アリスとエリオットは協力者? 名目上ねっ!
The Sky of Parts[07]
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この物語は、軍事好きな筆者が作った育児モノ。
Web上での読みやすさ優先で、適当に改行などをいれたりしてあります。
【※かなりコメディ展開の回です】
「アリスが、僕の部下として大人しくしてるのは、何か欺く目的なんだろう。
僕に手を握られて、平然と、それが並みであるという態度をとっている。
逃げ出そうという素振りを、最近は見せていない。
ルイーナと三人で食事をする際も、目上目下問わずに、『それを言ったら不適切だろう!』という発言はするものの、いわゆる普通だ。
不適切と言えば、ルイーナがすっかり母親の手先だ――」
『父上。それって、おかしくない?
素晴らしい振る舞いができる事に、褒美をとらせたい。父の名で、何か催してやろう……って、困るんだよな。勘違いしてもらっちゃ!
ひょっとして、みんなの前でのオレの言動を見て言ってる?
あれは演技だって。どうして、分からないのかなぁ。
オレは、プロデューサーが良いと思った企画しか、やるつもりはないんだ。それがプロ』
「ルイーナ様も無礼で、この竹内イチロウが今から言う事も無礼だと思いますが、閣下の後継者として、将来性を感じました。
私は、それよりも、あちらの発言の方が問題かと――」
『オレ、最近思うんだ。
父上がいなくても生きていけるって』
「Lunaは、本当に偶像だ。
僕に物申すのは、あれも母親の趣味なのか、シャツの上にパーカー、そして半ズボンの口の悪い――エリオット・ジールゲンの御令息。
そういえば。
アリス、あの部屋から出るつもりはないのかね。
部屋というか、独房。
部下になった今でも、僕かタケが出て来いと言わないと、ちゃんと独房内にいる、というか、缶詰で仕事しているのか。
ルイーナの服などは、それなりに良いものを欲しがったりする事がある。自転車とか、ルイーナと遊ぶものをねだってくれる事がある。
アリス本人に褒美をとらせようとすると、忙しい仕事生活にぴったりと、ストレッチズボンがいいとか、Tシャツで良いとか……赤髪が、あまりに無残に絡まっていたので、かなり説得して肩の少し下ぐらいまで切らせたが……欲しがるのは、インスタントコーヒーとか、仕事中に使いやすい小型の健康器具とか。
狭いシャワールームや書類まみれの小さなベッドしかないからと、たまに僕の部屋に、風呂や寝床を使いに来るぐらいなら、広い部屋を与えてくれという一言が欲しいものだ。
名目上はオフィスにしておけば、彼女もそれなりにメンツが保てるだろ」
「閣下。この機会に良いでしょうか?
あの女に――天王寺アリスに、一つ戒告を願えますか?
部屋が狭いという理由で、窓の上からいろいろな物を吊りさげているのですが……窓を開ける時は、健康器具などの電子機器を別の場所に移すようにと――長い時間放置しておくと、対空ノイズで故障します。すでに十台壊しています。
この竹内イチロウが、いくら注意しても、仕事が忙しく、毎度忘れてしまうと言うのです。
値段の問題ではなく、閣下から賜ったものであるという認識を持つようにと。
……閣下?
如何なされましたか? ……表情をかたくされて」
「アリスのコンピュータの保存データと操作履歴、全部見せてもらえるか?
――『sagacity』……そうだな。世界のすべての智見と、そして僕すら気づいていない事は、お前には分からない。
だったら、教えてもらおう、天王寺アリスから――。
タケ」
「はい……」
「今の僕の顔……。
ちゃんとエリオット・ジールゲンになっているかい?」
軍属は、軍隊にいるけど、戦闘に出ない人の事。戦闘に出る人の事を、『軍人』っていいます。
軍事基地の売店のお姉さんは、多くの場合は、軍属。
戦艦内のコックとかも軍属。
戦艦勤務はマジでやばいが、売店勤務とはいえ、基地が攻撃されて撃沈な可能性が高いので、軍属というカテゴリは、遺族年金などの制度の為でもあります。他の意味も勿論ありますが、そういう意味もある。ミリタリーヲタクじゃない人に説明しておく程度のつもりで書いてます。軍隊用語は、特に女性では知ってる方少ないと思うので、年金とか、身近な社会の言葉を使ってみる。
看護婦は、通常は軍属扱い。
つまり、ルイ君は、お父さんの軍隊に所属する形になっています。ただし、指揮をしたり、戦闘に出る立場ではないという状態。『軍人』ではないのだ。
当たり前ですが、軍規違反すれば、軍属も軍法会議の対象です。
軍医は、旧日本軍ベースだと、最高位は中将なので、戦闘には参加しないが、普通に将軍と呼ばれる地位を得る事が可能。軍医総監ですな。
一浪さんは、軍人設定って事。
ちなみに、現代においては、直接戦闘に出る人よりも、技術部門の人員の割合が多いです。軍属って考えがナンセンスになってきていたりします。
技術部門の人たちの働きで、勝利が決まる事も多い状態。




