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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

単和集

記念日にヤラれてたことがわかった僕 

作者: 癒波綿樽

短編です。

モヤッとするかも

スカッとしたものを作りたい


「まぁそうがっかりするなよ」


今日何度目かのため息のあと、僕は隣を歩く友人『加藤 豪』に背中を叩かれる。


どうでもいいが、2発はやめてくれ。


豪は190センチ、90キロという恵まれた身体を活かすことなく、俺と同じ漫研の一員だ。


豪の趣味は筋トレで、主に肉体のぶつかり合うような漫画を好んで読んでいる。


ちなみに僕『武藤 晃』は170センチ60キロ。


ほぼ高2男子の全国平均だ。


僕も筋トレは好きだが、うまく筋肉がついてくれないので、見た目は痩せ型に見られる。


「豪ちゃん、晃ちゃんを叩いちゃダメだよ?」


この子は『美上しおり』。


豪の幼馴染で彼女。


僕らの通う山桜高校の生徒会書記で、学年ナンバーワンの美人さんだ。


ちなみに豪としおり、それに僕を加えた3人は幼稚園からの腐れ縁。


小学校から今までずっと同じクラスというベッタベタなテンプレだ。


しおりは中学の頃から顔も体も大人びており、中学卒業の少し前に変質者達に拉致されそうになった。


そこを(主に)豪と(おまけの)僕が大立ち回りで助け出し、昔から豪の事が好きだった(らしい)しおりが僕に相談。


青天の霹靂だったが逆に面白がった僕は大いに協力。


完全包囲網を敷いて豪を陥落させ、二人は無事に付き合うことに。


一年以上付き合っている二人だが、未だに僕たちは一緒にいることのほうが多い。


まぁ元々奥手の豪と、恋愛脳が小学生並みのしおりだからこの先となると難しいのかもしれないが。


ちなみに僕にも彼女はいる。


中学のときに知り合い、中学卒業を機に告白された自慢の彼女だ。


実は僕も彼女のことがずっと好きで、卒業式の後告白しようと彼女を探していたのだが、彼女を見つけたのは別の同級生に告白されている現場だった。


心臓が痛いくらいに早鐘を打ち、長い沈黙のあとに彼女が出した答えは好きな人がいるから。


告白に失敗した彼は少し寂しそうな、でもスッキリとした表情で教室を出ていった。


そこで彼女と目が合い、盗み聞きしたことを謝罪した。


少しだけ世間話をしたあとの短い沈黙。


告白するつもりで来たくせに、好きな人がいるとわかってヘタれた僕に、彼女からの突然の告白。


もちろん喜んで受けて、僕からも告白し、晴れて僕たちは彼氏と彼女という関係になった。


同じ高校に行くことは知っていたので、彼女を連れて豪としおりに合流して報告。


僕が2年間秘めていた恋心はばれていなかったのか、二人とも絶句する程度には驚いてくれた。


それから僕らは順調に(超清い)交際を続け、交際記念日となる3月のある日のこと。


もちろん僕は彼女『河井 理那』と過ごすつもりでいたのだが、生憎彼女には急遽予定が入ってしまったと言われた。


せっかくの土曜日にポッカリと空いてしまった休日。


4月からは僕たちも高校3年になり、これからは勉強漬けの毎日になる。


幸い僕も豪も勉強は嫌いではないので、県内でも上位に入る進学校にいながら、学年で30番より落ちたことはない。


なお、入学から学年トップを譲らないしおりさんのことは見ないこととしている。


まぁしおりと同じ大学を目指す場合には、かなりの努力が必要だ。


頑張れよ?豪。


口には出さないけど、しおりは彼氏とのハッピーキャンパスライフをご所望みたいだぞ。


僕は理那と同じ大学に行くつもりだから、今のペースを維持できれば問題ないからな。


さて、前日に急遽空いてしまった僕を気遣ってか、二人で朝から家に押しかけてきて、有無を言わさず連れ出されたわけなのだが、


「気持ちはほんとにありがたいんだけどさ、もう少し時間も考えてくれると助かるよ。」


「何言ってんだ。こういうのは思いついたら即実行が鉄則だろ?」


「そうかもしれないけど、いくらなんでも朝の6時に来ることはないんじゃない?」


「だって豪ちゃんが変なこと言うから…。」


「豪が?」


「いや、落ち込んで変な気起こすかもしれないって思ってな?お前昔から変に思い詰めたりするとこあったからな。」


「はぁ…、心配してくれるのは嬉しいんだけどさ。でも僕ももうすぐ18だよ?昔みたいに子供じゃないんだから、彼女と会えなくなっただけで変なことするわけ無いだろ?」


「ほらーーー、晃ちゃんなら大丈夫って言ったじゃない。」


「しおり、何そっち側についてんだ。だいたいお前が変なことばっかり言うから俺もそんな気がしてだな」


(はぁ、ほんとこのバカップルは……。)


