9月6日
しれっと新連載。短期…になるのかな。あんまり時間はかからないと思います。
無駄に話数は多いですが、1話あたり1000文字とかそんなんです。気軽に読んでいただければ。
勿忘草の種をまいた。
ずいぶんと前にネットで取り寄せて、でもずっと機会が見つからないまま、机の引き出しに袋ごと眠っていたキット。放置しておいたからといって、そのまま芽が出る前の時点で既に枯れている、なんてことがあるわけでもないだろうが、やはり放っておいた罪悪感もあるからなおさら心配だ。
けど、こんな機会でもないと、なかなかね。
誰にも見つけられず、持ち主にさえも忘れ去られて、これから何年もずっと、そのままだったかもしれない。
引っ越した部屋は壁も天井ももの悲しいほど真っ白で、物はまだほとんど置かれていない。これからわたしはここで暮らしていくわけだが、必要最低限の家具や道具以外のものが、果たしてこれから増えるのだろうか。
そんな一抹の不安もありつつ、わたしはまず初めに、植木鉢を置いた。
鮮やかなカーテンが掛かる、窓の横。植木鉢の茶色と、カーテンの萌葱色のコントラストが、なかなか目に眩しいような、自然に優しいような。
何にもなくて寂しかった部屋の雰囲気が、パッと明るくなったような気がして、ほんの少し嬉しくなった。
お母さんに手伝ってもらって、やっておかなきゃいけない作業は全部、この部屋に来る前にやっておいた。
もともとうちのおばあさんが、植物を育てるのが好きな人で、実家の庭には無数の使われていない植木鉢がごろごろ転がっていた。そこから小さく手軽なものを一つ拝借してから、中に栄養満点の花壇の土を八分目くらいまで入れて、小さな種をひとつまみ、ぱらぱらっとごま塩みたいにまく。
その上からさらに土をまぶして、軽く整えれば完了。……たぶんね。
おばあさんは肥料を使わない人だったから、うちに肥料は置いてなかったんだけど、大丈夫かなぁ。もし必要なら、また後日買いに行かなくちゃ。
それから、悩みどころがもう一つ。
どうしても一つはわたしの目の届く、窓の近くに置きたかった。だからわざわざ小さめの植木鉢にしたんだけど、それだけじゃやっぱり種が余っちゃうんだよね。あんまりひとところに多くまいても、密集しちゃったりなんかしたらかわいそうだし……。
どうしようかなと悩んだ末、残りの種をまいたプランターを、ベランダに並べて置くことにした。そうだ、この部屋ベランダがあったんだ。今更気づいた。
最初っからそうしたらよかったよ。
そんなわけで今日から、勿忘草を育てる。
そして、観察がてらの日記も、始める。
多分、毎日は、無理だけど。
お水をやったら疲れちゃった。少し寝よう。
冷たいんだろうなぁ、お布団。