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12 呪いはギルドすらも浸食ス

ナディアが食中毒のあった村から帰還し、医療ギルドに帰ってくるとなんだか様子がおかしい。明らかにギルドにいる人間が少ないのだ。


幸い、ナディアのよく知るシータは受付にて仕事を行っていたため、依頼の報告のついでにそのことに関して尋ねるのであった。


「シータさん、ただいま帰りました。無事、依頼も成功して村の皆さんは元気になられましたよ。」


「ナディア様!お待ちしておりました!ギルド長がお呼びですのですぐに一緒に来てください!」


「えっ、あの、依頼の報告は?」


「そんなの後でいいです!それよりも、今はとにかくギルド長とお話を!」


普段では絶対に見られないようなシータの焦った表情を見てナディアはただ事でないと感じてしまう。彼女が依頼の報告を後回しにするなどありえないからだ。


それだけ、ことは急を要すると考え、ナディアはシータと共にギルド長の元へと向かうのであった。




「ナディア様!ようやく来てくれたか。すまんが緊急の依頼だ、どうか君の力を貸してほしい。」


ギルド長の部屋に入るや否や、いきなりナディアはギルド長に頭を下げられる。しかし、ナディアは何も説明を受けずにここに連れてこられたのだ。いったい何をお願いされているのかすら分かっていない。


「あの、いったいどうなっているんですか?何も説明を受けていないので分からないのですが?」


「ん?シータ君、彼女に何も説明をしていなかったのか?」


「すみません、ナディア様がいらしてからすぐにこちらに来ていただきましたので何もご説明できていませんでした。」


ここで、ようやくギルド長もナディアに何も説明していないことに気が付いたのだろう。ナディアに対して非常に申し訳なさそうな顔をしている。


「これは申し訳ないことをしたね。まず、私達がここまで焦っている理由から説明しよう。現在、この医療ギルドに属している大半の治癒師が原因不明の病に侵されている。


既に治癒魔法や製薬魔法など、考えられる対策は行ったが全く意味をなさなかった。正直、非常にマズい状況だ。病にかかっているものからさらに病が広がったというような報告は受けていないが感染しているものの症状が一向に良くならない。


現在、私が知る中で最も優秀な治癒師はナディア様だと確信している。だから、どうかこの依頼を受けて欲しい、どうか皆を助けて欲しい。」


ギルド長は深々と頭を下げるのであった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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