあああああああああ!』


『こ、小僧……やばくないですか?

 胎児の頃から知っていますが、今や健全な思春期男子。

 先輩。

 私の方は、音声のみで、小僧と小娘の様子が把握しきれていないのですが……音声っ!

 き、切った方がいいですよね……これ!』


「ルイーナ!

 欲望に支配された思春期男子が、いとしいお嬢さんを前に、こらえられるはずがないんだ。

 この父が許す!

 構わん。

 さあ、思いを解放しろっ!

 布袋から取り出した、アナコンダ参号を使って、再びお嬢さんを制圧するがいいっ!」


「いやぁあああ!

 ルイーナ、やめてあげて……エルリーンは、ぬいぐるみでもヘビが駄目なのよ! エルリーンっ! エルリーンっ!

 は、はなせ……エリオット……!」


『アナコンダ参号の先っぽか……ぬ、ぬいぐるみか。

 ……ヘビ。

 かはっ!

 そ、想像しただけで……かはっ……お、音声のみでも……切っていいですか!

 竹内イチロウは、ヘビ、無理ですっ!

 ……ってか、むしろ、先輩たちのモニタ画面が、やばい!

 さっきから、それとなく気になっていましたが……』


「アリス。

 理解の上だったと思うが、僕が、君の部下におさまっているのは、君がいとおしいからだ。

 僕とアリスの間には、すでに思春期真っ只中の長男がいる。

 そういう仲じゃないか。

 書類上で繋がっていないなんて、今さら関係ない。

 少し前に、僕の想いを伝えたじゃないか。

 ――子供がいなかったとしても、僕は、君だけを愛し続けていたと思うと。

 そうして、アリス。

 君も、それに応えるように、僕の手を握り返してくれた。

 おぼえているよ。

 君の手の温もり。心と心が、繋がっているからこそ感じられる、安らいだ気持ち。

 これで、子育てからは解放されるんだ。

 ルイーナが宿った事で、事実上の夫婦となった二人だ。

 これから、始まるんだよ。

 僕と君だけの時間が。

 ね?」


「ね……じゃない!

 エ、エリオット……は、はなせ!

 私の上にのるな!

 手を押さえつけるな……わ、私は、ルイーナとエルリーンを助けにいかないといけないんだっ」


『先輩。切っていいですか……?

 そういう事は、全員、ご家庭内で対処して下さいっ!

 とりあえず、ヘビのぬいぐるみの事を忘れたいので、私は、カップコーヒーのおかわりを買いに行きたいのですが……』


『アナコンダ参号で、エルリーンの身体をぐるぐる巻きにさせて。

 大丈夫!

 痛くしないよ。

 モフモフのヘビのぬいぐるみだから。

 ほら。

 オレを信じて、怖がらないで』


『ヘ、ヘビは……だめなの。

 いやああ!

 ま、まだ結婚前なのに……ルイに好きにされちゃうなんて……だめよ。

 ダメぇええ。

 あ……。

 でも、眼鏡かけてくれたら……伊達眼鏡だてめがねかけてくれたら……許しちゃうかも……うん』


「エ、エルリーンだめ! じ、自分を安売りしちゃダメ! ま、まだ二人は学生なんだから!

 二人とも目をさましてっ!

 お、お前も、落ち着け……エリオット! わ、私は、今は、お前に構っている暇はないんだ!」


『私は……無理だ。

 ヘビのぬいぐるみで、身体を巻かれるとか……想像しただけで……かはっ!

 コ、コーヒー買ってくるっ!

 Ichiro Takeuchi is AFMっ!

 離席っ。

 AFMは、Away From Monitorだ!』


「アリス。

 子供たちの青春の一ページを、邪魔するような事はいけない。

 聡明そうめいな君なら、理解しているだろ。

 母親が、子供たちの恋愛に首を突っ込んではいけないと!

 心配はいらない。

 ルイーナは、お嬢さんの身体をアナコンダ参号で、ぐるぐる巻きにして、独裁演説を浴びせたいと言っているだけじゃないか!」


「た、たしかにそうかもしれないが……いや、本当にそれでことが過ぎ去りそうだが……そういう問題じゃ……うわぁああああ!

 私は、どうしたらいいんだ!」


『眼鏡、いいよ。

 かけてあげる。

 でも、今は、伊達眼鏡だてめがねなんてないから……オレ、もう、我慢できないんだっ!

 オレ!

 ヘビのぬいぐるみで巻かれたエルリーンの前で、独裁者みたいに振る舞いたくて、この気持ちが止められないんだ!

 だから、卑怯だって思われてもいい。

 アナコンダ参号を使って、エルリーンを制圧する!』


「ル、ルイーナぁああ……! わ、私のルイーナが……」


「ふふ。それでこそ、僕のルイーナだ!」


『いやぁあああ!