「しおり、お前頭いいのにホント変なとこポンコツだよな。もっとしっかりしないと豪に愛想つかされるぞ?」


「え!?!?豪ちゃん!?そうなの!?」


「な!そんなわけないだろ!晃もへんなこというな!しおりがへそ曲げるとめんどくさいのはお前も知ってるだろ!」


「……豪ちゃん?私ってめんどくさいの?」


「いや、めんどくさくない!しおりはめんどくさくないぞ!!」


僕はくつくつと笑う。


少し意地悪しすぎだけど、寝ていたところを起こされた仕返しとしては少しやりすぎたかもしれない。


そして感謝しているのも本当だ。


たしかにあのままだったら、僕は陰鬱とした気持ちで1日を過ごしていただろう。


急な予定で一緒に居れなかったのはたしかに残念だけど、僕たちにはこれからも長い時間があるはずだ。


「まぁまぁ。しおりがめんどくさいのは今に始まったことじゃないし、豪もそこが可愛いと思ってるんだから許してやれよ。」


いよいよしおりによる追求が激しくなりそうだったから助け舟を出しておく。


「豪ちゃん!私のこと可愛いと思っててくれてるの?もーーー、だったらいつもそう言ってよー。」


豪は顔を赤らめてるけど、否定はしない。


うんうん、無事におさまって何よりだよ。


「……それと晃ちゃんはこのあと少しお話があるからね?」


おっと、これは目がマジだ。


俺もどっかでご機嫌をとる必要がありそうだな。


まぁしおりとも長い付き合いだ。


駅前にある喫茶店のいつものパフェあたりで機嫌も治ることだろう。


そんなこんなで街中に繰り出して、本屋や雑貨屋で新年度に必要なものや参考書なんかを見繕い、そろそろお昼だなーなんて話ながら歩いているときにそれは起こった。


「……………晃ちゃん、あれ、なに?」


しおりの指差す方。


たいして都会でもない僕たちの住む街。


その繁華街の少し外れの方にある大人のビル群。


所謂ラブホ街から向かって歩いてくる一組の男女。


それ自体はなんら不思議ではなく、腕を組んで歩くその様は土曜の昼だというのにお盛んだなぁくらいの感想しかない。


そのカップルが知り合いで、尚且つ女性のほうが僕のよく知っている人でなければの話だ。


眼鏡に帽子で変装しているつもりなのか。


それくらいで僕たちが騙されることもなく、向こうも僕たちに気がついたのか慌てて踵を返そうとしている。


「止まれ。」


豪のドスの効いた重低音。


二人はビクッと体を震わせたが、聞こえなかったふりをするつもりなのか速度を上げて歩いていく。


すると突然しおりが駆け出した。


一瞬見えたしおりの横顔は、長い付き合いの僕でも見たことがないほど冷え切った目をしていた。


一歩遅れて豪も駆け出す。


豪もしおりも未だに陸上部から勧誘されるくらい足が速い。


ちらっと見えたが男の方はおそらく隣のクラスのサッカー部のやつだろう。


足が速いのかは知らないけど、遅いことはないと思う。


まぁ豪としおりから逃げ切れるのかは甚だ疑問ではあるが。


ちなみに理那は遅くはないが速くもない。


なので勿論逃げ切れるはずもなく、二人はあっさりと捕まっていた。


まぁ置いて逃げなかっただけ男の方はマトモだったな。


ちなみに豪の重低音が響いたことにより、周りには少しだが野次馬が出ている。


こんなところで落ち着いて話ができるはずもなく、僕たちは場所を移動することにした。


ここから少し歩けば河川敷の公園がある。


僕たちは只々無言で歩いていく。


ちなみに僕の頭の中は真っ白になっている。


ただ流されるかのように提案に頷き、ひたすらに歩を進める。


理那が歩きながらチラチラと僕を見ているような気もするが、正直その視線すら気持ち悪いと感じてしまった。


公園に到着するが、今は土曜の昼下がり。


