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冒険者ギルド

 ――冒険者とは主に魔物を討伐することで生計を立てている人達のことである。また、魔物以外にも街で困っている人の手伝いをすることも冒険者の仕事になったりする。

 また、冒険者は実績と実力によってランク付けされていて、下からF、E、D、C、B、A、Sとなっている。冒険者は依頼をこなす事により実績とギルドからの信頼を得ることでランクを上げるのだ。

 依頼をこなすという事は街の人から信頼を得ることでもある。そのため、いくら実力があっても実績と信頼が無ければ高ランクにはなれず、街の人もそんな人に依頼を受けて欲しくないと言い出すので、このような制度になっている。

 それが冒険者というものであり、依頼を冒険者に仲介したり、冒険者のランクを定めることで冒険者を管理・統括している組織が冒険者斡旋組合――通称、冒険者ギルドなのだ。


 式人は冒険者ギルドに着くと静かにドアを開けて入った。式人が中に入った瞬間ギルド内が一瞬静かになったかと思うと、大騒ぎになった。


「おい、シキト! お前今度は何やらかした!」


 奥からスキンヘッドの、左頬に傷のあるごつい大男が叫びながらやってきた。


「いやいや、ガンツさん。今回は何もしてませんよ」


「嘘つくなって! お前が呼び出し食らう時は決まって何かやらかした時なんだよ!」


「そんなに信用ありませんかね・・・」


「ある訳ねえだろ! 今までの事考えてもみろ! オーガ5体の討伐に行ったらエンペラーオーガとオーガ300体討伐して来たり、オーク5体の討伐に行ったらオーク30体討伐した挙句、戦闘の余波で周囲の環境はボロボロ。そんな事起こした奴がどうやったら信用されるってんだ! なあ、()()()1()0()()()()()()()()()()()()()()()()?」


「買いかぶり過ぎです。たまたまですよ」


 それだけ聞くと凄いのだが傍迷惑にも聞こえてしまう。

 確かに式人はSランク冒険者なのだが、本人は運だけでSランクになれたと思っている。そんなにSランクが甘い訳ないのだが本人は頑なに自分の実力では無いと信じて疑わない。

 周りから見れば嫌味か謙遜にしか聞こえないのだが、式人の人間性からか、あまりそう言った反応は特に無かった。


「それとSランクの事は黙ってて下さいよ」


「相変わらずだな、おめえは。何でそんなにSランクの事をバラしてほしくないんだよ?」


「今は放浪してる最中でしてね。Sランクって事がバレるとどんな厄介事に巻き込まれるか・・・」


 以前この街――エリエスの街の冒険者ギルドでSランクということがバレて以来ずっと、Sランク相当の高ランククエストをこなし続けてきているのだ。まあ、その時の受付嬢が驚いた顔でSランク、と小さく口に出してしまったのが周りにも聞こえたのでバレたのだが。今ではギルド全員が知っている事だ。


「なるほどな。ところでいいのか?」


「何がです?」


「受付嬢のイーリスちゃんがさっきからお前の事ずっと睨んでるんだが」


「あ!」


 いつの間にか意識の外へ飛んでいた事を思い出し、急いで受付に駆け寄った。向かった先は金髪のストレートヘアーで小顔のとても可愛らしい顔立ちをしている受付嬢なのだが、今はその顔は盛大に膨れっ面だ。


「こんにちは、イーリスさん」


「はいこんにちは、シキトさん」


 と、挨拶は返してくれたが膨れっ面のままだ。


「えーと、今日はどんな用で呼ばれたのでしょうか」


「先日のオーク討伐による報酬とオークの素材の査定が終わりましたので、そのお金を渡すために来てもらいました」


 膨れっ面を元に戻して真面目な顔になったので、一応仕事はしてくれる所、流石受付嬢といったところか。


「そういう事でしたか。それでいくらになりましたか?」


「依頼の報酬が10万(アルカ)で査定額がオーク一体につき2万(アルカ)の30体なので合計70万(アルカ)になります。」


「意外とつきましたね。いいんですか?」


「オークの素体が綺麗なままでしたので、このような値段になっていますよ」


「分かりました。じゃあそれでお願いします」


「かしこまりました」


 そう言ってイーリスは金貨を7枚机に置いた。

 ちなみにお金は銅貨が10(アルカ)、銀貨が1000(アルカ)、金貨が10万(アルカ)となっており、更に金貨の上に白金貨があり1000万(アルカ)となっている。銅貨1枚で安いパンが1つ買えるぐらいだという価格だと思って欲しい。


「ありがとうございます。それでは俺はこの辺で」


「シキトさんどこに行こうとしているのですか? まだ話は終わってませんよ?」


「・・・え?」


「次の依頼ですよ」


 式人はイーリスの顔を見るが、イーリスはニコニコとしている。しかし目は一切笑っていない。式人は逃げ出したくなったが逃げられないと察し、諦めて話を聞くことにした。

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