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異能と世界の終わりとボーイ・ミーツ・ガールと

朝起きて、異能を取得したというシステムメッセージを思いだした。

異能とは、この世界で生き残り何らかの条件を達成したものに配られる超能力だ。

魔法と違う点はMPを消費しないこと、魔法では再現できない能力も存在すること。

強さ弱さ、レア度も様々だ。アリアとの邂逅がショックで確認していなかったが、俺はアリアとの契約時「ケラウノス」という異能を手にしていた。

メニューで確認すると、レア度の欄、通常数字の入る欄に星のマークが入っていた。


「ユニークスキル……?」


世界で同時に一人しか取得できない、限りなくあり得ない条件を満たしたものは強力なユニークスキルを手に入れるという。

ユニークスキルはレア度の欄が星マークだ。

例えば世界で初めてモンスターを倒したどっかのだれかは倒したモンスターを蘇生させ軍団を創れる「ブレイブオアマッド」というユニークスキルを持っているという。


なぜ知っているかというと、メニューの機能の一つに作り方さえ覚えれば自由自在にデザインできるソーシャルネットワークサービスを創る機能があり、インターネット崩壊後、従来の主要なメッセージアプリやSNSを作ったやつが居て、生き残るのに便利なものは驚くべき速度で人から人へ渡っていったからだ。飯の画像を乗せたりするSNSや、暇つぶしの為の動画サイトのような酔狂なものは残念ながら誰も作ってないし、作ったとしても誰も使わないだろう。潰せる暇なんて世界中誰も持っちゃいないのだ。


『ケラウノス 強力な雷を自由自在に操れる。意思の力で更に強大な力が引き出せる』

『条件・「ボーイ・ミーツ・ガール」―少年が世界で初めて美少女と契約する』


高レベルの雷魔法じゃないか何がボーイミーツガールだふざけんな──と思ったが、100レベルの人間が一発撃ったらMP切れで気絶するような雷をノーリスクで連射できるのかもしれないし、自由自在にというところが引っかかった。世界が変わる前に見ていたアニメでは電気を操る能力者は多種多様な攻撃手段を有し、トリッキーな策で逆境を切り抜けていた。人類は電気の力で一度はあそこまでいったのだ。

ユニークスキルがハズレスキルなんて話は聞いたことがないし、期待して機会を待とう。

それはそれとしておしごとおしごと。

俺はステータス画面を閉じて上司にコールする。


「親死んだ」

「マジで?」

「ああ、お父さんアサルトライフルとショットガン買ってたからそうそう死なないと思ってたんだけど」

「やり返すなら手伝うぞ」

「いや、いいよ。もう殺した」

「あの剣?超レアなんだろ?どうだった?」

「こっちが思った十倍の範囲が切れる。あと斬撃が飛ぶ。物も燃やせる。」

「クソ強いじゃん。まあレア度5以上の剣や槍は銃より断然強いわな」

レーヴァテインのレア度は8だ。

「あと、戦闘の配置変え頼みたいんだ。遊撃隊作ってよ。二ついいもん手に入れた」

「なに?いいものって」

「異能と、美少女」

「はあ?」


俺は面倒だが全て説明し、俺個人の俺とアリアだけの部隊を手に入れ通話を切った。

蝋傘耕理は気のいい生徒会長だ。

頭もキレるし判断も迅速で的確だ。

異変の後も「匂宮学園」を旗印に互助組織を作り、モンスターを狩った金で日用品を「ショップ」で購入。生徒たちに配布。

実働部隊には物資の優遇と超法規的な特権(法規なんてものはもうないが)を与えた。

俺はゲーム感覚で実働部隊に志願した。HPゲージが残っていれば腕が吹き飛んでも数分で再生するこの世界でモンスターとの戦闘を楽しまない馬鹿がどこにいる?

馬鹿な俺はそう考えていた。

遊撃部隊を作ったのは率直にやる気が無くなったからだ。俺は親が死んでまあまあ落ち込んでいた。できれば一人でいたい。やるべきことを減らしたい。

タンタン、タタン。

遠くから銃声が聞こえる。レベル20以下のモンスターには銃が有効だ。レア度5以上の武器をもっていないなら。レア度5以上の武器には身体能力向上のバフがついていて、当人がレベル1でもハンドガンの弾くらいならはじけるようになる。

ただまあ相手のアウトレンジから強力な攻撃を叩きこめるという優位性は強いので、この世界から銃声が鳴りやむことは当分ないだろう。俺もアイテムボックスにはベレッタ、AK47、M870が入ってる。父さんが買ったものだ。ただケラウノスを手にいれた以上、もう使うことはないだろう。

「お…ねえ、アリア、ちょっと来て」

「なに?」

「これやるよ」

「銃?沢山ある」

「説明書もついてるから、読めば使えるから。――天叢雲剣だけじゃ、遠距離で不安だろ」

「うーん」

「まあひとつくらい持っときなよ」

アリアはこくりと頷いた。

なんとこの美少女、天叢雲剣を抱えて我が家に落ちてきたのだ。

レア度は見たこともない数値だった。アリア自身のレベルも俺より5以上高かった。

タタン、タン。

叫び声が混じり始める。どうやら苦戦しているらしい。俺は立ち上がる

「アリア、その小さい奴は――」

「もうすべて読んだ」

「――そうか。狩りに行きたいんだが、お前はどうする?」

「行くよ。助けに」

「……」

「顔赤いよ?」

「うるさいな」


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