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怠惰な召喚  作者: 魔神夜
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ぐれーんのはなよー

司会さんの言葉を受けて相手の方を見ていると厨二の奴に動きがあった。


「フッ、来い!この我ダブルスの従順なるしもべ!オルトロス!」


厨二の持つ召喚石から光があふれて形となって現れたのは真っ黒な体に灰色のたてがみ、それに特徴的なのは一つの身体に二つの頭がついてることだろうか。体格的にはフェンリルより一回り大きい位だ。


「「ガアアァァッ!」」


二つある顔の両方から咆哮を食らわされる。純粋に通常の二倍なのでかなりうるさい。ただその時に開けた口から見えた牙はかなり鋭利なものだった。てかほぼほぼフェンリルと一緒な気がしてきた。


「では始めようではないか!我らの聖戦を!」


「何を言ってるのかはわからないがとりあえずやりあおうっていうのはわかった」


今回は何使おうか……まぁとりあえずこのオルトロスの動きを見てからだな。


「最初から全力だ!暗黒の炎!」


「うおっとと」


厨二の奴が命令したと思ったらオルトロスの二つの口からその名の通りの真っ黒な炎のブレスが飛んで来た。飛んでかわすことができたが炎が触れたリングは焦げてしまっている。


「やるではないか!だがまだ終わらんぞ!オルトロス!」


「「ガアアァァッ!」」


咆哮をあげると今度はさっきのようにブレスとして吐くのではなくオルトロスの口とほぼ同サイズの炎を大量に飛ばしてきた。さっきと比べて避けにくくはなっているがそれだけで別に躱せない程じゃない。


「何をしているオルトロスッ!AIMを合わせろ!」


「ちょっと!逃げてばっかじゃなくてあんたも真面目にやりなさい!」


オルトロスだけでなく俺にも後ろから叱責が飛んでくる。避けてるだけで文句言われるとかブラックすぎるやろ。


「まぁいいや、とりあえずそろそろ決着つけるかね」


飛んでくる炎を避けながら俺は収納に手を突っ込んだ。今回はどれにしようかねーぶっちゃけどれでもいいんだけど……じゃあこれで!


収納から取り出した俺の手に握られているのは先端が三つに割れた水色の槍だった。これもどこかの世界に行った時だかに川にいたモンスターが持っていたのをパクったトライデンッって名前の武器だ………った気がする。


まぁ結局名称なんてどうでもいいんだよ!


「いくぞごらぁ!」


「避けろっ!」


全力投球!結構な速度でオルトロスのもとに飛んで行ったトライデンッだったが厨二の指示に反応したのか紙一重でかわされてしまった。よって手元に武器がない!キャッ私ピンチ!(裏声)……自分でやってて悲しくなってきた。


「バカめ、せっかくの武器を手放してしまうとはな!」


いやさっきまでも素手だったんですがそれは。


「やれオルトロス!」


「「ガアアァァッ!」」


炎を吐くのをやめて普通に鋭い牙でかみつきに来る。かわされ続けてやになったのか?


「何やってるの!避けなさいよ!」


近づいてくるオルトロスを前に一切動かない俺を見てピーチが叫ぶ。


「まあ心配すんなって」


俺にはこの勝負に負けないという確証があった。それはこの後にすぐわかるだろう。


「「ガアアァァッ!」」


目の前に二つの顔が迫る。誰もがもう駄目だと思ったであろうそのタイミングで――――


「「ギャッ!」」


「オルトロス!」


オルトロスの身体が顔を境として二つに裂かれた、同時にオルトロスと厨二の悲鳴も上がる。そして俺はこいつを真っ二つにした原因を手につかんだ。


俺の手に握られていたもの、それはさっき俺が投げ飛ばしたトライデンッだったのだ。種明かしするとこの武器にはエンチャントっていう技術で投げても俺のもとに帰ってくるという能力が付与されているのだ。しかも俺との間に何か障害があるとそれを容赦なく破壊するという効果付きで。


「ガルルゥ」

「ガルルゥ」


「ん?」


倒したと思ったオルトロスを見るとまだ光の粒子にならずに倒れていた。ただその体は二つに割れそれぞれ小柄になり一つの頭を持つ獣になってしまっていた。


「奥の手ってやつだったのか?……まぁいいか」


満身創痍状態だった二体に向けトライデンッを突き刺す。すると光の粒子となって厨二のもとへ吸い込まれていった。


「ダブルス選手の召喚獣の戦闘不能を確認!よってこの勝負ピーチ選手の勝利です!」


司会さんのそんな言葉と共に俺たちの二回戦も終了した。

アニメはいっさい見てないけどね♪

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