 伊達眼鏡だてめがねないなら……いや……あたしの方に、来ないで。

 ルイ……近づいて来ないで。

 あたしが、こんなに嫌がってるの……分からないの……いや』


『じゃあ、歌ってあげる――。

 し、知っていると思うけど、オレがその気になれば……その、あの……エルリーンの想いなんてじ曲げて、服従モードにできるので、そういうやメロディを即興そっきょうして、歌っていいですか?

 こ、断るなんて選択肢は、エルリーンにはないと……思うけど』


『え……?

 ちょっと、ルイ……ルイくん……気弱そうな言い方と反して、顔が、とっても悪役』


「いいぞ! ルイーナ! さすがは、我が子!

 やれ。

 お嬢さんを、今こそお前だけのものに……ぐはっ!

 がはっ……ア、アリス?

 ……がはっ!」


『竹内イチロウ、ただいま戻りました~。

 はあ。

 家族のバカ騒ぎ終わりましたか……先輩?

 な……かはっ!

 がはっ……て、天王寺あ……りす……がはっ!』



* * * * *



「あ、頭が痛い……二日酔いというやつか……ほんの少し、ウイスキーをかけられただけなのに。

 ジーンさん、ありがとう。

 エルリーンをさがしに行きたいところ、俺を部屋まで運んでくれて」


「母親のミューリーさんは、どれだけでも酒が飲める『ざる』だったのにな。

 おれは、ダノンとも、いつか一杯やれると思っていたが、下戸げこだったという話だ。

 軍師殿が責任をもって、エルリーンをさがしてくれるって事なので……まあ、でも、やっぱり心配なんで、もろもろの話は、またあとで」


「ああ……俺も、特に軍師殿に対して、いろいろ思う事があるが、何かをまともに話せる状態じゃない……ん?

 ……なんだ、これは!

 がはっ!」


「がはっ……こ、これは!

 ダ、ダノン、大丈夫かっ!

 ……ぐ、軍師殿……? ま、まさか……がはっ!」



* * * * *



「い、や、やめて……ルイ……正気を取り戻して」


「大丈夫だよ、エルリーン。

 オレ、責任とって、エルリーンと結婚するから。

 ――安心して。

 フロックコートも、軍服も、マントも、伊達眼鏡だてめがねも。オレ、ちゃんとエルリーンの願いもかなえるから。

 だから、結婚生活は、鳥カゴも、ストレッチャーも、柱も、高圧的もOKでお願いします。

 これ、命令だから。

 じゃあ……も、メロディも、思い浮かんだから――歌うね。

 怖い事なんてないよ。

 ほら、母上だって、父上のお人形さんみたいにされていた事があったじゃないか。でも、楽しそうだったし――」


「ぐ、軍師殿みたいな女性になりたかったら、考え方をじ曲げられても、そこから起死回生きしかいせいさくを講じられるぐらいじゃないと、ダメって事?

 絶望的な状況を打破してこそ、真の強い女性になれるのかな……分かった。

 これは、試練だと思って、あたしは受けて立つよ」


「ほ、ほんの少しおかしい事になってる気がするけど……この際、いいや。

 エルリーン。

 今度こそ、オレだけのものになって……え……がはっ!

 ……こ、これは……ま、まさか……がはっ!」


「……がはっ!

 なっ。

 えっ! ぐ、軍師殿……ぐんしどののう……た……がはっ!」


「こ、この声……ど……どうして……シュヴァルツシルト。この空間は、光さえ脱出する事が不可能なのに……光速は、約三十万キロメートル毎秒。

 超音速――マッハ……秒速三百四十メートルとすると、マッハ八十八万を超えて……がはっ!」


「……い、いた!

 ルイーナとエルリーンを見つけた!

 こ、こんなところにいたのね!

 あれ?

 二人とも、ぐったり倒れている!

 私の音程外れの歌声――そんなに、すごい威力があるのっ!

 ……ルイーナが、歌とか言い出したので、起死回生きしかいせいの武器になるかもと思って、久々に歌ってみたのだけど……。

 と、とりあえず、思春期の言い訳を超えて暴走する二人を、止められてよかったわ!

 親が、子供たちの想いのすえを、邪魔してはいけないと思うし、そもそも心配する事じゃないけど……生き方そのものが、じ曲がってしまう事態だけは、責任をもって阻止しないといけない時がある。

 間に合って良かった」



* * * * *



『……っ……て……撃ったのか……っ!

 ひ……引き金を……そ、その拳銃は……かはっ……はぁはぁ……がはっ!』


「光速は、約三十万キロメートル毎秒。

 超音速――マッハ……秒速三百四十メートルとすると、マッハ八十八万を超えて」


 地球の空気中ならという話であり、水中だと変わります。


 『シュヴァルツシルト半径』は、ドイツの学者カール・シュヴァルツシルトが由来ゆらい


 この物語、異世界といえば異世界なのですが、ストーリー舞台として用意した『独自世界』と呼んだ方が、筆者としてはしっくり。


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