星空の夜 ~ 小鳥と少女 ~ アリスは童女?
The Sky of Parts[14]
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この物語は、軍事好きな筆者が作った育児モノ。
Web上での読みやすさ優先で、適当に改行などをいれたりしてあります。
【※それなりにコメディ回】
『……うわっ。
エリオット! いつから横にいたんだ!
はぁ。
何って、私は、この宿泊研修にきたかった理由は、満天の星空が楽しめるって聞いたからなんだ。
軍事に関する、どうとか講習なんてどうでもいい。
だいたい、使われる資料は、天王寺アリスの書いた論文だ。
つまり作者は、私!
面倒な事に、学生の私に講師依頼がきたが、もちろん断った。
自分が書いた内容を、曲解して伝えろとか、あり得ないだろう!
私が、あの論文を書いたのは、母と二人で集めているフレーバー紅茶のティーバッグを、どう効率よく収納するかが元ネタであって、軍の人員配備の効率化ではないっ。
講習中に、机に突っ伏して寝て、夜は、この星空を眺める!
だから、同行はしたんだ。
って……こらっ。
やめて。
もう、しつこいから!
近づいて来ないで!
この前、エリオットは、敵だって言ったでしょ!
いやいや、二人きりだからアリス姉さんって呼んで良いかって……ダメ!
ダメ!
私の方が、大学では先輩なのっ!
エリオット、離れてよ!
離れなさい……ええい! 離れろ!
敵だ!
お前は、敵だっ。
はぁはぁ。
ん~?
半径四メートル以上離れるなら、一緒にいてもいいかって?
……なら許してやろう。
この天体ショーを独り占めしてもいい権利は、この天王寺アリスにはないから、好きにしろっ。
そういえば、エリオットは、卒業したら軍人になるのか?
そうか。
あれだけ成績優秀なら、最初から待遇が約束されているもんな。
え。私か?
うーん。
前も言ったけど、普通に生きる。
いわゆる、完全な民間人になるつもり。
エリオット。
お前だから教えるが、うちの父は、しばらくしたら軍人を辞める事になっている。
まだ公表前なんだ。
内緒だぞ。
母も一緒に退役する。
そうなると今の館は広すぎるから売り払って、適度な広さの集合住宅に引っ越すつもりなんだ。
うん。
都を離れて、故郷に帰るんだ。
知ってると思うが、あっちの大きな館の売却話もすすめているよ。
娘の私も、故郷でのんびりと生きていくの。
そうなのよ。
もう軍人なんて目指さなくていいから、カタイ喋り方しなくて良くなるの。
すごく楽だわ。
あーあ。
もう、大学辞めちゃおうかしら。
転校っていうか、商科大学あたりを受験してもいいかも。
文系とかも面白そう。
毎日考えているのは、おいしいサンドイッチの事ばかりとか――。
私、普通の女の子についになれるの!
父親の職業に、未来を左右されないの!
戦争をするには、どうしたらいいかなんて考えなくちゃいけないのには、うんざりしていて……ちょっと。
――エリオット。
なんで、私の手を握っているのっ。
いつの間に!
は、離して!
いや!
離して……離せっ。
離さないじゃない!
離せと、私は言っているんだ!
だから、お前は、この天王寺アリスの敵なんだ!
くっ。
エリオットぉお!
……早く、はなれ……え……私と、手を取りあい、夜を共にしたいって……いや!
ダメ……そんな事をしたら――』
* * * * *
「閣下。
少し御戯れが過ぎませんか。
――あの小娘と、ルイーナ様を……という件です。
ルイーナ様は、現在はご自分の行いを、内省して頂いている、いわば謹慎の身だと思いますが、結局のところは閣下の御子息。
あのような逆賊でしかない小娘を、縁付かせようなどとは……。
まあ、竹内イチロウといたしましては、閣下の御冗談だと思っておりますが」
「いや。
本気だ。タケには、絶対にそう言われると思っていたよ。
しかし、名案だ。
いつかは、ルイーナにも相応しい相手を考えてやろうと思っていたんだが、僕の背信者を許婚にするというのは、今まで思いつかなかった!
タケ。
趣味の悪いお考えですという顔をするな。
反乱分子から人材をスカウトしてくるのは、新発想ではなく、実はオーソドックスだ。
考えてみろ。
あの小娘、僕の『息子』としてのルイーナと婚約したら――仲間にも、家族にも、もう顔向けできない。
ふん。
もちろん、あんな小娘に、徹底的に叩きのめされるような事を言われて、心の広い僕だって、さすがに腹立たしいっ!
昔なら間違いなく、その場で消していた。
だが、今は、生かしておいて、完膚なきまでに、僕の考えを押しつけてやる方が、甘美だと感じられる。
こういう言い方ならば、タケにも少しは分かってもらえるかい?