もちろん家族連れやカップル、年配の夫婦が散歩していたりで公園内は平穏そのもの。


そんなところで話し合いなんてできるはずもなく、僕たちは公園の中でも比較的人の少ないところに向かって歩いていく。


ようやく静かな場所を見つけると、しおりが理那を睨みつける。


「理那、説明してくれる?」


理那も最初は誤解だの何だの言っているようだった。


しかし変装や、何より腕を組んであの一帯から歩いているところを見られているので、全く説得力がなかった。


そして出てくるテンプレのオンパレード。


一年も付き合っているのに何もしてこない僕を非難し、強引に口説かれた奴とそういう関係になってしまった。


僕は優しいが優しいだけで頼りなく、その点彼は男らしく力強く自分を求めてくる。


だけど自分が本当に好きなのは僕だけで、これは一時の過ちだ。


謝るからどうか許してほしい。


なんだろう。


あんなに好きだったのに。


会えなくてあんなに悲しかったのに。


理那が何を言っているのか全く理解ができない。


言葉の意味を理解するのを拒むかのように、僕の心をドス黒いナニカが覆っていく。


ふと横を見る。


最初は怯えていたように小さくなっていた男も、開き直ったのか堂々としだしている。


なんなら若干ドヤ顔まで見せだした。


こいつは一体何なんだ?


豪としおりは怒りが頂点に達したのか、全くの無表情になっている。


多分僕も似たような顔をしていることだろう。


「理那、いったいいつからこんなことしてたの?」


しおりが無機質な感じで聞いている。


「今日がハジメ…」


「嘘ね。」


「いや、ウソじゃ…。」


「ウソよ。アンタウソつくときにしか出ない癖があるもの。今もバッチリ出てたわよ。」


あぁ、あれだな。


理那は嘘がヘタで、ウソをつくときは少しだけ視線を外す癖がある。


まぁこれまでは試験の結果とかのたいしたことではなかったから何も思わなかったけど。


「理那、正直に答えてほしい。

いつからこんなことを?」


僕が聞くと、少し沈黙したあと「……2か月くらい前から…。」と答えた。


なるほどね。


理那はテニス部に所属している。


休みの日に友達と自主練するって言ってたのもそれくらいだったはずだ。


そう…か。


僕が考えていたことが分かったのだろう。


「自主練だったのはホントだよ?ただ、その後にちょっと遊びに行ったりしてて…。」


「いや、別に言い訳しなくてもいいよ。えっと、誰だっけ?隣のクラスにいるやつってのはわかるけど名前知らないや。まぁ彼とお幸せに。」


「待って!違うの!ほんとに好きなのは晃なの!!」


「じゃあなに?すきでもないやつとそういうことをしてたわけ?なにそれ?いみわかんないんだけど?」


「待って!お願いだから話を聞いて!」


「はなし?いまさらなに?いまのいままでそいつとやることやってたんだろ?さいていだよ。それにきょうがなんのひかわかってて、それでもやってたんだろ?」


抑揚なく淡々と言う僕に、理那は二の句が告げなくなっていた。


「それにへいきなかおしておれといっしょにいたなんてな。きづかなかったおれもさいあくのくそだわ。べつにわかれたいならそういってくれればよかったよ。わざわざこんなことまでしやがって。」


理那は下を向いて涙を流しているようだ。


ホントこいつこんなやつだったか?


「おい、黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって。

だいたいテメーがクソみたいなやつだからこんなことになってんだろ?自分のこと棚に上げてよく言うわ。」


何を思ったのか隣の彼がいきなりイキり出した。


いや、君こそ今の状況わかってる?


目の前にいるのは理性のあるクマだよ?


