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2話目~
朝だ。いや、もしかしたら昼かもしれない正直起きる時間に関してはルーズだからわからない。にしてもどうしたものかアティスに借りに行くかレイズが暇になるであろう一か月後まで待つか……うーんまぁ早く読みたいし行くか……。
漫画やらゲームが落ちてない場所を探して立ち上がると同時に足元が光る。
「またか……」
どうやら昨日も一度見た召喚魔法陣が再び現れたようだ。今はこの生活に満足してるんだからわざわざ用は無いんだよな。
「転移」
再びその魔法陣を壊すとそのままアティスの家の前に転移した。
△▽△▽
ふむ、あいつの家の前まで来たもののどうすればいいんだろうか、しばらく会ってなかった友人と久しぶりに会うのはなかなかに勇気がいるだろう。しかも理由は本が貸してほしいという理由でという。
あいつは昔から規則正しい生活をしてたし俺が起きている時間にはもう起きているだろうから特に迷惑にはならないだろうから適当にノックでもするか。
中指の第二関節でドアをノックする。軽い音が鳴ると同時にこちらに来る足音が聞こえてくる。
「誰ですか?」
「よっ」
半分ドアを開けた状態でアティスがこちらを見ると同時にもともとツリ目だったのが不機嫌そうにゆがんだ。
「何の用よ」
「悲しいなぁ、久しぶりの幼馴染だろ?」
「あんたみたいのが幼馴染なんて私はとても不幸ね」
「そうだな、それはドンマイ」
「まぁここで話してて変な噂でも流されたらいやだし、とりあえず中に入りなさいよ」
「りょ~かい」
ドアを完全に開けられてアティスの全体像がはっきりと見えるようになる。真っ白な髪を腰ほどまで伸ばし、少々小柄な少女の背丈でツリ目でキツイ印象を人によっては与えるかもしれないが、白い衣服と交わって神秘的な雰囲気が漂っている……気がする。
実際こいつは仕事を真面目にこなしているからな。俺みたいにサボってばかりの奴が気に食わないんだろうな。
中は俺の部屋とは大違いできれいに整えられており、自身の身体と同じく真っ白に統一しており清潔感がうかがえる。俺も整理しようとは思っているんだが明日やろう明日やろうと思って漫画を読んでいると日が沈んでいるという不思議現象。
「適当なとこにでも座って」
「りょ」
アティスが机の前に座り込んだのでそれに向かい合う位置に俺も座り込んだ。
「それで何の用かしら、まじめに仕事を行う気になった?戦闘神さん?私はこれでも慈愛神としての役割があるから手短にしてちょうだい」
「あぁ大丈夫だ時間は取らせない、お前がレイズの奴から漫画を借りてたって聞いてな俺も今それを読んでるんだが続きが気になったから直接借りに来たわけだ」
手短に話せというアティスが言うので要件をそのままいう。俺もあまり長居はしたくないので利害が一致した結果だ。お互いに利益のある?話だと思ったけど何故かこいつはより一層不機嫌そうな顔を深くした。
「はぁ……やっぱり仕事をする気はないっていうのね」
「あたりまえだろ」
溜息を吐いてあきれ交じりに言われても今の俺にはやる気が一切ないから無理だ。
ちなみに仕事とはそれぞれにあった事をやれば良いのでクリェトだったらここで道具なんかを作ったりして、武神とかは召喚魔法で異世界に行き頼まれたことをしたりするものだ。
「……わかったわ、私がレイズに借りたのは一冊だけだからあれでしょうしね」
「おうっ助かる」
「そこでおとなしくしてなさいよ」
吐き捨てるようにそう言い捨てると奥の部屋にもぐって行ってしまった。しばらく待てばちゃんと持ってきてくれるのだろう、あれでもかなり他の神からの信頼は厚いからな。
だがそこでおとなしくしている俺ではない!とりあえずなんか漁るか!
タンス――は怖いのでやめておいて、まぁ押し入れでいいか。なんかあるかなーっと。
う~んよくわからないものが多いな、何に使うのかもわからん。俺自身がほとんど遊び関連のもの以外に執着がないっていうのもあるんだろうな。……っとこれは?