永らえた事で、見えない檻に、自分が入れられていると実感させてやるんだ。
自分の父親の仇でもある僕と、ルイーナを通して縁を繋ぐ事になるんだぞ。
ここが、またいい。
一度は信頼関係を築いていたルイーナが、相手というところだ。
あーあ。
誰かと仲良くなる時には、相手の身上書を確認してからにしないと――。
くくっ。
同時に、あの義理を欠いた小僧のいい懲らしめにもなる。
歌声の解析が終わり、再び『sagacity』システムが完全稼働するようになったら、いよいよ僕の『息子』の公表を行う予定だ。
反乱分子の連中を通して、Lunaが実は、エリオット・ジールゲンの子ではないかという噂は広まっているらしいが、正式な御披露目を、軍事イベントとして開催する必要がある」
「竹内イチロウといたしましても、その催しは重要であると考えております。
軍の人間はもちろん、民間人に対してもですが、Lunaが、閣下と縁深いと示すのは、衆望にこたえるのと同義。
エリオット・ジールゲン閣下が統べる世が続く事によって、万人が熱狂するLunaの歌声が、これからも世界に響き渡る事になる。
Lunaの正体は、閣下の正統な御血筋を引く、ルイーナ・ジールゲン様なのですから」
「ふふ。タケ、その通りだ。
あの生意気な小娘を、ルイーナの――エリオット・ジールゲンの『息子』の横に立たせてやるつもりだ」
「閣下。
アリス様の身代わりという認識で、よろしいのでしょうか」
「いい表現するじゃないか。
さすがだ。
タケは、分かってくれている。
そうだっ!
アリスには、本当のアリスには逃げられてしまったが、子であるルイーナと、彼女を母親のように慕っているという小娘の二人に、代替になってもらう。
せいぜい愛しあってもらおうではないかっ。
ふん。
まだ、幼いので、愛しあうなんて事の意味が、分かるとは思えないが、あの鳥カゴの中で二人きり。
切なく、苦しい時に、心の支えになるのが、互いに唯一の相手という状態だ。
――仇同士でありながらな。
両者共、相手の存在が枷になって、身動きが取れなくなるといいさ。
さあ、僕を楽しませるようなものをみせてくれ」
『……エルリーン……寝ちゃってる?
ずっと床で横になってるけど、夜になったし……風邪引いたりすると大変と思って』
「閣下。
鳥カゴ内の監視カメラの映像、大画面の方に切り替えます」
「ああ。タケ、頼む。
さて、ずっと二人ともダンマリで、動きがなくてつまらなかったが、この僕に何を提供してくれるのかな?」
『あの……その……。
ごめん。
もう、なんて言っていいか分からないけど……オレ。
オレの方も、どうしたらいいか分からないけど――好きなだけオレをぶん殴ってほしい。それで気が済むとは思えないけど……ごめん。
どれだけ考えても、それしか、何か形として謝れる事がないと思って。
きっと、一番いい方法じゃないと思う……だけど、それしか思いつかなくて。
ほら!
オレを殴ったら、半分は、エルリーンの仇が入っているから、ほんの少しでも気が楽になるかなって。
許してほしいなんて、絶対に言わない!
生まれる前の事だから、仕方がないとかも言わない。
ただ、エルリーンにもう一度元気になってほしい。
――それは、オレに笑顔を見せてって意味じゃなくて、基地のみんなの前で、いつもみたいに笑っていてほしいっていう意味で。
オレは、敵だから。
その……エルリーンの仇の息子だから……ぶん殴ってよっ。
どれだけ殴ってもいい!
エルリーンが、今ここに捕まっている事も含めて、非難されて当然だから、気にしなくていい。
敵なんだよっ!
どんなに殴っても、大丈夫だよ!』
「おやおや。
お嬢さんは、床に転がったままピクリとも反応していない。
角度的に、お嬢さんの顔が見えないので、表情の確認ができないな。ドレスに添えるつもりぐらいだった、大きな髪飾りが、こんな時には邪魔に感じる。
ルイーナの方は、とにかく身振り手振り。そして、言葉で必死か。
ふーん。
僕なら、もっと、したたかな方法を選択して、強引にいくけどな。相手が、しっかり話を聞くように仕向けなくては――」
『エルリーンは、そういうのは嫌だって言うかもしれないけど……オレ、やっぱり敵になるよ!
うん。
敵になる為に、あいつに頭下げる。
それで、エルリーンを逃がせる立場になって、必ず外へ出す。
みんなのところへ、帰れるようにするから。
もしかしたら、敵になりきるのに、時間がかかるかもしれない。
でも、なるべく早く、敵になる。
努力して、敵になれるように頑張るね。
見てて腹が立ってくるような、敵になったオレを見せるかもしれないけど……エルリーンを逃がしてあげられるとしたら、敵になるぐらいしか方法がなくて。
だから、敵にならせて!
