プロローグ
作者は多忙につき更新が遅いと思いますが気長に見守っていただければ幸いです。
--成し遂げた--
この世界では守護者ことガーディアンと魂を喰らう化け物ソウルイーターが長きに戦い続けていた。
ソウルイーター。彼らは本来人々の弱い心から生まれて宿主を食い殺し、周囲の者たちまで喰らっていく。
俗説ではそう言われていたが事実は違う。
僕の知る事実はこうだ、エクリプス因子に浸食される事で負の感情や心の闇を増幅させ…それが結果としてこの魂の在り方を歪ませる事で人を化け物にさせてしまう。
だからこそたった一つ、この脅威を摘み取る為の方法を考えた。
それは"この世界の理に干渉してエクリプス因子を浄化し消滅させる"という事象を上書きする事。
出来るはずがない、と空想上の理論であると誰しもが口をそろえて言ってしまう様な馬鹿な話だ。
だがそれを成し遂げる為の条件なら整えてしまった。
何故なら世界の理である存在の定理に干渉するには神格という素質を持ち、理に対して自分が見出した答えを書き込む事でその答えやそれぞれの素質に応じた力を得る事が出来てしまうという裏技を自分自身はよく知っており、これまでに何度かその応用としていくつかの術学や技能体系をコッソリと仕組むという悪戯をしたことがある。
それ故に僕であれば…事象の上書という現象を起こせるという事はわかっていた。
もちろん、今の僕の身体は世界中で戦争を平定しながら集めたエクリプス因子によって自我も危うい程に侵食されている。
本当は背中を預けられた友と言うのかね、僕が保護者という扱いだから娘と言うべきかもしれないあの狼に自分の始末を頼めたらよかったんだろうけど優しすぎる彼女の手を血で汚したくはないし自分の罪を背負わせる気にもなれないから一人で抱え込む事にした。
「あぁ自分がもし奇跡的に復活できたなら自分の友や仲間たちにはちゃんと謝ろう」
そう思いつつも最後に二段階に分けた術式の両方を起動すると、一段階目の術式で現れた剣が自分の胸を貫きとある大樹に打ち込まれる。
ほんの少し後に発動したもう一つの術式は世界に祝福の光をまき散らしてその日からソウルイーターによる被害は消え去った。