閑話 静寂の嵐へ
僕は意識が閉ざされたこの状態で少し懐かしい感覚を覚えた。
これは走馬灯というやつかもしれない。
正直申し訳ない事だけどね、僕はもう生きていた頃の自分の名前すらもう思い出せない。自分の両親の名前や顔ですらもだ。
ただそれでもわかるのは僕自身が現代を生きる人間だった訳だから転生者とか転移者とかよくあるやつだったのかもしれない。
けれども特別な力なんてなくて、白い空間で神様から力を授かったりした訳でもない。
本当にただ純粋に気の弱い小心者、それが僕だったと思う。
それが気付いた時には世界の法則として存在の定理をとある巫女から見せられた事からなんとなく事象の流れが読める様になり、悪意や戦いに巻き込まれていく様になった。
この世界に来てからあったのはまず自分のいた国と周辺にあった三国が戦争をしていたんだっけな。
歴史的に言うなら"静寂の嵐"と称されたがあれはそこそこ大きな戦争であったことは今も覚えている。
あの戦争は国が2つ消え、僕の家族が増える事になりそして・・・。
うん、この話は少し掘り下げてもいいかもしれないね。
後の歴史が勝者の手で改ざんされても残りはするだろうから。