報告
何とか書けたんで投稿しました。読んでくれてる人がそもそもいないかもしれませんが・・・。明日以降も何とか更新出来るよう頑張ります。
「それで今回は何をしてきたんですか?」
式人がエリエスの街の冒険者ギルドに戻ってイーリスに報告しようとした時の開口一番のセリフがそれだった。流石にそこまで信用されていないと思うと式人は何だか悲しくなった。やらかしたのは事実だが、今回は最小限に抑えているはずだと式人は思っているからだ。
「何故、何かやらかした前提で聞いてくるんですか?」
「シキトさんが何も被害を出さなかったこととか今までに一度も無かったので、ギルドでは依頼と被害の両方を確認することにしています。いや、することにしました」
ここまでくると今まで何をしてきたのか気になるところだ。いっそ清々しい程ではあるが、式人は悲しくなった。
「いや、今回は被害は「嘘ですね」せめて最後まで聞いてくださいよ・・・」
「嘘、ですよね?」
またもや目が一切笑っていない笑顔で問い詰めてくるが、イーリスの笑顔は今までほとんどが目が一切笑っていないことに気づいた。普通の笑顔とは何だったか。
「・・・はい」
「何を、したんですか?」
「・・・半径10メートル程の円形に木を切り倒しました」
「それで、どうしたんですか?」
「・・・切り倒した木を回収しました」
「何故、そんな事を?」
「・・・今回は被害は抑えられた方かなと思い、隠したらバレないかな、と」
ゆっくりと聞いてくるイーリスに素直に答える式人。イーリスはふぅ、と息を吐くと
「まあ、今回はそんなに被害が出てる訳ではありませんし、未だにウルス大森林は全体が把握出来ていませんからそこまで大事にすることではないでしょう」
「そうですか」
「シキトさんも被害を出さない様にこれからも注意して下さい。いいですね?」
「分かりました」
どうやら詰問時間は終わったようだ。式人が宿屋に帰ろうとするとイーリスが真面目な顔をして式人を見てきた。式人は不思議に思いどうしたのかとイーリスに尋ねる。すると
「いえ、実は冒険者の方々の間で噂になっていることがあるのですが・・・」
少し歯切れの悪いイーリスに疑問に思う式人。それはそうだろう。普段の彼女は物事をはっきりと告げるタイプの人間だ。そんな彼女が少し不安そうな顔で尚且つ告げるべきか悩んでいる姿など滅多にない。只事では無いと判断した式人は姿勢を直し、話を聞く体勢になりイーリスに話の先を促す。
「どうやら最近、ウルス大森林の魔物の様子がおかしいようなんです。いつもより凶暴性が増しているとのことで。どう思いますか? これは、ウルス大森林に何かしら異常が起きていると思いますか?」
「いえ、それだけでは判断出来ませんね。俺は今日グレートモンキー討伐に行きましたが、そこまで凶暴性が増している訳ではなさそうでした。・・・そうですね。一応俺の方でも調べてはみます。何か分かったら報告をしますよ」
「お願いします。まだ、噂の域を出ないことを真に受けるのは本来ない事なんですが、どうやら噂している冒険者がかなり多い様なので一度調査をした方が良いという判断になりました。後日また、依頼を出すので準備が出来たらギルドに来てください」
「分かりました。それではこれで」
どうやらウルス大森林に異常が起きているようだがギルドは詳しく把握出来ていないらしい。そのような事態に式人は心当たりがあるのだが、黙っていた。まだ確定した訳ではないので、変に周りに騒がれるよりは黙ってることを選んだのだ。その判断が間違っていない事を祈りつつ、一抹の不安を抱えながら式人は宿屋に戻った。




