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春海と水中マスク

春はこんなところにも…

詩の雰囲気、ほっこりまったり静かぽかぽかにやり (*´ω`)

赤、青、黄、水色、橙、緑、白、黒、桃色…色も形も種々様々


水流にそよぐ柔らかなソフトコーラルの花畑は今が満開の季節を迎えている


その花畑に群がるのは蝶々でも蜂でも無く、カラフルな小魚たち


ソライロスズメダイが棲む枝サンゴのマンション


いそぎんちゃくを住処とするミスジリュウキュウスズメダイの赤ちゃんたち


他のいそぎんちゃくにはクマノミの家族が見え隠れしている


クマノミのお父さんは敵の気配を敏感に察知すると、どんな大きな相手にも猛アタック


勇敢な彼の後ろには一回り小さいクマノミのお母さんと、彼女よりもっともっと小さいクマノミの赤ちゃんが数匹、


じっと身を寄せ合い、不安そうに此方を見つめていた


『大丈夫、何もしやしないから安心おし』



そんな彼らの日常を私は水中マスク越しに覗き見る



こぽこぽこぽ…


聞こえてくるのは自分の呼吸音と自分が吐き出す僅かな空気(エア)の音だけ


他は波の音すら聞こえない



こぽこぽこぽ…


こぽこぽこぽ…



燦々(さんさん)と上から降り注ぐ温かな日差しに誘われて、水面を仰ぎ見るとそこには


自分が吐いた大小様々な気泡がきらきらと陽光を弾きながら立ち上がっていく様が見えた


気泡は様々に形を変えながら、段々と小さくなって、最後は水に溶けるようにして消えていく



『…きれい…』


思わずうっとりと目を細める


なんて穏やかで贅沢な時間


ずっと此処でこうしていたい



天気の良い日、穏やかな午後の午睡の時間に


満腹になった猫が微睡むように



ああ…


暖かくて、


春とは何て良い季節なのだろう…



日差しを体いっぱいに浴びながら、ゆらゆらと水にたゆたう


その時、わたしは魚になり、ソフトコーラルの一部と化す




だけどその楽しみには一つ大きな落とし穴があって―――







後日、鏡を覗き込んだ私の顔は見事なまでのマスク焼けをしていた





《創作エピソード》


マスク焼けってよくプロスキーヤーの方や登山家の方がなるあの焼け方ですよ。うう、好きな事をする代償って大きい。(でも後悔はしていない!)

そして、その結果は今…ですと?ふふふっ、それ聞いちゃいますか?

好奇心は猫をも殺す、ですよ?(ニヤリッ)


ちなみに今回の主舞台は伊豆南海。

伊豆っていうとマクロ(小さい魚やウミウシ)と春はキビナゴや見られる幼魚の種類の豊富さで有名、で、東京から近い事もあり毎年(というか一年中なんですけど)特に春から秋にかけて、大勢のダイバーさんたちで賑わいます。


あと、からっと晴れた日のダイビング後に(船待ちしている間)水面から臨む富士山も此処ならではというか、何とも言えない景色でした。

心のご馳走ですね。(⌒-⌒)


※作中でソフトコーラルを植物のように称していますが、実際には柔らかいサンゴで動物です。ちなみに水中のプランクトンを捕まえて食べています。


それとソライロスズメダイが群れているマンションは枝サンゴではなくてミドリイシというサンゴの仲間です。

ミドリイシのマンションと言われても想像が微妙かなと思って(笑)勝手に名前を変えさせていただきました。


※午睡=昼寝


お読みいただきましてありがとうございました。

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