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反乱組織の人々

The Sky of Parts[03]

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

この物語は、軍事好きな筆者が作った育児モノ。


Web上での読みやすさ優先で、適当に改行などをいれたりしてあります。


「ダノンも寝る前にお祈りしにきたの?」


「うん。エルリーンは、今日はお父さんになんて言ったの?」


「エビフライがおいしかった」


「はは。エルリーンらしいね。

 じゃあ、俺も母さんに、リリンの作ってくれたポテトサラダは、今でも最高だよって言おうかな。

 母さん、リリンのポテトサラダに一目惚れしてたからな」


「ダノン、そうなの? ミューリーさん、作戦会議とかばかりで、みんなと一緒の時間に、食堂でご飯食べられる事が少なかったから」


「女だてらに、この反乱組織のリーダーやってたからね。

 しかも、俺を抱えるシングルマザー。

 天王寺アリスさん――軍師殿と二人で食事しながら会議ばかりしてたな。

 ……今だから、エルリーンだから言うけど、俺、きっと軍師殿に母さんをとられたような気分になって、妬いていたと思う。

 ねて反抗するのも嫌で、子供の俺には作戦会議の内容は分からないけど、一緒の部屋にいてもいいかって……甘えた事を言って、独り部屋の端っこのテーブルでご飯済ませて、本読んだりしてるだけだったけど、あそこで母さんたちの会話を聞いて、戦い方の勉強できたのが、今は役立っている」


「ダノンは、軍師殿が嫌いだったの?」


「いや。嫌いではなかったと思う。

 母さんが、軍の施設を襲撃した時に、助け出した人の一人だったけど。息子さんを連れ出せなかったって言うのを聞いた時に、それなりに同情もしたし。でも、なんでだろうな……エルリーンみたいに、素直に甘えるような、そういう情は持てなかった。

 ――知らなくても良い事を、知ってしまう前だったはずなのに」


「え?」


「ううん。

 なんでもない。今日は、ちょっと疲れた」


「アイツがいなくなったんだっけ? どこへ行ったんだろう。

 でも、前からフラッといなくなる事多かったし、きっと今度も街で賭け事にお金吸われて、酒飲む金もなくなって帰ってくるよ」


「だと良いんだが。

 なぜかな。

 今回は嫌な予感がするんだ。

 明確な根拠はないけど。だから探し回ってみたけど、痕跡すら見当たらない」


「アイツ、顔の彫りも浅いし、鼻も低いから、どこかに紛れると分かりにくくなるんだよ。きっと」


「エルリーン。君の叔父のジーンさんよりも年上だぞ?

 亡くなったお父さんよりは下だったかな……まあ、そんな大の男に、平然と食ってかかるのが、エルリーンの良いところだけど」


「あたし、絶対に軟弱なやつの嫁にはならないよ。

 ダノンも、もっとたくさん食べて、ガッチリした体型にでもならないと、もてない。

 作戦立てるお勉強も結構だと思うけど、あたしに命中合戦で負けるようじゃ、男として失格だよっ」


「はいはい。エルリーン。

 言いたい放題だね。

 まあ、嫁に行く気が、一応あるらしいって事を、ジーンさんには伝えておくよ」


「エリオット・ジールゲンの奴だって、いつかとっ捕まえて、この礼拝堂の床にひざをつかせて、父さんに謝らせてやるんだっ」


「ふふ。不思議な子だね、エルリーンは。

 なぜか君なら、そんな無茶を、いつかやりかねないとか思ってしまうよ」


「違うよ! ダノン、絶対にやってやるだよ!」


「はいはい。今日はもう遅いから、九つのお嬢さんはもう寝なさい」


「うー……とっとと大きくなるから、子ども扱いはやめて、戦闘に参加させてよ!」


「うんうん。おやすみ、エルリーン」


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