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眠い
二人に連れられるまま街に繰り出すお嬢様っぽい見た目のドリルとお嬢様(笑)のピーチの数歩後ろを歩いてるからなおさら従者っぽさが高まってる気がする。まぁ別に気にしないけど。
「この先にオススメのお店があるんですのよ、わたくしお友達と言ってみたかったんです!」
「えっ、お友達って……」
「ダメ……でしょうか」
「い、いやっそういうわけじゃ……」
「ならわたくし達はお友達ですわ!さあ行きましょう!」
「あっ、ちょっと!」
そういうとドリルはピーチの腕をつかんで早歩きで進んでいってしまう、一応俺もある程度の距離を保ちながら歩いているけどあのドリル初見と印象が違いすぎるんだよな、これがツンデレ?実際には見たことないからよくわからないけど。
そんな調子で二人は会話を続けながら歩き続けていく。二人は実習前の態度が嘘のように声と顔とが柔らかくなっている
「ここですわ!」
ドリルがそう言って止まったのはいたって普通の店だった、内装外装から椅子机まで全体がダークブラウンの木で作られているためとても統一感と不思議な安心感がある。
店員に案内されるままに席に着くと女子二人はすぐにメニューを食い入るように見つめ始める。幸いにもメニューは三つあったので俺も困ることはなかった。どうやら多くのメニューにそれぞれ写真がついているので全部がうまそうに見えて悩んでいるのだろう、正直俺も迷う。
「なぁドリル」
「わたくしの名前はリーシャですわ。で、何ですかアレスさん」
「いや、この店のオススメメニューって何だろうなって、お前はよく来てるんだろ?」
悩むならば相談してしまえということでドリルに意見を聞く。丁度ピーチの奴も悩んでたのか目を向けてるし。
「わたくしもすべてのメニューを制覇したわけではないので何とも言えませんが……わたくしはここのケーキは絶品だと思っています」
「へぇー、そうなのね私最近はケーキなんて全然食べてないわ」
ケーキか、確かに俺も最近は一切食べてない気がする。試しにメニューのケーキ欄を見るとこれだけでもかなりの種類のものがある、オーソドックスなものから季節限定の変わり種まで……充実してるもんだ。
「お二人は決まりましたか?」
「俺は決まったぞ」
「私もよ」
「そうですか、すみませーん注文をしたいのですが――――」
注文をしたのはドリルのオススメもあってか全員がケーキだった。ただその種類まではかぶらず全員が別々のものを注文した。あと飲み物として全員がコーヒーを頼んだ。
まず俺はカカオ80%!濃厚チョコレートケーキ。まぁ甘すぎるのよりは苦みがあった方が好みだからな。
ピーチは王国産!桃の果肉をたっぷりを使ったフルーティピーチケーキ。まんま名前通りの奴じゃねえか、何も言えんわ。
最後のドリルは季節限定!春の花のフラワーケーキとかいうやつ。季節限定でもそんなよくわからないものに良く挑めるなと感心する。まずくは無いんだろうがどうしても俺は無難なところを選んでしまう。こいつは意外とチャレンジャーなんだろうか。
俺は和気あいあいとした空気で話す二人を見ながら先に届いたコーヒーを飲んでケーキが届くのを待つ……うん、やっぱブラックは無理だわミルクミルクと……。
ブックマークよろでーす。




