25 オールスターズ突撃!
ナディアはシータやギルドの職員と共に自らの家へと案内される。しかしながら、シータが案内した家の前にはとある人物達が待ち合わせをしていたのだ。
「ゴホッ、お前を選んだのが間違いだった!この疫病神が、二度と私の前に現れるな!」
「レイン様、どうしてそのようなことを申されるのですか!ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ。あの女よりも私を守ってあげたいと言ってくれたじゃないですか!私、悲しいですわ!」
「殿下!娘になんてことを言うのですか!ハァ、ハァ、殿下の婚約者なのですよ!」
「はっ、笑わせるな!お前たちのせいで私は城での立場がないのだぞ!こんなことなら、ナディアとの婚約を破棄にするのではなかった。」
そう、ナディアを待ち伏せしていたのはナディアの父、レイン王子、ミナミの三人だったのだ。おそらく、ミナミの呪いが原因であると思われるが今にも倒れてしまいそうなくらい、顔色が悪かった。
そんな彼らがどうしてこんな場所にいるのかと言えば、城でのナディアの活躍をきっかけにして原因不明の症状はミナミの呪いによるものだということが知れ渡ってしまったからである。
そんな噂が広まってしまったために、本人であるミナミや彼女を王宮に招き入れたレイン王子には皆、白い眼を向け誰も近寄ろうとしなくなってしまったのだ。
もちろん、そんな彼らは呪いのせいで体が自由に動かなくても誰からも介抱されることがない。このままでは自分たちの命が危ないと悟った彼らはどこからか、ナディアの新たな家の場所を聞きつけ、彼女に解呪を行ってもらうために待ち伏せを行っていた。
そんな彼らがナディアを見つけて逃がさないわけがない。
「ナ、ナディア!探したよ、僕が悪かった。君と離れて君の大切さがようやく理解できたんだ。ミナミとは別れてきたからもう一度やり直そう!」
「おねぇちゃん!ごめんなさい、私、今までお姉ちゃんが私にしてくれたことを知らなくてあんなにひどい言葉を言ってしまって後悔しているの。お願い、もう一度戻ってきて!一緒に暮らしましょう。お父様もお母さまもおねぇちゃんのことを待っているわ。」
二人はナディアの元へかけてきたがナディアからすれば一番合いたくない相手だった。
「シータさん、何でこの人たちがいるんですか?私の家に案内してくれるんですよね。」
「は、はい。この家がナディア様の家であることは間違いありませんが、どうしてこの方々がいらっしゃるのか。」
レイン王子とミナミは自分たちの本性を隠しながらナディアに近づいたが、シータと二人で話し合っているナディアを見て無視されたと感じ、ナディアの父は突然大声を出し始める。
どうやら彼は猫を被る前に自身のプライドが傷つけられたと感じ、少しも耐えることなく本性を晒してしまったのだ。
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