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7 集団食中毒

今日もナディアは仕事に精を出すために医療ギルドを訪れていた。しかし、そんなギルドの列はいつにもまして込み合っているようだった。それからしばらくして、ようやく、長い時間をかけてナディアの番となる。


「おはようございます、シータさん。今日もお仕事を探しているんですが何か私にできることはありませんか?」


「おはようございます、ナディア様。そうですね、今日は少し遠出になってしまいますが集団食中毒の治療はいかがですか?」


「集団食中毒ですか?」


「はい、どうやらとある村で村人のほぼ全員が食中毒になってしまったようですでに何人かの治療師の方には現場に行ってもらっているんです。それでも、人手が足りないようで、ナディア様が了承していただければ百人力なのですが。」


食中毒と言っても侮ることはできない。なぜなら、下手をすれば死んでしまう人間もいるかもしれないからだ。すでに何人かの治療師が赴いているというが人手が足りないというのであれば急がなければならない。


元家族のような人間に自分の力を使うのはごめんだが、基本的にナディアは人助けが好きだ。自分の力で誰かを助けられるのであればそれは光栄なことだろう。ナディアはすぐにでもその村へと向かうことをシータに告げる。


「分かりました、シータさん。私もすぐに向かいます、詳しい場所と村人の症状を聞かせてくれますか?」




それから数日たち、ナディアが例の村に到着すると明らかに村には活気がなかった。そのうえ、お昼時であるというのに、外で活動している村人は一人もいないのだ。


ナディアはとりあえず、この村で一番大きな家と思われる場所に向かい、現状を確かめる。


「すみません、どなたかいらっしゃいませんか?医療ギルドからやってきたものですが、どなたかいらっしゃいますか?」


「おぉ、治癒師の方ですかな。お待ちしていましたぞ、ささ、こちらへ付いてきてください。」


ナディアがとりあえず、大きな家の扉を叩くとそこから老人が戸を開ける。彼が恐らくは村長だろう、彼に言われた通り後ろをついていくと集会所のような場所へと通された。


「そちらですじゃ、既にほとんどの村人が食中毒にかかってしまいました。先に到着された医療ギルドの方の話では芋についていた芽を食べてしまったことが原因だと言われました。まさか、芋にそんな毒があったなんて学がない村人のワシらでは知らなかったんですじゃ。


治癒師の方が足りていないのは重々承知しています。じゃが、ワシにとってはみんな家族のようなものですじゃ。どうかお願いします、みんなを助けてくださいじゃ。」


ナディアは老人に何度も、何度も、頭を下げて嘆願される。そんな老人を見てしまえば村人たちを助けないという選択肢はなかった。ナディアは村人たちを全員助けると心に誓うのであった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 今更ですが、村人が『芋の芽に毒があるのを知らなかった』という設定、かなり無理がある。 長年、芋を栽培し食料として来たのに“知らない”はあり得ないから! 例えば『都会からやって来た誰か…
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