まぁその理性もそろそろ限界を超えそうだけど。


俺は黙って豪を手で制する。


「はっ!結局ダチに頼るのかよ!情けねーヤツ。そんなんだから彼女を他のやつに取られるんだよ。いい加減気づけっての。」


あーーー、ヤバいわ。


俺は豪を止めようとしたのに、彼には俺が豪に頼ってるように見えたらしい。


長年の幼馴染をバカにされたからか、しおりも完全にキレてるな。


しおりと豪の後ろにトラとヒグマが見える気がする。


しかしこいつは命知らずだな。


実は相当強いのか?


とてもそうは見えないけど、人は見た目じゃわからないしな。


「こんだけ言われても言い返せねぇのかよ。ほんとクソみたいなやつ。やっぱリナは俺と付き合ったがいいんじゃねーの?」


理那は顔を上げてブルブルと首を横に振る。


「リナも無理すんなって。俺もこう見えてもやるときはやるんだぜ?まー奪った俺にもすこーしだけ悪いとこがあるかもだからな。まぁ一発くらい殴ってみれば?そんな度胸があるならだけど。」


イキりここに極まれり。


ブチ切れてた二人がギョッと驚く。


ちなみに俺もめっちゃ驚いた。


この二人を見てから死んでいた俺の感情を驚きで復活させるとはやるなこいつ。


俺はチラッと豪を見る。


豪は必死に首を横に振っている。


そして視線を逆に向けると、しおりも必死に首を横に振っている。


さて、どうしたもんか。


この二人にこれだけ止められちゃったらなぁ。


「なんだよ?やんねーのかよ。やっぱ根性なしだなお前。かっこ悪いかっこ悪い。だいたいお前なんかに殴られたってどうってことないっての。俺なんて中学卒業するまでずっと空手やってたんだから、お前に殴られたところで痛くも痒くもないっての。」


……えっと、こう言ってますけど?


もう一度豪を見てみる。


豪は少し考えたあと、やっぱり首を縦には振らなかった。


反対側のしおりを見てみる。


しおりは目を瞑って少し悩んだあと、少しだけ首を縦に振った。


それを見て固まる豪。


まぁ俺も少しびっくりしたけど。


「なんだよ根性なし、やる気になったのかよ。別にテメェみたいなのどうってことねーよ。ほらさっさと打ってこいよ。2発でも3発でもいいぜ。まぁムカついたら俺もやり返すかもしれねーけどよ。」


そう言って彼はイヤらしい顔を向ける。


ちなみに豪は頭を抱えているし、しおりは両腕で✘を作っている。


そうか、二発はダメか。


俺がゆっくり立ち上がると、ニヤニヤしながら彼が正面に立つ。


ホント一体何がそんなに面白いんだろうね。


「おら!どこでもいいぜ!さっさとかかってこいよ!」


うーーん、顔…はダメだろうな。


やっぱここは腹か。


全力……はもっとダメだな。


まぁ6割くらいか。


空手やってたって言ってたし、この訳のわからん自信の根拠は知らないけど、一発くらいなら大丈夫だろ。


……多分。


フーーーーっと息を吐き拳に力を込める。


あぁ、やっぱ俺かなりムカついてたんだな。


全く精神を統一できない。


頭の中は今までの思い出が走馬灯みたいに流れてくる。


そういえば喧嘩なんてしたことなかったな。


言いたいこと、言えなかったこと、色々あったな。


やっぱ俺にも悪いとこあったな。


だけどそれで許せるはずもないしな。


どんなに頭の中が混乱していても、体に染み付いた型は消えない。


流れるような動作で相手の腹に(そこそこ)手加減した一撃を入れる。


彼はヒョフッ!?と息を吐いてその場に沈み込む。


あれ?空手してたんじゃなかったの?


