表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/106

『戯れと願いの書』 ~ それは、彼女と彼

The Sky of Parts[10]

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

この物語は、軍事好きな筆者が作った育児モノ。


Web上での読みやすさ優先で、適当に改行などをいれたりしてあります。


【これは、天王寺アリスが作った、ふざけた物語――しかし、実はノンフィクションになるべきものであると願って書いたものである】


『タイトル:あなたには空に飛び立つための翼がある』


 悪いチチウエーと、悪いタケタケに、母上が捕まってしまった。


 ボクは、勇敢な母上の騎士――ナイトなんだ。


 悪いチチウエーは、ずっとボクをだましていた。

 ボクは、そのことに気づいてしまった。

 だから、母上をたすけようと思った。


 カメラがどうとか言われながら、ボクはとじこめられた。


 でも、ボクは勇敢なんだ。


 悪いタケタケが、戻ってきた。

 オドシテイウコトヲキカセヤスイヨウニ。

 扉から、先にジュウっていうのが入ってきたので、いきなり上から押さえ込んで、悪いタケタケから奪い取った。


 ボクは、英雄なんだ。

 母上が、かつて戦ったという伝説と同じように――自分の頭に、ジュウっていうのをあてた。

 あてたまま、歌い続けた。


 歌った。ボクは歌った。歌った歌った。ずっと歌った。

 歌い続けろと、母上が言っていたから。

 空に最も近いところへ、向かった。母上が言っていたから。


 悪いタケタケが追ってきた。

 ボクは歌った。歌った。それでも、歌った。


 悪いタケタケは、『……えっ? 息をしていない……? 分かりました……すぐに、戻ります。お気をたしかに』とよくわけの分からない事を言って、どこかへ行ってしまった。


 ボクは、何があったかは、考えなかった。歌っていたから。

 でも、母上の伝説と同じように、悪いタケタケがいなくなったから、ジュウっていうのは手放した。


 ボクは、空へ向かった。

 母上がくれた思い出がいっぱいある場所に向かった。


 さらに上に向かった。歌いながら、のぼった。

 空から落ちてきたハシゴ。

 身体が引き上げられたけど、歌った。


 地上につくまで、歌い続けろ。母上が言ったから。


 それは、ボクの名前の由来と同じ『新月』の晩の事。

 何もないのが、さく。

 でも、ボクは月明かりを、さいしょに世界にとどける『新月』。

 母上は、愛してくれていたから、その名をくれた。



* * * * *



『はぁ?

 いや……いつ結婚式って……いやいや。ちょっと待って、エリオット。

 落ち着け!

 無駄に身を乗り出してくるなっ。

 あと……もう大学生なんだから、アリス姉さんって呼ぶのはやめて!

 たしかに、小さい頃に約束したかもしれないけど……。

 うん。そうね。

 飛び級してきた優秀な学生っていうのが、エリオットだって、すごいなとは思ったけど。

 嫌いじゃないわよ。

 嫌いになったりしないって言ったでしょ。それは、今でもおぼえているし、本当よ。

 じゃあ、今すぐ結婚して下さいって……いや、おかしい。

 おかしいっ。

 ……うわぁっ!

 こ、こんなところで抱きつかないで……私も、子供じゃないんだから……というか、やめろっ。離せ! 離せっ! エリオットっ』



* * * * *



「……アリス……お願いだ。

 目を開けて……もう、僕と結婚してとか……しつこく言わないから……。

 戦争もやめていい。

 アリスのなりたかった、アリスとして生きてくれて……いいから……起きて。

 どうして、どうして、あんな事を書いたんだ……あれが、君の戦術だっていうなら……最悪だ……。

 悪い冗談のつもりだったんだろ……そうだって言ってくれ……だから、目を開けて……」



* * * * *



『うん……分かってる。

 ……これが、どういう事なのか……でも、いいよ。

 もしも、そうなっても……エリオットとなら――。

 愛してるとか、よく分からないけど……エリオットの事を嫌いじゃないのは、間違いないって言いきれるから――』



* * * * *



【これは、天王寺アリスが草稿程度か、メモ感覚で書いたものである――しかし、実はノンフィクションになるべきものであると願って書いたものである】


 消えるべきは、冤罪えんざい咎人とがびとではない。

 ……私自身だ。


 罪を負い、本当に罰を受けるべきは、誰か? 答えは出さずとも分かっている――。

 エリオット・ジールゲン。

 彼にとって、最も重い罰が下された。

 ――愛する人を、自らの手でほふるという罪を負った。


 私自身の命を使うことは、別に構わないと考えていたから――。


 エリオット・ジールゲンをまんまとあざむいた、天王寺アリスは、消えゆく最期の意識で、そんな事を考えていた……。


 この世界は、海底ケーブルが収束したチョークポイントはありません。だから、検閲はネット全体じゃないという事で。

 3話で閣下が「検閲に加えておくよ」とか言ったぐらいの規模。現実世界の実態がある程度分かっていると、変にリアリティ出さない方がいいかなとか思ってしまう。

 『処置』を『措置』に変更しておくとかも、ややフィクション。


―【小ネタ】英語で『閣下』―


 封筒の宛名は、

 H.E.(Mr.)Eliot Zealgene

 ※H.E = His / Her Excellencyの省略


 声での呼びかけ、便箋のDear部分は、

 Your Excellency.


 だ、そうです。創作で閣下キャラを作る場合のご参考までに。


 ロードは、あるじって意味で、英語だと『様』と同義です。創作でもお馴染みの『きょう』もロードを前につけます。

 Lord Alice → アリス様


 英語で「はい、陛下」は、「Yes,Your Majesty.」です。

 ただ、映画とかで、王様や皇帝相手でも、奥さんとかが、「Yes,my Lord.」と呼びかけるシーンを見かけます。

 親しい仲だけど、目上という微妙な表現。

 「わかりました、ご主人様」とかって言い方になるのかな。大正時代ぐらいのドラマっぽい。


 皇帝陛下の場合は「Your Imperial Majesty」が正しいと思いますが、創作物の場合は、インペリアルを省略する例も多いです。長くなってしまうから。


 現実世界の軍で、上官を呼ぶ時は、

 『男性上官』 → 「Yes, sir.」

 『女性上官』 → 「Yes, ma'am.」

 ただ、艦長とかやってみえるような女性軍人でも、「イエッサー!」と呼んでほしいという方はいるみたいです。敬礼のやり方とかもですけど、軍隊関係は、歴史的にもいろいろあります。

 フィクションなら「イエス、マイロード!」あたりが無難なのかも。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