授業
遅くなりました。
店を閉めた後早速授業を始めることにした。ついでにラナは今日は仕事が残っているということで帰ってしまった。
「店長、どこから教えた方がいいですか?」
「取り敢えず算術ができるようになりたいのだが」
「広いですね。要は値段を出せたらいいんですよね?」
「まあ、そうだな」
「なら、計算ですね。足し算と掛け算ができるようになりましょう」
「足し算? 掛け算?」
「まあ、簡単に言えば数字を合わせるだけです」
まるで小学生を相手にしているようだな。と、とんでもなく失礼なことを考えながら式人は教える。
「店長はどこまで計算ができますか?」
「うむ、恥ずかしながら一桁の数しかできないんだ」
「7+8は?」
「15だな。そこまでは分かる」
「それができるなら簡単ですね。まずは二桁と一桁の計算から始めましょうか」
「頼むぞ」
式人はまず簡単な問題を解説するところから始めた。
「では、例として12+5としましょうか。分かりますか?」
「・・・・・・すまない」
「いえ、これはまず十の位と一の位に数字を分けます。12だったら十の位は1、一の位は2といった感じです。ここまではいいですか?」
「ああ。しかし5の方はどうするんだい?」
「5は十の位を0と考えます。10に数字が満ちていませんからね。計算ですが、これは十の位は十の位同士で、一の位は一の位同士で合わせます。この場合だと1と0が十の位。2と5が一の位なので十の位は1。一の位は・・・店長分かりますか?」
「7だ。」
「そうです。そして二つの数字を並べて位の大きい方から読んでいきます。今回は十の位が1、一の位が7なので十の位から読んで・・・はい、店長答えは?」
「17・・・か?」
「正解です。これは二桁以上でも同じです。同じ位の数字を合わせるんです。これが足し算ですね」
「なるほど」
「それでは次は18+8の場合はどうなると思います?」
「まずは十の位と一の位に分けて、分けた数字と同じ位の数字を合わせる・・・。18は十の位が1で一の位が8。8は十の位が0で一の位が8。合わせると・・・十の位が1で一の位が・・・・・・16? この場合どうすればいいんだ?」
「そこまでいけば簡単です。同じことをすればいいんですよ」
「つまり、16も分けると?」
「はい」
「そうなると、16の十の位が1で一の位が6だから、十の位は1+1で2になって一の位が6・・・・・・。答えは26か?」
「その通りです。流石ですね店長、飲み込みが早いですね。」
ここまで飲み込みが早いとは式人は思っていなかったが、ヤナはもう大人なのだから一度理解してしまえばすぐにできるようになるのは必然だった。
(授業そんなにやる必要が全然ないな。店長は要領がいいからすぐに理解して会計もできるようになるだろうし・・・どうしたもんかね)
この調子なら掛け算もすぐに習得してしまうだろうと式人は思ったが別に早く覚えても何の支障も無いため、早めに終わらせる方向で考えることにした。
「次は掛け算ですね。これは、言うなれば足し算の数を表すといった感じですね。例えば2×3は2が3つあるんです。これをすべて足すのが掛け算です」
「ではこれは2+2+2、ということか?」
「その通りです。流石店長、相変わらず早いですね。答えはどうなると思います?」
「う、うむ。6だな」
「そうです。簡単でしょう? これは二桁の時も同じです。20×5だったらどうです?」
「むむ、20が5つあるから・・・40+40+20、になるのか?」
「そうです。そして?」
「80+20になって・・・100か?」
「正解です。難しくないでしょう?これが基本ですよ。今日はここまでにして、明日は店で練習してみましょうか」
「もうか? 流石に早くないか?」
「いえ、実際に計算した方が身につき安いですからね。ラナさんにも手伝って貰いましょう」
「そうか。君が言うなら仕方ないな。明日もよろしく頼むぞ」
「ええ」
こうして、初めての授業は終わったのだった。
主人公が放浪してませんね・・・。なんだか行き当たりばったりですが読んでいただけると幸いです。作者も忙しくてこれからも間が空いてしまいますが、ご容赦を。




