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きんろくよんひゃく  作者: 朋樹


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3/3

音楽

幼馴染とは音楽の波長が合い、それなりに仲が良かった。

音楽の才能が自分よりも上だと薄々気がついた時から段々、疎遠になっていった。それに伴って音楽を聞かなくなった。

気が付けば、彼の顔を見たのはテレビ番組での出演が最後だった。


そして、二度と顔を合わせる事は無くなった。彼は自殺した。

遺書は家族に宛てたモノと自分に宛てたモノがあった。


「君が音楽を全く聞かなくなったと聞いた。

周りは凄い凄いと言うだけで、みんな僕と一緒に歩み寄ってくれない。

君までいなくなってしまったら、誰に自分の音楽を聞かせてやればいいかわからない。

死ぬのは怖いけど、生きていく理由が見つけられない。

ねぇ、置いていかないで。」

こんな感じの内容が便箋10枚に書かれていた。

所々、便箋の下に涙の跡がある。


急いで音楽アプリのサブスクに入会した。

彼の曲すべてに懐かしさを感じていた。

理由はすぐにわかった。昔の自分が好きだった音楽の要素が入っていた。

つまり、自分に向けて作曲していた。


最新曲になるにつれて、寂しく悲しい曲調になっている。

その歌詞に込められたメッセージが最後のSOSだとすれば、胸が張り裂けそうになる。

この気持ちをどこに向けたらいい。


そうだ、作曲をしよう。

曲のテーマはただ一つ。

彼への鎮魂歌だ。


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