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長時間の電車はマジストレス
収納から取り出したのはどこの世界で手に入れたのかは忘れたが銀色のバットというもの。確か名前がコウシエンノバットとかいう名前だったはずだ。これで打ったものははるか遠くまで飛ぶとかいう話だったような気がする。
「よっと」
飛んで来た角をバク転して避ける、その着地に合わせてバットを構える。さあ来るならコイやゴラァ!
まぁ口には出さずにそんなこと言ったからかはわからないが俺が止まったということもあり丁度い位置に角が飛んで来た。
「いくぜぇぇっ!」
フルスイングでかましてやる!
カアァァァン!と音が鳴って角とバットがぶつかる。一瞬火花を散らしたと思ったら運動エネルギーが丁度正反対に変わり回転を残したままユニコーンに一直線に向かっていく。
「ヒヒンッ!」
「……あー、外したか」
角は真っ直ぐ飛んでいったが若干起動がずれてユニコーンの腹を少し抉る程度にとどまってしまった。ただこれには流石にいままで無言を突き通してきたユニコーンも悲鳴を上げた。馬やなまんま。
「ユニコーンッ!落ち着いて回復だ!」
ナルシの命令を受けるとユニコーンの額の角がうっすらとひかり始めた。そのひかりが身体中に回ったと思うと腹の傷はなくなっていた。
あの角ただ噴射するだけかと思ってたけどあんな回復もできるとかずり~わ~。それじゃ一発で仕止めたり回復させる暇を与えないようにすればいいのか。
それじゃ早速。
「ちょっ、なにやってるのよ」
ピーチが俺のやってる事が理解できないのかそう聞いてきた。
「いや確かこれと対になるコウシエンノボールってのが……これだ!」
手のひらに収まるくらいの大きさでかなりの硬度と赤い線をもつ球体を取り出し。バットを持ってない左手でつかむ。
「かますぜホームラン!」
ホームランが何かは忘れたが確かこのボールを吹っ飛ばすことだった気がする。
左手で真上にボールを投げて落ちてくるのに合わせて両手で構えたバットを思い切り振りきった。芯を捕らえるように打ったボールは回復直後で硬直していたユニコーンにまっすぐ飛んで行った。
「なにっ!」
「おー、こりゃすげぇわ」
なにが起きたか説明するとユニコーンに向かって行ったボールはそのまま直撃してそのままボールに引き裂かれるようにして断末魔をあげる間もなく光になって消えていった。
いやこれがもし召喚獣じゃなくて本物だったと考えると恐ろしいな。
「ショ、ショセン選手の召喚獣の戦闘不能を確認!よってこの勝負ピーチ選手の勝利です!」
戸惑っていた様子だったの司会さんの言葉を受けてこの勝負は俺たちの勝利という形で決着した。一拍遅れて歓声が響き渡った。
なんかナルシがうなだれてる。ウケる。
「よくやったじゃない!上出来よ!」
おぉ、普通にほめるとはこいつにしては珍しい。
「そりゃあの程度の奴は負けないって言ってただろ」
「でも不安もあったのよ」
「まっ、これで小遣いアップというわけだな」
「あぁそういえばそんな約束してたわね。まぁ結果はあんたが無傷で勝利したんだもの、このまま優勝まで行きなさい!」
「おう」
この調子で話を続けながら俺たちは控え室へ戻った。
もうそろ主人公の性格忘れたんで破綻すると思います