敵だから、いろいろ気にしなくていいんだ! 殴ってもいいし、悪口たくさんもらっても怒ったりしない。
敵なんだからっ。
オレ、ちゃんと敵になるから……エルリーンは、元気になって。それだけは、お願いさせて』
「ルイーナのやつ、馬鹿の一つおぼえみたいに、『敵。敵』と言っている。
――驚くほど単調だ。
詩を作る時は、やはり、僕とアリスの子なのだなと思うほどの語彙を使いこなすが。
『悪口たくさんもらっても怒ったりしない』か、僕なら、『罵ってもらっても構わない』と言うな。まあ、面白い表現なのかもしれないがな。
おや。
ついにお嬢さんが、身体を起こしたか」
『エルリーン!』
『……ルイさ。
馬鹿の一つおぼえみたいに、敵だ、敵だって言い過ぎだって。
悪口たくさんもらっても怒ったりしないって、なんだよ!
うちの班は、悪口禁止だって言ってるだろっ。班長のあたしに、それを破れって言ってるのか?
まったく。
ルイ。
あのさ。
えっと、監視カメラがあるんだよな? だから、名前は出さないけど――あの二人は、お前とエリオット・ジールゲンの関係……知っていたのか?』
『あ……うん。
二人だよね……あの二人は、オレを助け出す前から、知っていたみたい。
その上で、助けてくれたんだ。
――オレが、オレであるなら良いって言ってもらった。
オレの正体っていうか、そういうのは、みんなには……特に、エルリーンには、黙っていてほしいって、強く口止めされていた。
ごめん。
でも、エルリーンには、言った方が良かったよね』
『そっか……あの二人がね……よし、分かった!
ルイ副班長っ』
『は、はい……エルリーン班長?』
『ルイは、敵じゃない。
これからも、お掃除・皿洗い班の副班長だ!
ただし、あたしに悪口言えとか依頼してきたので――基地に戻ったら一週間、廊下掃除を一人でやれ!』
『え……。
エルリーン。
そ、それだけでいいの?』
『あと、あたしの拳は、エリオット・ジールゲンをぶん殴るって目的がある。
敵でもない、ルイなんかを殴って、ケガすると困るんだ。
――だから、そんな事を二度と言うな。
あいつが、すぐそばにいるんだ。
殴るチャンスが、いつ巡ってくるか分からない。あたしは、いつも、ベストコンディションである必要がある』
『だ、だけど……オレ。どう考えても、エルリーンの敵だよ!
そのエリオット・ジールゲンのむす……』
『あのさー、ルイ。
ほら、監視カメラあるから、念の為、名前は出さないけど、食堂の優しいエプロンの似合う人。
あの人の息子……えっと、N君、カッコ、仮名、カッコ閉じる。
N君の父ちゃんだって、エリオット・ジールゲン軍の人間だろ。あたしは、N君を敵だって思った事は、一度もないんだ』
『……でも、N君は、みんなの基地で生まれたから、一度も軍の世話にはなってないよ。
あの……それに、オレは、軍の人間の……ではなく、本人の息子なんだよ……』
『一緒だって。
軍師殿と、エプロンの似合う人と、何が違うっていうんだよ!
ルイ。
エプロンの似合う人の話って、しっかり聞いた事があるか?
自分の街が、軍によって壊滅させられた時に、軍の人間に助け出されたんだって。
その軍の人。
助けてくれたっていうのが、N君の父ちゃん。
外に出るのは、諸事情もあって許可されなかったみたいだけど、軍の施設で、エプロンの似合う人は、N君の父ちゃんと、たしかに愛しあっていたらしい。
結局、エプロンの似合う人は、うちの基地のみんなに、軍の施設から助け出されて、N君を産んだ。
ルイも知ってると思うけど、エプロンの似合う人は、今でも、N君の父ちゃんを愛してる。
でも、あたしは、エプロンの似合う人が大好きだ。
敵だって思った事はない。
分かったか?
ルイを、敵だって思う理由が思いつかない。それだけの話』
『……エルリーン』
『ルイってさ、椅子がないところで、不安になったり、考え事すると、体育座りになるクセあるだろ!
何度も言うけど、弱っちく見えるからやめとけ。
こうやって、ドレスだろうが何着てても、両足で力強く、床や地面を踏みしめるだけで、そもそも力強く生きていこうという、念みたいなものが生まれる――って、軍師殿が、小さい頃に教えてくれた』
「なるほど……そうか。
あの小娘の傲慢さすら感じる、この僕に対する不遜な態度が、止まる気配を見せずに、どこからわき出てくるのだろうと思っていたが――躾けたのが、天王寺アリスなのか。
今、自分がどのような顔をしているか、はっきりと知りたくないが……呆れながらも、戦慄が走ったような表情で、黙ってしまっているタケと同じか、それに近いのではないかと、疑ってしまう……。
これを機会に、ルイーナが、この父の下以外では生きていけないと悟る事を期待していたのだが」
「閣下……竹内イチロウといたしましても、この二人が、鳥カゴ内で言い争いになると、当たり前のように思っておりました。
まさか、小娘の方が、ルイーナ様を説得するとは。
て、天王寺アリスの罠――なのでしょうか……?」
「ふん。ある意味、そういう事になるな。
いったい、何年前から企んでいたかは知らんが、あとで、今のアリスにお仕置きしてやらんとな。いつも通り、無邪気な様子で、手作り絵本を持って近づいてきたら、そのまま絡め取ってやる!
