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5 もとは家族でも今は他人ですから

「私と敵対したくなかったから?」


「君は自分の力がどれだけ異常か理解しているか?」


確かに、私の力は聖女の力でもある。つまり一般的な治癒魔法に比べれば効果は強大だ。そう考えれば異常と言われてもおかしくない。


「まぁ、他の人に比べれば優れているほうかと。」


「はぁ~、他の人間と比べれば圧倒的に優れているほうなのだが、そのことは今は置いておこう。要するに、ギルドの上層部としては君と敵対するくらいなら金を払っても惜しくないと考えていたんだ。


君の父上はもしも、我々が金を払わないと言ったら君を退会させると言ってきたからな。そうなってしまえば、ギルドは君という優秀な人材を失う上に、君がその気になれば医療ギルドに変わる機関を作られてしまうと考えたのだろう。」


「待ってくださいよ、そもそも、そんな話は聞いていませんし、私はあれにギルドを止めるように言われても退会する気はありませんよ。」


ナディアの知らない間に、自分をだしにして奴らは金をギルドからだまし取っていたのだ。すでに、家族ではなくなった後ではあるが今考えてもいら立ちが抑えきれない。


「分かっているさ、君の人柄はシータ君から聞いている。君がそんなことをしないことくらい理解しているが上層部はそのリスクすら恐れたんだ。


しかし、君が実家から籍を抜けたというのであれば話は簡単だ。すでに君はあの家のものではないのだから金を治める必要もないし、今までのつけを払わしてやることもできる。


一応聞いておくが、もしも我々が君の元、家族などに報復をしたとして、君の対応はどうするつもりだ?」


そんなことを尋ねられてしまえば既に答えは決まっている。あいつらには今までさんざん煮え湯を飲まされてきたのだ。ナディアはニヤリと笑みを浮かべながら自らの考えをギルド長に話す。


「私はあの家と縁を切った仲なんですよ。彼らがどうなろうと知ったことではありません。むしろ、いくらでも制裁をくらわして痛めつけてやってください!ギルド長が今まであいつらにさんざん煮え湯を飲まされてきたように私も苦労してきたんです。


むしろ、何か手伝わせてください!私も手を貸しますよ、あいつらを絶望に叩き落してやりましょう!」


ナディアが何も関与しないという返答を答えるはずだと考えていたギルド長はまさか自分も手伝うと言ってくるとは考えず、驚きに満ちた顔をしていた。


「あぁ、そうか。とりあえず、君にしてもらいたいことと言えば彼らが君に頼ったとしても力を貸さないで欲しいということくらいだ。」


「そんなことでいいんですか?そんなこと、いくらお金を積まれたってあいつらのために働いてやる気はありませんよ!」


「君も、苦労しているんだね。」


何故か、ギルド長がナディアを見る目は温かい目だった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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