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やべぇ肩痛い……
「起きなさい!」
そんな言葉と共に俺は目が覚めた、ちなみに今の気分は最悪だ。割と耳元で叫ぶとかまたうげぇってなるぞマジで。
朝食を食べ終わると着替えるとか言って部屋に戻ってしまう。覗くなと言われたがいくら俺でも覗きなんてしないわ。あっ、ちなみに朝食も最高でした。
俺も着替えるとするか、俺は適当なものを選び取ろうと能力を発動する。これは俺のいくつかある能力の一つで空間に穴を生み出し事前に預けておいたものを取り出すことができるもので、出したいものは考えながら手を突っ込めば取りだせるため手間もかからない。一応神界にいるころに物は適当に詰め込みまくったりしてたので中身がなくなることは多分ない。
これを俺はシンプルに収納と呼んでいる。
目の前にできた穴に手を突っ込み何か適当な服を想像し何かをつかんだ感覚をつかんだと同時に手を取り出す。手に取れたのはよくわからない燕尾服だった、こんなものいれたっけ?と思いながらも今更入れなおすのも面倒なのでそのままこれを着ることにした。psめったに着ないから手間取った。
ガチャリと音を鳴らして部屋を出ると既に着替え終わったであろう人物がいた。
「遅かったじゃない……って何その服、私の従者にでもなったのかしら」
「適当に取り出したらこれだったんだそれ以外に他意は無い」
「ふーんそれじゃ行くわよ」
そういうと身をひるがえして扉から出て行った、仕方なしにそれを追うことにした。
ちなみに今のこいつの服装は上は白を基調としたブレザー、下はやや短めのスカートこちらも白で両方とも金色の装飾が施されている。
俺が召喚されたとき今住んでいる場所に行くときに使った道を歩いてゆく。俺はこいつの一歩後ろを歩いているのでやはり傍から見たら服装も相まってお嬢様とその従者に見えるのだろうか。
「ついたわ」
途中一切会話がなかったが考え事をしていたら次期にに目的地についた。改めてみるとかなりの大きさで圧巻されてしまう、すたすたと入っていくのにつられ俺も進んでいった。
△▽△▽
階段を上り教室に入ると談笑をしているクラスメイト(おそらく)の間をさっさと通り抜けて誰も座っていない窓際の後ろの席に座り込んでしまった。それと同時に両手で枕を作ってうずくまるように顔を伏せてしまった。
するともちろん俺は手持ち無沙汰になってしまう、クラスメイト達の視線もこっちに注がれているしで落ち着かない。まぁとりあえず適当に微笑んで横の椅子に座っておいた。
ちなみにこの教室は横長の机に二つずつ椅子が並んでいるのが続いているような作りになっている。
「なぁ」
「……なによ」
俺が話しかけると一瞬の間を開けて顔を横に傾けるようにしてこちらを向いてきた。
「今更だが俺はお前のことを何て呼べばいいんだ?」
「はぁ?普通に名前でいいわよ」
「うん……なんだっけか名前」
「ピーチよピーチ!ご主人様の名前くらいしっかり覚えておきなさい」
「あー、覚えた覚えた。んじゃピーチな」
「そういえば今更だけど私もあんたの名前聞いてなかったわね」
たしカニ。……カニ食いてぇ。
「俺の名前はあー……アレスだアレス」
「アレスね、わかったわ」
ピーチはそれと同時にまた下を向いてしまった。
俺は偽名を名乗った理由はぶっちゃけ特にないが、神界の奴らがこの世界にいたらもしかしたら鉢合わせるかもしれないしそうなったら面倒だからな。偽名を名乗っときゃ何とかなるやろ。
今日は何をするかしないがまぁしばらく待ってれば何か始まるだろう。つか俺も眠いし寝るか、どうせこいつが起こすだろうし。
おやす~。脳内でそう言うと同じように伏せるような形になり眠りにつこうとリラックスを始める。
「ごきげんようピーチさん」
その直後に俺の耳に届いてきたのは俺の召喚主を呼ぶ声だった。
ぐっ!ああぁっ!俺の右腕がああぁっ!