実に不愉快な展開になっているじゃないか。
この僕が描いた結果にならんとは、腹立たしいかぎりだ!」
『ルイ、お前さ。
軍師殿の実の息子のくせに、もう助けられないとか、諦めてるだろ?
まったく!
いいか、あたしは、絶対に軍師殿を助ける!
あたしにとって、軍師殿は、母親同然なんだ。諦めない事が、勝利に繋がるって教えてくれたのも、あの人――ルイの母ちゃん!
幼いあたしは、絶対に、将来こんな女性になってやるって、目を輝かせたもんさ。だから、これからも、もっといろいろ教えてもらう為に、一緒に基地へ帰るんだ』
『エルリーン……』
『気弱そうな目するな! ルイ!
どうせ、不甲斐ないし、意気地もない。
軍服着たって、華奢っていうか、か細いっていうか、そんな言葉しか当てはまらないようなルイじゃ、あたしの敵になるなんて無理だ。
腕にも、肩にも、全然筋肉ついてないじゃないかっ。マント、またズレてるぞっ!
やめとけよっ。
お前が、素直に言う事を聞きますって、やつらに従ったって、『この小娘を監視する事を最初に命じる。それが誓いの証だ』とかさ、あんな人でなしの乱暴狼藉万歳な連中を相手にすると、絶対にそんな極悪な展開になるって。
胸糞が悪いぐらいに、うざい言い方で、圧迫して来るだろうけど、無視するのが一番だ!』
「へえ。
大正解。
ルイーナが、僕に詫びながら屈してきたら、最初に出してやろうと思っていた命令は、それだ。
――しかし、敵地で、よくもこんな態度がとれるものだ。
監視カメラを通して、このエリオット・ジールゲンに見られている前提なのにな。
目の前にいるルイーナとて、所詮は僕の息子。
この小娘には、恐怖というものがないのかね。
タケ。
このお嬢さんの方が、ルイーナよりも軍人に向いていると思わないか?」
「閣下、最初に言っておきます。
この小娘は、逆賊です。
天王寺アリスとも、過去にかかわりがあっただけではありませんか。
ルイーナ様を懲らしめる為の道具にしたり、反乱分子どもへの見せしめに使うのであれば、竹内イチロウといたしましては、何も申し上げる事はありませんが――」
「が?
このエリオット・ジールゲンを、諫めようと考えているのか?
ふふ。
タケ。僕は、まだ、何も言っていないじゃないか」
「閣下が、何か大胆な御考えをなさっておられるのは、なんとなく伝わってきています。
怒りを宿した目をされておられるのに、御声が軽やかになりました。
――申し訳ありませんが、嫌な予感しか致しません。
竹内イチロウの勘というものであり、根拠などはありませんので、傲岸不遜であると斬り捨てられるような態度であるとは認識しておりますが、それ以上、思慮なさいませんように、お願い申し上げておきます」
「タケ。
この小娘を、ルイーナの許婚にする件は、決定事項とする。
お前が何を言っても、覆る事はない。
いずれは、我が家の嫁に迎えるのだから、立ち位置を、家長でもある僕が与えてやるべきではないか?」
「……閣下を、諫めさせて頂く為、聞こえのよい言葉を考えておきます」
「さて、このお嬢さんは、この先、どうやってルイーナの心を僕から持ち去るつもりかね――」
『ルイは、ずっとうちの副班長でいろよ。
敵になるのは、鬼ごっことか、ドッジボールする時だけにしとけって。
チビどもだって、すっかりルイ兄ちゃんって呼んで、副班長として必要とされてるんだからさ。ルイが、ルイなら、居場所なんていくらでもあるんだよ。
……それにさ。
たしかに、あたしは、エリオット・ジールゲンに父親を奪われたよ。絶対に許さないって、今でも強く思ってる。
だけど、それはルイも同じだろ?』
『え?
……ど、どういう意味、エルリーン』
『……ルイ。
そんな驚いた顔で見上げて、次の言葉を待たれると、うまく言える自信が急になくなってきたけど……えっとさ。
ルイが、父親だと思っていた人は、もういなくて……今いるのは、エリオット・ジールゲンって事だろ。それって、エリオット・ジールゲンに父親を奪われた――そういう事なんじゃないか?
