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19 原因なら知っていますが?

ナディアの黒い感情とは裏腹に実際にはギルドに来ている王族とはレイン王子ではないのだが、ナディアの頭の中にはレイン王子とのことしか思い浮かばなかった。そんなナディアが協力などするはずがない。


「シータさんには申し訳ないですが、その王族とやらに会う気はありません。ここに居座っているようでしたら私は帰ります。」


ナディアは回れ右をし、ギルドから出ていこうとする。まさかここまで拒絶されると考えていなかったシータは初めはポカーンとしていたものの、次第に正気を取り戻し、急いでナディアを追いかける。


「ちょ、ちょっと待ってください。おねがいです、待ってくださいよ。」


そんな彼女の焦りように、さすがに急に帰ったのは大人げなかったかとナディアは立ち止まる。


「はぁ~、シータさん。急に帰ったのは悪かったと思っていますが、私は何も協力する気はありませんよ。どうせ呪いを解いて欲しいとかではないのですか?」


「ど、どうしてそれを知っているんですか?でも、それならギルドでも解呪を行われていましたよね?問題ないのではないですか?」


シータはナディアが解呪を行えない為、協力を拒否したのだと考えていたがそうではないのだ。ナディアは彼女を尋ねてきた王族というのをレイン王子と思い込んでいるから拒否しているのだ。


「あの王子にはいい思い出がないですからね。あれに協力するなんて絶対に嫌です。それにどうせ私が解呪したところで呪いの原因が周囲にいるのだから意味がないですよ。」


「へっ?呪いの原因が周囲にいる?ナディア様、何かご存じなのですか?」


シータもナディアがまさか大問題になっている呪いの原因を知っているとは思ってもおらず、びっくりしてつい、聞き返してしまう。


そんなことを聞かれてしまえば、ナディアも今までのミナミに対する苛立ちを発散するように説明をしだす。


「ええ、よく知っていますよ。原因は彼の婚約者ですよ、彼女にはもともと強力な呪いがあったので私が周囲にうつらないように努力してきましたが、あんな奴らの為に頑張るなんて馬鹿らしいと思ったんですよ。


ですので、今頃はレイン王子にも呪いがうつって大変なことになっているんじゃないですか?まぁ、彼の呪いなんて解呪する気はありませんが仮に私が呪いを解いたところで原因であるミナミから再びうつってしまうでしょうからね。解呪したところで意味はなさそうです。」


皮肉たっぷりにシータに説明を行うナディアだが、説明を受けたシータは困惑していた。


「えっ?レイン王子ですか?ナディア様、何か誤解されていませんか?ギルドに来ているのはレイン王子ではなく、ヘイル王子ですが。」


「えっ?」


ようやく、二人の間で何か思い違いがあることを把握する。しかし、そんな二人の話を聞いており、気が気でないものもこのギルドにはいるのだった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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