繋がらぬ生命……
The Sky of Parts[04]
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この物語は、軍事好きな筆者が作った育児モノ。
Web上での読みやすさ優先で、適当に改行などをいれたりしてあります。
「おめでとう、天王寺先輩。
そして、ありがとう。再び、このエリオット・ジールゲンの子の母になってくれた事を――深く感謝するよ。
ふふ。
そんなに泣かなくてもいいじゃないか。
涙を流してないで、いつもみたいに言っていいんだよ?
『この気持ちこそが、厭世という言葉そのもの。捨て鉢な態度を取って、何が悪い!』とかな。
くくっ。
言えなさそうだねっ。
さあ、こっちに来るんだ!
否でも応でも、僕の腕の中で、すすり泣いてもらう!
また男の子かな? それとも今度は女の子? ルイーナには、いつ頃伝えようか? そういう大事な話し合いがあるから、僕のそばにいる事を強いているだけじゃないか。
だから、ね?」
* * * * *
「――ちうえ……父上! タケ! どっちでもいいから……早く来て!
聞こえてるんでしょ! 母上が……突然倒れて!
リビングで、明日の……ボクの八歳の誕生日会の事を話してたら……そのままソファから床に……早く、誰でもいいから早く来てっ!
母上を助けてっ」
* * * * *
「あの、その……。
天王寺アリスさんですが、もう命の危険はないと思います。
ただ。
えっと……。
はい。
閣下の御心の広さに、深く感謝致します……あの、残念ですが……。
はい……閣下の御言葉にして頂く事態になりまして、申し訳ありません。
わたくしの至らなさを、お許し下さい。
あと、大変申し上げにくいのですが、竹内イチロウの……医者としての、見解を口にしても、よろしいでしょうか?
その……。
天王寺アリスさんの命を奪うおつもりがないのでしたら、彼女の母胎に負担をかける事は、避けた方が良いようです。
いちおう、閣下が彼女を生かしておきたい理由は、理解しているつもりです。
以前、お聞かせ頂いた内容は、軍の一員としても、否定する所以はございません。
お仕えする身のわたくしなどが、不躾けな発言をしているとは、もちろん承知の上でございます。
閣下も、専門とはされていませんが、すぐにでも名医になれる程の医療知識を、豊富にお持ちであると存じております。閣下の御力をお借りする形で、直接に彼女を診察していないので、正確でないとか、産む方面は、わたくしの専門外だとか、そういった要素を排除するために、極秘資料として手渡して、専門医師に彼女の診断をさせた結果です。
異常を感じる程の高熱が出るなど、何度か、救命措置に至る事態を経験する事にもなりましたが――ルイーナ様を産み落とせた事自体が、彼女にとっては奇跡の出来事だったようです。
天王寺アリス……さんに、いまさらこんな事を言っても、感謝されないと思いますが、ルイーナ様を妊娠中に、薬を使って、身体をよく休ませたのが、幸いしたのかもしれません。
もちろん、閣下の御子が宿っているのは知っていたので、問題ないものを使用していましたが……はい、そうですね。
過去の話を、今する必要はないですね……」