あたしと同じなんだ。
ってか、そういう事にしておけよっ!』
『え……えっと。
エルリーン……?』
『監視カメラあるから、あたしが言わせてやる。
ルイ副班長! 返事は?』
『……はい、エルリーン班長』
「タケ!
どうだ、あの娘は、かなり面白い人材だと思わないか?
くくっ。
アリスの罠か――いや、アリスが育てて、僕に与えてくれたと考えても良いとは思わないか?
これは、時限爆弾のような天王寺アリスの作戦かもしれんが、実に愉快な事だ!」
「今の閣下に、この竹内イチロウが何かを申し上げても、意味があるとは思えません。
是であるとも、非であるとも、考えておりませんが……閣下の胸の内は、天王寺アリスに対する瞋恚に燃えておられるように感じております」
「さすが、竹内イチロウ!
よく分かっているじゃないかっ!
アリスに対して、腸が煮えくり返るような思いがわきあがってきている。
ははっ。
同時に、まだ僕を楽しませてくれるつもりかと、喜ばしく感じているよっ。
指の一本一本を動かす自由すら、この僕に委ねたと思わせておいて――アリスっ!
まだ、ルイーナを奪い返そうと、抵抗をやめないつもりか!
あんな状態になっても、僕との『敵対』を続けるというのだなっ。
ふふ。
アリス。どうせ、何も知らないという様子を見せるのだろうが、あとで、このエリオット・ジールゲンの尋問を受ける事になるのを覚悟しておけ! 今夜は、しつこく粘土遊びをしようと希望してきても、聞き入れてやるつもりはない。
そうして、お嬢さん。
君は、必ず、我が家の嫁になってもらうつもりだ。
――まあ、幼い二人だ。
まずは、たわい無いような子供同士の会話から、親睦を深めるがいい!」
『ルイ副班長。これからも、いろいろと頼むっ。
よし、外はすっかり夜なんだな……窓が無駄に大きいし、いっぱいある。逃げる時に、一枚頂戴して、基地の食堂のビニールテープでゴマかしてる割れ窓ガラスと交換したいぐらいだ。
う~ん。
身体を思いっきり伸ばしても、疲れを感じる。
もう、寝ようっ。
ふぁあああ。あくび出てきた。
あれ?
……あのさ、ルイ。
あたし、重要っていうか、余計な事に気づいちゃったかもしれない……これさ、やばいって……絶対に、やばいって!
拳銃で脅されるよりもやばいって!』
「ん?
お嬢さんは、何に気づいたというのだ?
なんだ。
……とても慌てているようだが、命が脅かされるよりも危険な事でもあると言うのか?
この僕が、興味を抱くほどのお嬢さんが、深刻だと思うとはいかなる事態だ――」
『え? なに?
何に気づいたのエルリーン』
『ここさ……あたしら閉じ込められてる牢ってさ、ベッド一つしかなくない?』
「あ……」
「閣下っ」
『え』
『ってか、牢っていうか、でも、いちおう部屋だろ……あたしと、ルイが一緒……って事?
ひ、一晩中っ』
「う……」
「閣下ぁ」
『い』
『まずいって……部屋一緒って……ちょ……ち、違うぞ。
さっき、あいつが変な事……言ってたの思い出したりしてない……ぞ。
その……ルイと結婚、させるとか』
「き……」
「閣下ぁあ!」
『な』
『へ、部屋の隅っ!
ちょっとでも、何もないように……あたし、部屋の一番端っこで寝る!
く、来るなよ……ルイ、夜の間は、一ミリでもいいから、離れろよ……一緒の部屋なんだから……』
『あ…あの……うん。
大丈夫……心配しないで、エルリーン。
オレ、そこのソファを、あっちの壁の端っこまで動かして寝るから。
ええっと。
たぶん、あのあたりが、昔オレの部屋で、ちょうど寝床だったところだと思うから。
掛けるものも、一つしかないみたいだけど、オレはマント使って寝るから大丈夫』
『ってか、なんでベッド一つしかないんだよっ!
最初から、あたしたちを……いやいや、そんな事、もう頭の片隅からも消してやる!
あれか……『あっ、パスタに添える飾りハーブ用意したが、調理台の奥の方に置いたまま忘れていた。明日でいいよな』みたいな凡ミスと信じたい』
「タケ。
明日のオムライスの上にのせればいいよな。ハーブ」
「そういった、私生活での事は、この竹内イチロウに仰って頂いても……閣下の御采配にお任せします」
『あのさ……本当に大丈夫。
ほら、オレ、絶対に手を握ったりしないから……夜に一緒の部屋にいるだけで……って、あるらしいけど、ここかなり広いし、きっと大丈夫だと思う……』
『う……うん。
ルイ、ありがとう……。
はは……あれだよ。
あいつが、手を取りあって、夜を共にしたら、ルイが宿ったなんて話してたから……いや、なんでもない!』
『ご、ごめん。
……考えてないよ……オレだって……その、エルリーンの手を握って……ごめん!』
「……なあ、竹内イチロウ」
「はい。何でございましょうか、閣下。
ちなみに、今の閣下の御顔は、ある意味で焦燥感漂っておられます。
ポカンとしておられる――そう、表現しても良いのかもしれませんが」
「タケだって、そういう顔をしているぞっ!
