それでも歩む世界
カタカタと軽快なリズムで音周囲に響くなる。
私ははいつものように部屋で旧型のキーボードでプログラム打ちながら、新型を微調整していた。
ズズズズッ
珈琲を啜りながら、作業をしていると。
あわてた様子で部下が緊急用回線で連絡してきた。
『刃津丸先生!!、突如不自然な魔法プログラムの乱れが起こったので、詳しく調べたところ。
管理システムのAIに厄介な事にぃ!!!
それも徐々にバグの影響がひどくなってます!』
「!何!!それは本当かね、丸丸君、今すぐそちらに向かう」
私は、すぐさま新型のデータが入ってるメモリを抜いて、丸丸君がいるであろう部屋に走った。
そして、数分でその部屋に着き、扉を勢いよく開けて入る。
「丸丸君、現状は?」
「いまだに影響が進み止る気配がありません。
更に他の管理システムにも影響して同じような状態になってます。
このままだとあの世界にダイブしている利用者たちの精神が危ないですよ!」
「おーっとこれはまずいぞ、急いでこの新型のメモリで新たな世界を構築する!
丸丸君は、利用者の精神を緊急用の世界に入れて、AIたちの記憶を初期化してくれたまえ。」
パソコンにメモリを差し込み、急いで世界を構築し始める
ぴぴッぴッぴッぴぴぴッぴぴッぴぴぴぴッぴぴぴッぴ・・・・・・・・と最新型のパソコンのキーボードの効果音がひたすら部屋に鳴り響く。
それから、いくらか時間が経ち。
「刃津丸先生!、利用者を避難させました。
あと少しで初期化が完了します。」
「よし、よくやった!。
こしらももう少しで構築が完了する。」
「ようやく、落ち着けそうですね」
「ああ、そうだな。
だか、最後まで気を抜くんじゃねぇぞ。
なんかあったら、報告しろ」
「はい!!」
また、キーボードの効果音が途切れ途切れに聞こえる。
丸丸君が進めてた初期化が終わりかけた。その時、システムが本格的に暴走し始めたのだ。
だが、一歩早かったのか初期化が、システムの暴走が完全になる前に完了したのだ。
しかし、その初期化も完全とは言えず。暴走しかけた傷跡なのか、こちらから干渉できなくなっていたのだ
だから、丸丸君と相談して、その世界【実践型プロトタイプ1349】を破棄した。
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僕は目を覚ました。
「んっここはどこだ?」
だが、そこは見覚えの無い場所だった。
真っ白な空間だった。
そして、僕の目の前にあるクリスタルの結晶が宙に浮遊して、ゆっくりと廻っていた。
なぜか、何も思い出せない。
口から、無意識に言葉が漏れる。
「僕は誰なんだ・・・」
―ブゥン―
と無機質な音が鳴る。
辺りを見ると、クリスタルの結晶付近に向こう側が透けて見えるウィンドウのようなものが浮かんでいた。
覗いてみると・・・。
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《ようこそ、【実践型プロトタイプ1349】の世界に》
《この世界は、次世代式のバーチャルシステムのアバターに
あなた方の精神を憑依させることにより、生活を可能とする作られた世界です》
《貴方はこの世界【実践型プロトタイプ1349】の魔法を管理する者に選ばれました》
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と書かれていた。
そして読み終わって直ぐに
頭のなかに直接音が鳴る。
―ピコン―と
そしたら、視界のすみに
文字が現れた。
》[称号]〔魔法の管理者〕を手に入れました。
とりあえず、目の前のウィンドウに触れてみた。
触れたら画面が変わり
こう書かれていた。
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行ってらっしゃい【シャト】この世界を存分に楽しんできてください。
『強制転移まであと【1分】』
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シャト・・・シャトこれが僕の名前かぁ
心なしか胸が鼓動したように感じた。
あと書いてあるのが強制転移・・・まぁ抗うだけ無駄みたいだし
そして何もしないでいると
ピコンピコンと秒カウント鳴り、数字が徐々に減る。
3・・2・・1・・0
『強制転移します』
アナウンスが流れそして周りの景色が変わったようだ。