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【おまけ】エリオット閣下の軍事用語講座「少佐という階級」

「軍は、集団でもあるから、示しがつかないなんて事があっては困る。

 それは、ヒエラルキーであり、権力構造であり、主従関係となる。これがあってこそ、指揮が成り立ち、命令が伝達される。その為に階級が必要だと考える。

 僕が統率する側であると考えて、問題はないかという意味だ」


【と、仰るエリオット閣下に質問です。ルイ君を、軍人側として引き込めたら階級ってどうしますか?】


「いろいろうんぬん考えても、まあ、『少佐しょうさ』だろうな。

 士官学校や兵学校を卒業した者は、だいたい少尉しょういスタートなのだが、この軍がエリオット・ジールゲンの私物状態であるという設定なので、早々に特進とくしんさせるという発想だ。

 ちなみに、少尉以上の階級を一般的に、士官しかん将校しょうこうと呼ぶ。

 少佐という設定は、フィクションの世界では、かなり見かけるはず。

 これは、ありがちな設定ではなく、それなりに選択される理由がある。

 現場指揮官にしたりしても、小さいフネの艦長にしたりしても、熟練パイロットにしたりしても、非常にリアリティがあるんだ。

 ミリタリーオタク内でよく言われる話だが、年上で経験も上だけど部下の大尉とか、荒れくれた一般兵士どもや、新人とかとワイワイもできて、将軍や提督ていとくともある程度は顔を合わせられる、それが『少佐』!

 つまりだ。

 ルイーナを軍人にした場合、父親の僕のそばに置くには、最低限が『少佐』だと考える。

 現実世界で大尉から少佐に昇進するには、特別な教育を受ける必要があったり、適正かどうかをしっかり見極められる。

 多くの命を預かる立場になる、佐官さかんクラスになるのだからな。

 だが、二代目で、父親が実質の軍の支配者だと、設定するには割と良いポジションだ。

 少佐の海軍版英語『Lieutenant(リューテネント) Commander(コマンダー)』を翻訳すると、『副指揮官』となる。

 Wikipediaなどに分かりやすい表現が載っている。

 一般企業でいう『副部長』。

 幹部候補や出世コースのスタート地点。

 上層部の下について、現場指揮を担う。

 ――『副部長』や『部長代理』という概念が一般企業にはある。

 だいたい、『副』の方が偉い。

 Lieutenantには、『代理』や『補佐』という意味もある。

 部下のいない、肩書き管理職を用意したとも考えられるじゃないか。

 量産型『担当部長』とかなっ。

 と、いう感じで、その企業の体質やトップの意向によって、曖昧あいまいにできる。

 フィクションだが、いろいろ考えても、親バカの僕がルイーナをそばに置こうとしたら、『少佐』に特進させるだろうという発想だ。

 これ以上の階級に据えると、一般企業において『部長』とかになってしまう。

 それでは、ルイーナ本人に責任がありすぎるし、僕のそばばかりに置いておけなくなる。

 あと、軍内部で異論が出るかもしれない。

 だが『少佐』なら、父親の僕の指示ありきの指揮官などもやらせやすいし、部下であり上司のようなルイーナが、僕のすぐ横に立っていたとしても、将官しょうかんクラスの人間も、それなりに扱いやすい位置ではないかと思う。

 普段は、僕の身辺警護をする末席の佐官さかんという事にしてしまったりもできるからな。

 上とも下とも見える階級として、そして、上から見ても下から見ても、少佐は、丁度いい加減なんだ。

 まあ、僕個人の意見含むだがな」


――閣下、ありがとうございました!


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