教えてやった事あるか?
……ルイーナに、『手を取りあい、夜を共に』という意味を」
「そういった、私生活での事は、この竹内イチロウに仰って頂いても……閣下の御采配にお任せします!」
「うぬぬぬ……。
ルイーナのやつが、反乱分子の連中と仲良くしている様子は、かなり気に食わないと思っていたが……父親の僕が、『その役』につかなくていいかと……ほんの少しだが、ホッとしていたところがあった。
そうか。
あのお嬢さんの号令ありきで行動していたので、教えてもらう機会が得られなかったのだな。
母親が――アリスが、大学生になっても、同じような事を考えていて、その場で教えてやろうと思ったが――」
「が?
閣下。大学時代に後輩でもあった、竹内イチロウが、今だけ言わせて頂いてもよろしいですか?」
「なんだ?
嫌な予感しかしないが、特別に差し許そう。竹内イチロウ、言ってみろ」
「ドンマイ」
『ってか、ルイ!
まったく、お前さ。
ソファ、ほとんど動いてないじゃないか……はぁ。これだから、ひ弱な腕力なしだって言われるんだよ!
心配するな。
あたしは、強い男が好きなんだ!
ルイが、手を繋ごうとして来ても、相手にしない!
手を握った瞬間に、あたしに振り飛ばされるって!
あたしさ、砲丸投げってのを、個人的にちょっと練習してるんだ! もちろん、不埒な輩が、万が一近づいてきたら振り飛ばしてやるためだ!
返り討ちにあわせてやるつもりだ。
……ルイぃ~。
泣くなって!
ソファ動かすのを手伝ってやるから。
余計な事を考えないと、誓えと、約束しろと、宣言しろとした上だけど、明日から腕立て伏せだけはやれ。
できたら腹筋も鍛えろ。
この牢の中は、無駄に広いから、ランニングもした方がいい!
ほら、腹にもっと力入れて。
ソファのそっちの端っこ持ち上げろ。
あたしの方が背は高いが……それにしても持ち上がってない。やっぱり腹筋も鍛えた方がいい!
だから、泣くなって!
へっぴり腰なのはいいとしても、根性が足りないと思われるのは、男としても人間としても良くない!
しっかりしろって! ルイっ。おい!』
* * * * *
「おはよう。エルリーン。
……そのあの……大丈夫?」
「……んー。
たぶん、大丈夫。ルイも、おはよう」
「エルリーンに何かあったら……オレ、せきにんとっ……」
「エルリーンっ!」
「えっ。
あ、軍師殿だ。
いきなり駆け込んできて、鉄格子にしがみついたぞっ!」
「エルリーン! 大丈夫!
私、エリオットから聞いて……二人を、将来結婚させるつもりだって。
こっちにいらっしゃい、エルリーン!
そんな、どこの馬の骨ともわからないLunaと、貴女を結婚させるなんて……ちょっとでも、離れて。早く」
「どこの馬の骨とも……って、軍師殿、きっとおぼえていないんだろうけど、ルイは――Lunaは、軍師殿のおなかから生まれてきたんだよ」
「そんなはずないわ!
だって、私の子供は、エリオットだもの」
「母上!」
「Luna。
昨日も、私の事をそう呼んでいたわね……どうして?」
「どうでもいいよ。
意味は考えなくていい。だけど、オレは母上の事を、母上って呼ぶ。それだけ」
「どうして、Lunaがそんなに真剣な眼差しをしているか、私には、分からないけど……呼ぶだけならいいわ。
母上って、どういう意味か、理解できないけど」
「うん。
分かってなくてもいい。あはは。ありがとう、母上!」
「そうなの?
Luna。そんなに急に笑顔になるほど、嬉しい事なのね……って、そうだわ!
エルリーン!
鳥カゴからは、出しちゃダメって言われてるけど、私のそばに!
エリオット。
どうして、エルリーンとLunaを許婚にするなんて……私、オロオロしてしまったわ。
私の子供は、エリオットだけだけど、エルリーンは、それとは別で、とても可愛いと思っているの」
「あ、ありがとう。
軍師殿。
数年ぶりに会えたけど、あたしの事、おぼえていてくれて嬉しい。
でも、きっとおぼえていないんだよね……」
「私の近くに来てくれて、安心したわ。
鉄格子が、本当に邪魔だけど、エルリーン、抱きしめてもいい?