しばらく適当に物色していると一枚の写真が出てきた。写真立てに入れられてるのは幼いころの俺とアティス、レイズの三人が三人並んでいる写真だ。全員が今では見られないであろう笑顔を浮かべている。懐かしいもんだ。
「何やってるのよ」
思い出に耽っていると後ろからやや怒気を含んだ声が聞こえる。後ろを振り返ると何というかとてもとても不機嫌ですと言わんばかりの顔を浮かべたアティスと目があう。
「あっ」
突然のことに驚いて一歩後ろに下がってしまい、ちょうどそこにあった棚にぶつかり、上に置いてあった写真立てが地面に音を立てて落ちてしまう。
パキャ
さらに運の悪いことにぶつかった事によって更によろめいてしまい足をもう一歩踏み出してしまい丁度落ちた写真立てを踏みつけてしまった。みょうな音がなって辺りにガラスや木片が散らばった。
これはやってしまったかもしれない。
「わ、わりぃ」
流石にいくら俺でも相手のものを壊したら謝るくらいの常識は持ち合わせている、沈黙も苦しいと考え普段より声は細くなったもののしっかりと謝罪をした。
仮にも慈愛神のあいつならこれで許してくれ――
――てないわあれは
謝罪で軽く下げた頭を上げアティスを見ると、これ以上ないであろう程に怒り狂った顔をしている。この顔を見るのは今まででも数えることができるくらいで確か一回目は――
「――ってうおっ!」
考え事をしていると俺のいた場所に青白い光の剣が突き刺さっていた。頭を下げることで避けることはできたがあれが当たっていたらと思うとぞっとする。でもまぁ死にはしないがな。ちなみに外した剣は家に一切傷をつけずに空中で霧散した。
「~~~!!!」
うんやばいわ、顔を怒りで歪ませ髪もその怒りからか逆立った状態になっている。こうなったこいつはなかなか止まらないからな、言葉も通じないし。確かに壊したのは割ると思うが何もこの状態になることはないだろう。前はもっとやらかしたっていうのに。
そう思っているとさらに複数の刃が飛んでくる。軽くアクロバットしながら躱していく。これくらいなら余裕――じゃないわやばいやばいって!狭い狭い!ここじゃ流石に不利だ!、ドアへダッシュ!
バアンッ!と来るときとは真逆な大きな音を立ててドアを蹴破り、外へ着地する。周囲から怪訝な視線で見つめられるが気にしてる場合じゃない、ここから離れなければ。
「ごぅわっ!」
背後から飛んで来た剣(大量)を地面を転がるようにして避ける。こっちも動きやすくなったけどあいつもそれに対抗してか剣の数をさらに増やしてきた。
「おい!ちょっ、やめろって」
「しね!しねしねしねしねっ!」
俺の言うことなど聞く耳持たないと言わんばかりに攻撃を仕掛けてくる。このままだとジリ貧だしいずれ攻撃くらいまくってボコボコ総攻撃説教お仕置きを食らうだろうな。
我ながらかなり適当なネーミングだ。いやまぁあいつのこと気絶させれば済む話なんだけどさ、今回は千分の千くらい俺に非があるから出来ればそういう手はしたくない。そもそもたぶん勝てないし。
だがそう考えている間にも恐ろしい量の剣が飛んでくる。まくことができればあいつの頭が冷えたころにまた向かうんだけどな。だが今のあいつからはそう簡単に逃げられないから厄介なんだ。
「ふぅ」
とりあえず家を曲がってできる死角を利用していったんは隠れることができた。どうすっかな……
すると俺の足元に何度か見かけたことのある魔法陣が再び現れる。これはこれを使えというどっかの神の啓示か?いやでも……
そう逡巡しながら顔をのぞかせもと来た道を見る。……あっやべ目が合った。やばいってやばいってこれはもう時間ないしっ!なるようになれや!
「待ちなさいよ!アーレスゥゥッ!」
最後にアティスが飛ばしてきた剣が目の前に迫ってきたところで俺の視界から見える景色は一気に変わるのだった。
気分しだいです僕は、はい




