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ぱっぱっぱら!ぱっぱぱらぱ!
先生の招集に合わせて全員が召喚石に戻すなどして最初のように集まってきた。俺もサッと収納に出したものをぶち込んでピーチの近くに並んだ。
「それではこれからは1対1の対戦形式の実習をします。誰とでもよいので二人組のペアを作って私に報告してね、その二人が今回の対戦相手とします」
先生はボインを揺らしながら手を叩くと仲の良いもの同士で組んでいっているのか周りがどんどんペアを作っていく。
「お前は誰かと組まないのか」
「……大丈夫よ誰かが私に声をかけてくるわ」
……ぼっちか。いやうすうす気づいてはいたけどやっぱぼっちかそりゃあんな呪いの言葉『二人組を作れ』はつらいわ。
「あんた何か失礼なこと考えなかったでしょうね」
「いえいえ全く」
こういう時鋭いのっていいよな、俺もそういう能力ほしい。
「おや、ピーチさんあなたまだ誰ともペアを組めていませんの」
周りがペアになっていくのをやや後方で見守っているとピーチに今朝話しかけていたドリルが再び話しかけてきた。
「そうよ、何か問題あるかしら」
「あらあらしょうがないですわね。それなら私があなたと組んであげますわ!」
「結構よ」
「えっ……」
まさか断られるとは思っていなかったのか誘った時の態勢のまま固まってしまう。
「いやでもあなたは他に組む人もいないんでしょうし私と組んだ方が」
「いいわよ、誰か適当に探すから」
「ちょ、ちょっと待ってくださいってば!」
ドリルとは反対向きに体の向きを変えそっぽを向いてしまった。ピーチに必死に話しかけるドリル、もっと素直に一緒に組もうって言えばいいのに。
「えー、後組んでないのは……ピーチさんとリーシャさんですねそこは残った二人で組んでください」
「わかりました!」
「はぁ……」
もたもたしてるからあまりもので組まされてしまったようだ。うれしそうに笑顔を浮かべているドリルとは対照的にため息をついているピーチが見える。
「それでは全員がペアを組めたことですしこれから実習に移ります、順番も特に決めていないので誰かやりたい人はいますか?」
「わたくしたちがやりますわ!」
「はっ?ちょっと何勝手に」
「リーシャさんとピーチさんのペアね、他に立候補もいないようなので最初はこの二人にやってもらいます。では二人はここで、他の皆さんはさがってね」
みんな指示に従い行動を始めてかなりの距離を離れていく、これから戦闘が行われるとなるとやはり危険があるためだろう。
「実習でのルールは召喚主への攻撃は禁止です、場合によっては退学処分になる可能性もあるので注意するように」
「わかってますわ!」
「……私もです」
「では二人とも準備ができ次第私が合図をします、それに合わせて開始です」
「はぁ……まぁやるからには勝つわよ!あんた並大抵の相手には負けないんでしょう?」
「あぁ、もちろんだ」
「そう、それじゃあ勝ってきなさい!私のためにも!」
「それなんだが……」
「何よ」
意気揚々と指示したところで俺が声を上げたことで訝しんだ目を向けられる。
「これのやる気が起きない」
「はぁ!?」
うん、やる気が出ない。なんか報酬がないと俺って基本やる気でないんよね、性分かな?
「ちょっと!私はあんたのご主人様よ!」
「で質問なんだけどお前って『最強剣士が幼馴染と敵対したら』の9巻持ってる?」
「え?それなら私の本棚に全巻あると思うけど……」
「マジで!じゃあそれでいいわ、俺が勝ったらそれ読ませてくれよ」
「わ、わかったわ」
「よっしゃさっさと勝って本読むぞ!」
「え、えぇ」
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