21 呪いの原因は???
「あぁ~、もう。だから解呪はするって言っているじゃないですか!頭を上げてくださいよ~。」
それから、何度も説得を試みてようやく、ヘイル王子は自分が誤解していたことに気づく。
「えっ、解呪をしてくれるのか?」
「だからそう言っているじゃないですか。私はギルドに来ていたのがレイン王子だと思ったから帰ろうとしただけですよ。別にヘイル王子に恨みなんてありませんよ。むしろ今の行動の方がやる気を損ねましたよ。」
「そうか、すまない。それと、ありがとう。本当にありがとう!」
ヘイル王子はナディアが解呪に協力してくれることになり、先ほどの土下座の格好から立ち上がるが未だにシータは頭を抱えていた。
「あぁ~、ギルドで王族に土下座なんてさせてしまうなんていったいどうすれば。これ絶対ヤバい奴じゃん。というか、何でナディア様が呪いの原因なんか知っているんですか!」
シータには先ほど説明したはずであるがヘイル王子の行動により、記憶が抜けてしまったのだろう。ナディアはヘイル王子に説明する意味も込めて再び先ほどの話をするのであった。
そんな話を聞いてヘイル王子はため息しか出ない。レイン王子が婚約破棄をしなければこんなことにはならなかったからだ。もはやこれは人災と言ってもいい。
「そうだったのか、まさかそんなことになっていたとはな。とにかく、部下の容体が心配なのだ。一刻も早く解呪させたい。どうか私と共に城に来てくれないだろうか。」
「分かりました。すぐに向かいましょう。」
こうして、ナディアからすればもう二度と戻らないと思っていた城に再び向かうのであった。
???
「なんかあの王子、ムカつくよな。せっかくナディアがあのクソ王子から解放されて幸せになると思っていたのにナディアの純粋な心を利用しているみたいだ。
まぁ、今の状況で僕が何かできるわけじゃないから、どうしようもできないけど。それにしても、ナディアもあんな奴の呪いをずっと抑えようとしていたなんて本当に君は変わらないんだな。もっとも、ミナミも変わってないと言えばそうだけど。」
「何が本当に変わらないんだなですか!一個人に肩入れした上に、あんな呪いをかけるなんてルール違反です!世界のバランスが崩れたらどうするつもりなんですか!」
「それくらいちゃんと考えているさ、ナディアとミナミ二人でバランスをとっているから大丈夫だよ。エッヘン!」
「そんな自信満々にしてもあなたが干渉した理由は変わりませんよ。というか、自分の口でエッヘンなんていいません。今日という今日はお説教ですよ。逃がしません!」
「おい!これくらいいいだろ、あの二人にはあれくらいがちょうどいいんだよ!」
しかしながら、そんな彼の言い分に耳を傾けることなく、お説教が行われるのだった。
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