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街に出たが、服装は問題無いだろう!

――と、言うわけだ。


 なるほどな……。それは俺の行動を見ての判断か?


――そうだな、私は主の眼から世界を見通し、判断した。安心しろ、常に観ている訳ではない。


 それでも少し怖い気がするが……だって、常に監視されてるって……。


――心配するな。興味は世界にあって主限定ではない。


 完全に無いとは言わないのな。


――そろそろ時間だ。先ほど話した事についての判断は任せるが、出来れば早い方が良いと思われる。


 そうか。ありがとう。


 

 俺は少し微睡みに落ち、意識がはっきりするのを待って、目を開ける。


「朝か……ふぁぁ」


 目に写る自分の部屋の天井を確認し、欠伸をする。


 シャツに着替え、部屋の椅子に掛けている制服を上から着る。別に制服である必要は学園外では無い筈だが、一々服を選ぶのは少し面倒に感じるので、いつも通りの格好で居たい。そして白衣を羽織る。

 

 着替え終えたので部屋を出る。俺の部屋にはベッドと机と椅子位しか物が無い。備え付けでクローゼットはあるが、中は空で何も入っていない。アイテムボックスに俺の荷物のほとんどが収納されているからだ。まあ、荷物自体少ないのだが。いや、種類は衣類、食料、ポーション、素材、ニュークスの死体と少ないのだが、容量で言えば結構詰まっている。実にその九割以上がニュークスの死体と言うのは笑えない。その特性上、夜は軽くなり、朝に重くなるのだが、朝の倦怠感がいつも以上につらいのは気のせいだろう。


 今日は休日だ。とはいえ、食堂へ行けば朝食は用意されていたし、ここで食べる予定は無いが昼食も用意されるだろう。俺の朝食はバランスの良い組み合わせだ。パン、サラダ、スープと魚。


 俺の、と、言ったのはクラスメイトのそれぞれに別の食事が配膳されているからだ。

 始めは同じ種類、量だったのだが、徐々に最適化されるように、変わって行ったのだ。


 因みに、種類は置いて置き、一番量が多いのは和樹で、少ないのはアリスだ。

 和樹は流石『暴食』とも言える食べ様だった。


 俺は朝食を終えた後、クラス棟の屋上へ上がる。幸い誰も居なかったので、『強欲の書』を開き、街の地図を見る。


 ある程度の方角は分かったので、いつもの『エア・プロテクト』『バースト』で一気に屋上から宙へ加速する。


「ひゃっはぁぁぁぁぁ!」


 顔や服に当たる風が気持ちいい。少し、世紀末風な叫び声になってしまったが、気にはならない。

 白衣が靡いて少し引っ張られる様な感覚になるが、それもまた、揺られるようで心地いい。


「最っ高!」


 少し高度が落ちそうになってもすぐに『バースト』して推進力を得る。


 空の旅は最高だ。いや、旅では無かった。もうこの学園の端まで来たらしく、二メートルほどの石壁が続いていた。なので、俺はバーストせずに高度を下げつつ、石壁を越えた――。


「あれぇ?」


――が、しかし。此処は魔法学園。結界の一つでも張ってあっておかしくない。

 まあ、つまり、端的に言えば、俺は魔法を吸収するタイプの結界を通って、慣性に従い、街に連なる屋根に墜落した訳だ。


「チクショー! どうしてこうも世界はバランスがとれてるんだよ! 何で気分が良いと悪い事が起きるんだよ!」


 と、俺は地団駄を踏む。これには近くの屋根に居た盗賊チックな女の子もビックリ。


 女の子が走り去って行くのを仰向けのまま首を傾げて見送り、俺も立ち上がる。


「はぁ……」


 溜め息を吐きながら、服についた砂ぼこりを払う。幸い、プロテクトで覆っていたので、破けていたりはしない。

 

「流石に街中で使う訳にもいかないしな……訊けばいいか」


 俺は強欲の書で目的地までの道を調べようと思ったが、流石にどんな視線があるか分からない街中での使用は避けたい。

 屋根の上から裏道へ降り、何事も無かった様に表通りへ出る。


 通りには屋台が並んでいる。見たところ串焼き等の食べ物や、魔法関連の道具が主だ。

 俺は近くの串焼き屋へ近づく。


「らっしゃい! 一本、銅貨一枚。三本で二枚だ」


「三本下さい」


 俺が話し掛けると、あいよ! と、いかにも屋台おっちゃんといった感じのおっちゃんが小ぶりな肉が四、五個ついた串を三本手渡してくる。


「お、その制服、学園の生徒さんか?」


「はい、今年入学しました」


 俺が白衣の下に着ている制服に気づいたのか、そのまま会話が始まる。それにしても串焼きは旨い。


「そうかそうか。俺ぁいつもここで屋台出してっから、気が向いたらまた来てくれよ」


「ええ。そうします」


 旨い旨い。串焼きが旨い。


「あ、ところで、近くに占いをやっている所ってありますか?」


「ん? 占いか? そうだな……この道をしばらく進めば何人かいるだろうが、本格的な占い師の店ってんならここから少し外れた所に看板立てた店があるからそこだな。丁度お前さんが出てきた小道があるだろ、そこを進めば着くさ」


「俺が出てきた所なんかよく見てましたね」


 結構人通りがあるし、そこまで目立つ服装じゃ……ん。


「白衣が目立ってたからな」


 はぁ。流石に目立つんじゃしょうがないか……。

 俺がそう思って白衣を脱ごうとすると、屋台のおっちゃんから待ったが掛かる。


「おっと、目立ちたくないなら白衣は羽織っといたほうが良いぜ。多分、制服の方が珍しいだろうからな。観光客とかに目ぇつけられるぞ」


「なるほど。学園都市なのに学生らしき姿が見えないと思ったらそういう……」


「いや、街にいる学生もあまり見ねぇけどな」


 まあ、距離が距離だ。仕方ないだろう。


 俺は礼を言って、小道へ入る。さあ、目指すは占い師の館へ!


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