退院
「退院おめでとう。」
医者は言った、手元には一枚のカルテがある、病名、症状には難しい言葉が羅列している、名前にはラウス·クロークと書かれていた。
「7年間の闘病生活お疲れさま。」
医者は微笑みラウスを見送った。
ラウス·クロークは今年で13歳になるアルビノの体は華奢のままだった。
ラウスは診察室を出てそのまま出口へむかった。
車イスを進める手には力が入る、できるだけ早く、できるだけ早く、ただ7年間の入院生活がラウスの足を引っ張る。息は上がっていき呼吸が苦しくなる車イスはだんだんと遅くなってついには息が続かず止まってしまう。
「ラウス君?」
声を掛けられた。ラウスはとっさに顔をふせた足音がこちらを向いて歩いてくる、女性の看護師がラウスの前でかがみ顔をのぞいた。
「大丈夫、そんなに急いだら体に悪いよ」
息苦しく声が続かないラウスは無理やり言葉を吐く。
「、、、だ、大丈夫です、ありがとうございます」
大丈夫と言い続けラウスは出口へと向かった。
出口には一台の車が停車しているそのとなりには人一倍の大男とその横に人一回り小さな女性が立っている、大男がこちらを見ると大きな声を上げこちらに手を振っている。
「おぉぉい!おぉぉい!」
ドタドタとこちらに走ってくる。
「おぉぉぉぉぉ、息子よぉぉぉ!」
猛ダッシュだ、そのまま勢いでラウスを大男は抱きしめた。身長で筋肉質、半袖短パンをピッシリ着た大男はラウスの父で名前をラーサル·クロークと言った。
「く、苦しいよ、、」
ラウスは笑顔で父とハグをした。
「退院おめでとう」
後ろで小さな女性がラウスの頭を撫でた、この小さな女性はラウスの母だ名前をサリー·クロークと言う、穏やかな印象のするおっとりとした目が特徴的だ。
「ただいま」
涙を抑えながらラウスは笑った