……それにしても。
エリオット。
あの子だって、まだ結婚していないのに、エルリーンを結婚させるだなんて」
「へっ? そうなの? あれ? どういう事だ? ルイ」
「前に聞いた事があるんだけど、というか強く、母上が語っていたんだ。
母上は、書類上はもう存在しない人間なんだって。
だから、結婚する事が不可能だから、子持ちだけど独身だって言ってた。
あと、オレは、書類上いない母上から生まれてるから、そもそも誰でもない――唯一言うなら、天王寺ルイーナ以外にあり得ないらしい」
「え。
じゃあ、全部あいつの思い込みじゃん!
良かったな、ルイ!
軍師殿も、お前も、あいつとまったく関係がないって言い張れるじゃん。胸を張って、お天道さまの前に出たって、誰も文句言わないって事だな」
「母上が、そう主張していたら、あいつが冷蔵庫の扉に、『生物学上……略……99.99%』って紙切れをマグネットで貼り付ける事件があったんだ。
激怒した母上が、油性ペンを手にした。
『0.01も違うというのは、マイクロが世の中を統べる絶対的な単位だとすると、一万倍も違うという事だ。マイクロなめるなっ。マイクロに謝ってから出直して来い。マイクロは素晴らしい。ああ、愛しのマイクロ。この機会に元号をマイクロにするといいっ』。
――オレには、今でもよく分からない。
というか、母上も怒りの表現なだけで、意味はたいして込められていなかった気がする。
最後の方は、面倒くさくなったのか、マイクロの連発だけだったけど、そんな感じで、紙切れが、油性ペンで制圧されていた。
その後、母上が、『髪の毛一本でも、絶対にあいつに手渡すな!』って言ってた。
とにかくオレは、天王寺ルイーナ以外にあり得ないからと、強く強く強く宣言してくれた」
「あ。そうだ。
覗き込んだら、エルリーンの顔が見えて、急いで走り込んで来ちゃったんだけど、私、朝ごはん持ってきたんだった。
廊下にワゴン置いてきちゃったから、ちょっと待っていてね」
「……食事……エルリーン。
昨日はいろいろあって、言い出す機会なかったし、オレも食欲ゼロだったけど……たぶん」
「はーい、お待たせっ。
オレンジジュースとミルク、焼きベーコン、サラダ。
スクランブルエッグには、私、天王寺アリスちゃんの提案で、チーズが練り込んであるわ。パンも手作りよ。
パンは、たくさん焼いたから、おかわり自由。
カロリー計算って、どう考えても、お役所かお医者さんが考えた塵芥物差し基準だから、子供は、どんどん炭水化物食べなくっちゃ!
きっと、エルリーンの事だから、こーんな広い鳥カゴなら、ランニングできるわとか考えているんでしょ!」
「さすが、軍師殿! そうそう。逃げる為にも、体力作りにランニングしようと思ってた!
うわっ。ありがとう!
おいしそう、いただきます!
うんうん。おいしいっ」
「あの……エルリーン……たぶん、ご飯作ったのは……あの、その……あいつだよ?」
「え。そうなのか。
ふーん。
で?
なんで、ルイは、そんなに心配げに、あたしの方を見ているんだ? 大丈夫だって、さすがにあたしだって、こんな数のパンを一人で食べきれないから」
「エルリーン……いいの?」
「いや。
だって、昔さ。
ここ、目の前にいる軍師殿――天王寺アリスの捕虜になった時の心得指南っていう講座を、マンツーマンで受けたんだ。
『出されたご飯を食べろ』。
以上。
あたしは、ちゃんとそれをおぼえていて、いつかそういう事があったら、必ず実践するって心に決めていた。
今が、その時だって事だ……ん~ん。スクランブルエッグおいしいっ!
チーズ!
チーズいい!
……もぐもぐ。だってさ~。
ご飯拒否って、確実に倒れて、さようならのパターンじゃないか。
そういう戦略ならともかく……。
この指南を受けるまでは、プライドとかちっぽけなもん見せて、『お前たちから出された食事なんて食べるもんか』って言ってやるつもりだったけど、逃げ出す気があるんだったら、命繋ぐのが大事だと思う。
あ、軍師殿。
ミルクって、もう一杯もらえる」
「はいはい。たくさん食べて飲んでね。
あ、でも、エルリーン!
私も、実践してみて分かった事があるんだけど……記憶が曖昧で、しっかりおぼえてないので、伝えきれるか不安だけど言うわね。
今夜は絶対にダメーって日に、自分の好物が出されていたら、警戒して!
誘惑に負けて食べると……『毒』入りでアウト。
気をつけて!」
「こわっ。
軍師殿、注意事項にいれておくよ!
サラダに海藻入ってるのって、手が込んでるな。これ、ドレッシングも手作りだったりして」
「……エルリーンが、食べても問題ないって思うなら良いけど。
オレは……」
「はい。
これ、Lunaが母上って呼びたいって言う、天王寺アリスちゃんが盛りつけたから、しっかり食べてね。
ふふふ。
飼い殺されるって最高だわって思ったあたりからが、人生の再スタート地点なのよ。
きっと。
たぶん。
記憶が曖昧で、よくおぼえていないけど」
「……分かりました。
オレ、しっかり食べます。母上」
「ああっ!