ちなみに俺も豪もしおりも、親達の勧めで空手、柔道、剣道は一通り収めている。


さすがに空手や柔道は俺たちのほうが強いが、剣道は未だに本気のしおりには勝てない。


理那も知ってたはずなんだけどな。


まぁ付き合うときには辞めてたし、そこまで強いとは思ってなかったかもしれないけど。


糸が切れた操り人形みたいに倒れ込んだ彼。


慌てて豪が背中からニールセン法で呼吸を戻させる。


やりすぎたかもしれない。


理那は青い顔してるし、しおりは……何とも言えない顔してるな。


ゴフッと息をしだすと、俺を恐ろしいものを見たかのように怯えて見る。


それよりもこいつ昔どっかで見たことあるんだよなぁ。


「きみもしかして東の方にある空手道場の息子かなんか?」


ビクッと体を震わせ、コクコクと首を振る。


「道理で見たことあるはずだ。多分昔俺とやったことあるぞ。」


俺たちが通ってる空手の道場は町の南側。


彼は東の道場の関係者。


俺が通ってたのは中学卒業前までだけど、何度か交流試合をした記憶がある。


まぁ負けたことはなかったけど。


ちなみに俺と豪がやめたのは、例のしおりの件がきっかけだ。


相手が大人でしおりを複数人で拉致ろうとしたのを、中学生とはいえ武道経験者の俺たちが叩きのめしたのだ。


かなりきついお説教だけで済んだが、俺たちは素人相手に怪我をさせたこともあり、潔く辞めた。


師範たちは引き止めてくれたが、俺たちがそれでは納得できなかった。


多分しおりもやめた理由はわかっていたと思う。


だけどそのことには触れなかったし、聞かれることもなかった。


まぁその当時はかなり短髪だったから、俺と気付かなくても仕方ないか。


「豪、しおり、行こうぜ。河井さんもその人とお幸せに。」


そう言って踵を返すと、さっさと歩いていく。


後ろからは待ってとかなんとか聞こえるが、聞こえないふりをして足早に歩く。


「晃、いいのか?」


「いいもなにもないだろ?俺が振られた。それだけのことだよ。」


でも、となにか言いたそうな豪。


ほんとこいつはお人好しだな。


「晃ちゃん、言葉遣いが戻ってるよ?」


しおりに言われて気がついた。


高校入学を機に、頑張って言葉遣いを治したはずなのに。


この二人には爆笑されたが、俺はできるだけ目立たないようにするために大人しい感じを演出していたんだった。


理那にもそっちの方がいいって言われてたし、俺もようやく違和感なく喋れるようになってきたところだったのに…。


まぁもういいか。


理那…河井さんとも終わったことだし、これ以上取り繕う必要もないだろ。


「まぁもう別にいいだろ。気にせず元に戻すわ。それとこの長い髪ももういいかな?失恋したことだしさっぱり切るか!」


豪からは昭和の女かよ…と突っ込まれ、しおりからはもう少し待ったほうが…と言われたけど気にしない。


さっさと予約してバッサリ切っちまおう。


まぁあの二人になにか言われても、こっちには学校始まって以来の才媛がいるんだ。


言われることはないかもだけど、もう俺も気にしないことにする。


「というわけでしおりさんや、俺の傷が癒えたら誰か紹介してね?」


「晃ちゃん変わりすぎ!でも昔に戻ったみたいでそっちのほうがいいかもね!」


豪は……複雑そうだな。


まぁこの二人には俺の空元気もバレてるんだろうな。


でも俺のせいでしみっぽくもしたくないし、とりあえずしばらくはこんな感じか。


とりあえず部屋の掃除から始めるか。


「豪、しおり。突然部屋の大掃除したくなったから、悪いけど暇なら手伝ってくれ!」


「もーー、晃ちゃんはしょうがないなー。せっかく今から豪ちゃんとデートしようと思ってたのに、晃ちゃんがそこまで言うなら付き合ってあげようかな?」


豪はくつくつと笑いながらついてきてくれる。


もうすぐ短い春休みも終わりだな。


大学ももう少し上を目指すか。


やんなきゃいけないこといっぱいありすぎるな。


落ち込んでる暇あるなら別のことやんなきゃな。


あーだこーだ言いながら付き合ってくれる二人に感謝しつつ、俺は家へと急いだ。



誤字、脱字、表現の問題等ありましたら、ご指摘をお願い致します。



追記 2月9日 日間現実世界[恋愛]1位

正直震えました。

読んでいただきありがとうございます

稚拙な文章で自己中心的、後先も考えず作った話ではありました。

批評も頂いておりますので、それを活かしながら今後とも楽しんでいただける作品を作れるように頑張りたいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 後日談が欲しいのと会話の部分が全部平仮名になってたりするので読み難い所がある
[一言] とりあえず理那の目の前でサッカー部の奴をズタボロになるまで一人でボコボコにすれば双方に多大なトラウマを植え付けられたのに
[気になる点] 女を依怙贔屓してるところ [一言] 男だけに復讐するのは男女差別でしょ
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