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( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
お待たせいたしましたという声とともに届いたケーキが俺たちの前に並べられる。俺のは少々色合いが暗いが二人のは鮮やかな盛り付けがされていてとても女子受けがよさそうだと感じた。実際女子二人は目を輝かせている、そんな顔できたんですね。
「それじゃあいただきましょう!」
「そうだな」
「ええ」
ドリルの声に合わせてケーキをフォークで一口大に切って口に運ぶ。あぁうまい、カカオの苦みとほのかな甘み、甘すぎず苦すぎずの優しい味だ。
横を見るとドリルも上品にだがとてもうまそうにピーチもほほに手を当てて「ん~♪」とでも言いそうなくらいに幸せそうな顔をしている。
ここでコーヒーを一口、あぁ落ち着くわー。
「ねぇあんた」
「ん?どうした?」
ピーチがこっちを見て話しかけてきた、何の用じゃ。
「あんたのそれ一口よこしなさいよ」
「えー、俺これ結構好きなんだけど。じゃあお前のやつも一口くれよ」
「う~ん……まぁしょうがないわね、それでいいわよ」
「ならいいぞ、ほれあーん」
また一口大に切ってフォークにさす。それをピーチに向けると小さな口を開けてパクっと食べてしまった。
「う~んっこれもちょっと苦いけどおいしいわねっ!」
「そうだろうそうだろう。じゃ、お前のも一口よこせ」
「わかってるわよ」
その言葉と共にケーキを突き刺したフォークが差し出される。パクリ……うん、うまいな砂糖とは違った果物独特の甘みが口の中に広がる、しつこい甘さじゃなくすっきりとしたとした感じでしつこくない。
「おぉ~、これもうまいな」
「そうよね!」
「えっ……ピーチさん……えっ?」
なんかドリルがめちゃくちゃ赤面してんだけど、どうした風邪か?むっ。
「悪いトイレ行ってくるわ」
「あんた私の召喚獣なんだからすぐ戻ってきなさいよ!」
「へいへい」
えーとトイレは~……どこだ?すいません店員さーん。
△▽△▽
<ピーチ>
まったく、あいつは私の召喚獣としての自覚が足りないと思う。私の言うことなんて全然聞かないし何なら対価を要求するって何様のつもりよ!まぁそこにさえ目をつむればとても強くて顔も悪くはないのだけれど……やっぱりそんなやつを召喚できる私は優秀ってことね!
「ピ、ピーチさん」
「……?どうしたの?リーシャさん」
リーシャさんの方を見るとなぜか顔を真っ赤に染めている、どうしたのかしら風邪?
「さ、さっきそのアレスさんと…そのっ……」
「?」
「間接キスしてましたよねっ!」
は?カンセツキス?それって確か……で、私とあいつがやった…のは……。あああああああああああああああ!
「ちっ違うわよ!あいつは召喚獣なんだから!」
「でもでも人型でしかも男性なんですからつまりそういうことですわよね!」
「だから違うって!」
私はそんなこと全然考えてなくてただあいつの食べてたやつも気になっただけで、ていうかリーシャさん興奮しすぎじゃない?今朝までと態度違いすぎるし!
「過去には人型の召喚獣と籍を入れた方もいるらしいですわよ!もしかしたらピーチさんも……」
「ならない!ならないわよ!」
あいつなんて昨日出会ったばっかだし……それに面倒くさがりだしいいところなんて強さと顔くらいで……って違う違う!私はあいつの事なんて!
「ねぇ、アレスさんが帰ってくる前にもっとお話を聞かせてくださいよ~」
「ちょっ、くっつかないでってば!」
ガシャン!
そうこうしてリーシャさんと話していると突然入り口付近から窓が割れる音がした。目を向けてみると顔を隠した数人の男と召喚獣と思われる獣が目に入った。
「全員動くな!不審な動きをした奴には容赦しない!」
もしかしたら私たちやばいかもしれない。
!щ(゜▽゜щ)