ここにいたのか!
おい……いや、アリス様っ!
急に、この竹内イチロウの前から、姿をくらませないで下さい!
どこに行かれたのかと思ったら……調整中……いえ、定期診察中に、勝手にいなくならないで頂きたい。
すぐに、御戻り下さい」
「タケ。
だって、私、さっきエリオットのところへ行って、『母さん。タケの定期診察、もう終わったのかい?』って聞かれたから、『YES、エリオット』って、悪びれる様子もなく答えたら、『なら、鳥カゴに朝食を届けて』って言われたの」
「いやいやいや!
終わってないだろっ。
悪びれる様子もなくって――毒ッ気100%だろっ。
来いっ。
まだ全然終わってないんだ……いや、こちらへ。
アリス様。大人しく、素直に、今すぐ、竹内イチロウの診察に戻って頂けますね?
まったく。
毎回、消去してやるのに、一向に私への子供じみた行儀の悪さがなくならないのは、なぜだ……」
『それは、また消されたなと思ったら、僕が、母さんにタケの悪行を、あることないこと吹き込んでいるから――』
「閣下っ!」
「やっぱりー。
私の可愛い子供、エリオットが言ったの。
『やれやれ。母さん、また忘れてしまったのかい。でも、僕も根気よく、人為的な認知機能の低下に付き合うのは面倒になってきた――諸悪の根源に、追って沙汰すると言ってきてくれ』。
私が、ウロウロしてたら、どうせタケの方から近づいて来るから。
もちろん、『YES、エリオット』って返答したわ。
ついにタケが、痛棒を食らわされるのねって思ったら、ルンルン気分だったわ」
「……あ……あの……閣下」
「これ、やばいんじゃないか?
あのスーツにネクタイ野郎。
……別に、昨日会ったところだし、軍のやつだし、ルイにも縁がある訳じゃないし。あたしは、どうでもいいんだけど」
「タケとは、赤ん坊の時から一緒にいたけど、オレも、どうでもいい。
まあ、その後を耳にしたら、手ぐらいは合わせてやろうかな。
義理の繋がりは感じるから」
「ふふふん~ん♪」
「……まるで、独裁者のような顔をした、悪役が……この竹内イチロウの前に、三人もいる……」
『竹内イチロウ。
僕の指示のない事は、今後慎め。天王寺アリスの身も、心も、すべては、このエリオット・ジールゲンただ一人のものだ』
「御意のとおりに!
竹内イチロウといたしましては、この恩赦に、必ず報いるつもりでございます!
今後は、すべてを閣下に頂いたものだと思い、事にあたらせて頂きますっ」
「あれ、絶対に毎回言ってると思う。あたしは」
「昔、母上も同じような事を言っていた。
よく意味は理解できなかったけど、タケは、『いつでもクリップボードにあげる準備があって、瞬時にペーストして、出力できる』って」
「ふふふ。ふふふん~ん♪」
「くっ……。
ええい、どちらにしても、アリス様。
御戻り下さい。
――今は、あまりいい状態では無いはずです。
これ以上、この竹内イチロウの手を煩わせないで下さい。
お絵描き帳も、色えんぴつも用意していますから。
ほら。
閣下が、キリンとロバのぬいぐるみを下さったではありませんか。
アリス様、何で遊んで頂いても構わないので、御戻り下さい」
「え~。
ダメよ、タケ。
ごはんも食べ終わったみたいだし――天王寺アリスちゃんは、Lunaの歌声の採取に来たんだから……私の可愛い子供、エリオットの為にっ!」
「えっ……! 軍師殿!」
「エルリーン!」
「エルリーン。
だから、私のそばに来てほしいってお願いしたの……貴女の手を引っ張って、すぐに、拳銃を突きつけられるようにねっ」
『|CRISPR-Cas9《クリスパーキャスナイン》』システムとかで、ゲノム編集できてしまう時代ですが、「99.9999%の確率で生物学上の親子」って法的に成り立つのか――『|CRISPR-Cas9《クリスパーキャスナイン》』は、研究用の試薬で、人には使っちゃダメなやつですが。ノックイン・ノックアウトとかはフィクション妄想すると際限がない。
自分のDNAをハックする「バイオハッカー」とかも話題になっていたり、遺伝子操作でデザイナーベビーとか、本気でフィクションでなくなってきている世の中の移り変わりが気にはなります。
もちろん、『竹内イチロウの薬』は、フィクションです。
ランニングとジョギングの違いですが、ランニングの方がトレーニングに適しています。
ジョギングは、ダイエットとか脂肪の燃焼向けで、ランニングとジョギングでは、心拍数の目安がかわります。




