織田式人
「んぁ?」
小さな街の宿屋で男、織田式人は目を覚ました。寝起きでぼーっとしていて、髪はボサボサだ。傍から見たらものすごくだらしない。
式人はのそっと起き上がると顔を洗いに洗面所に行く。さっぱりした彼は鏡を見る。その顔はよく見積もっても平凡だと誰もが思うだろう顔立ちをしている。しかし身長は180ほどあるので何ともちぐはぐである。
そして彼は仲間と別れた今では着慣れてしまった青のコートを羽織り、刀と呼ばれるこの世界では珍しい武器と小さな革袋を持って部屋を出た。
「おはようございます。女将さん」
「あらおはよう、と言ってももう昼よ寝坊助さん」
受付に居た女将に挨拶をすると、そう言って笑われてしまった。
「お客さん、またギルドから呼び出しがあったわよ。今度は何したのよ?」
「いつも俺が問題を起こしてるみたいな言い方はやめてくれませんかね・・・」
「あら、事実でしょう?」
「いや、そんな頻繁に起こしてる訳ではないんですが・・・」
「お客さん、もうちょっと自覚した方が良いよ」
少しは起こしていると式人は自覚はしている訳だが、女将はばっさり切り捨てた。
「早く行きな。早くしないとイーリスが来ちゃうわよ」
「そうですね。イーリスさんの仕事を増やしたら後で怒られますね」
「いや、寧ろ嬉々として来そうだけどねぇ」
「・・・では、行ってきますよ」
最後の言葉を無視して式人は宿屋を出てギルドに向かった。




